長野の食事といえば、やっぱり蕎麦。それか、最近は素材の味を活かしたフレンチやイタリアンもお勧めだろう。
が、本日ご紹介したいのは“とんかつ屋”である。
木曽音楽祭の帰り、我々は「塩尻で塩いかを買って来て。」という妻の友人の一言で、塩尻経由で東京に戻ることにした。(注:“塩いか”は いかを茹でて塩漬けにしたもの。海のない長野県ならではの食材といえ、普通にスーパーで売られている。良い酒の肴である。)
「桔梗ヶ原に寄ってワインを買えるし、ちょうど良いか。それに、そこまで行くなら『片倉館』で温泉に入ろう。」二人の意見は即座に一致した。
そこで次なる問題。“どこで何を食べるか。”
ただ車を運転するだけで特にすることのない二人、その頭の中は既に食べ物のことでいっぱい。我々にとって何を食べるべきかは、ハムレットの ” To be, or not to be ”級の大問題だったのである。
2泊3日の旅、宿の食事以外、蕎麦は初日に食べたし、イタリアンは二日目に食べた。はてさて、長野での最後の晩餐、もとい午餐、何か食べ残したものはないだろうか?美味しいものが僕らを待っているに違いないはずだが。
ここで登場したのが『ZAGAT長野版』。塩尻に向かう道の駅で偶然(必然?)見つけ、思わず買ってしまった。これで漸く一安心だ。
と、思ったのも束の間、片倉館のある上諏訪に適当な店がない。蕎麦(もう食べた)、焼き鳥屋(営業は夜のみ)、居酒屋(当然、夜のみ)・・・・。不届きにも、一瞬、「なんだ『ZAGAT』、高いのに役に立たないな。」と思ってしまった。
が、「上がだめなら下があるさ。」と気を取り直し、今度は『ZAGAT』の下諏訪を見ると、ありました、ありました、とんかつ『丸一』に『うなぎ小林』。
で、長野で肉に飢えていた二人は『丸一』を選んだのであった。
『丸一』は“レトロな店”(注:“すすけた感じ”ともいう)で、学生街の定食屋のようである。
我々は、『ZAGAT』に「肉汁があふれ出てくるほど柔らかくジューシー」とあるロースかつ定食を一つと、単品で鳥の唐揚げと馬刺しを注文した。「ロースかつは時間が掛かりますが、よろしいですか。」と聞かれた。「3センチ以上ある、分厚い、感動もののロースかつ」(同じく『ZAGAT』より)、おそらく低温でじっくり揚げるのだろう。時間など何の問題もない。
ロースかつは最後に出てきた。厚い、というか、でかい。かつを一人前にしておいて良かったと思いつつ、一口噛んだ。さくさくした衣、そしてやわらかい肉。厚さはまったく気にならない。本当にジューシーである。待つだけの価値はある。
しかし、『丸一』を紹介したのは、このとんかつが理由ではない。確かに、ここのとんかつはうまい。が、東京にも、値段は多少高くつくが、同じようにとんかつの美味しい店はあるだろう。最近メタボの気になるお年頃ゆえ、とんかつはほとんど食べないのだが、きっとそうに違いないと思う。
では、なぜ『丸一』なのか。
『馬刺し』である。
熊本、大阪それに東京でも馬刺しは食べたことがある。が、ここの馬刺しは生涯食べた馬刺しの中で最高だった。新鮮さが違うのだろうか。臭みはなく、あっさりとした味わい。口に入れると、やわらかく、とろけるようだ。高いお金を出して牛刺しを食べるより、この馬刺しの方がずっと良い。
そして二人は決心した、今度は泊まりで下諏訪に来るぞ、『丸一』に車では来ないぞ、と。
こんなにおいしい馬刺しを食べながら、お酒の飲めない二人。東京は遠い。
(事実、高速道路1,000円のせいで中央道の大渋滞にはまり、大変な目にあった二人だった。)
が、本日ご紹介したいのは“とんかつ屋”である。
木曽音楽祭の帰り、我々は「塩尻で塩いかを買って来て。」という妻の友人の一言で、塩尻経由で東京に戻ることにした。(注:“塩いか”は いかを茹でて塩漬けにしたもの。海のない長野県ならではの食材といえ、普通にスーパーで売られている。良い酒の肴である。)
「桔梗ヶ原に寄ってワインを買えるし、ちょうど良いか。それに、そこまで行くなら『片倉館』で温泉に入ろう。」二人の意見は即座に一致した。
そこで次なる問題。“どこで何を食べるか。”
ただ車を運転するだけで特にすることのない二人、その頭の中は既に食べ物のことでいっぱい。我々にとって何を食べるべきかは、ハムレットの ” To be, or not to be ”級の大問題だったのである。
2泊3日の旅、宿の食事以外、蕎麦は初日に食べたし、イタリアンは二日目に食べた。はてさて、長野での最後の晩餐、もとい午餐、何か食べ残したものはないだろうか?美味しいものが僕らを待っているに違いないはずだが。
ここで登場したのが『ZAGAT長野版』。塩尻に向かう道の駅で偶然(必然?)見つけ、思わず買ってしまった。これで漸く一安心だ。
と、思ったのも束の間、片倉館のある上諏訪に適当な店がない。蕎麦(もう食べた)、焼き鳥屋(営業は夜のみ)、居酒屋(当然、夜のみ)・・・・。不届きにも、一瞬、「なんだ『ZAGAT』、高いのに役に立たないな。」と思ってしまった。
が、「上がだめなら下があるさ。」と気を取り直し、今度は『ZAGAT』の下諏訪を見ると、ありました、ありました、とんかつ『丸一』に『うなぎ小林』。
で、長野で肉に飢えていた二人は『丸一』を選んだのであった。
『丸一』は“レトロな店”(注:“すすけた感じ”ともいう)で、学生街の定食屋のようである。
我々は、『ZAGAT』に「肉汁があふれ出てくるほど柔らかくジューシー」とあるロースかつ定食を一つと、単品で鳥の唐揚げと馬刺しを注文した。「ロースかつは時間が掛かりますが、よろしいですか。」と聞かれた。「3センチ以上ある、分厚い、感動もののロースかつ」(同じく『ZAGAT』より)、おそらく低温でじっくり揚げるのだろう。時間など何の問題もない。
ロースかつは最後に出てきた。厚い、というか、でかい。かつを一人前にしておいて良かったと思いつつ、一口噛んだ。さくさくした衣、そしてやわらかい肉。厚さはまったく気にならない。本当にジューシーである。待つだけの価値はある。
しかし、『丸一』を紹介したのは、このとんかつが理由ではない。確かに、ここのとんかつはうまい。が、東京にも、値段は多少高くつくが、同じようにとんかつの美味しい店はあるだろう。最近メタボの気になるお年頃ゆえ、とんかつはほとんど食べないのだが、きっとそうに違いないと思う。
では、なぜ『丸一』なのか。
『馬刺し』である。
熊本、大阪それに東京でも馬刺しは食べたことがある。が、ここの馬刺しは生涯食べた馬刺しの中で最高だった。新鮮さが違うのだろうか。臭みはなく、あっさりとした味わい。口に入れると、やわらかく、とろけるようだ。高いお金を出して牛刺しを食べるより、この馬刺しの方がずっと良い。
そして二人は決心した、今度は泊まりで下諏訪に来るぞ、『丸一』に車では来ないぞ、と。
こんなにおいしい馬刺しを食べながら、お酒の飲めない二人。東京は遠い。
(事実、高速道路1,000円のせいで中央道の大渋滞にはまり、大変な目にあった二人だった。)