縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

昔ながらの町の中華屋さんよ、永遠なれ・・・

2017-04-27 00:18:36 | おいしいもの食べ隊
 高円寺に『七面鳥』という店がある。別にローストターキーとか洒落た料理が出てくるわけではない。ただの古い中華屋である。店は駅から少し離れた寂しいところにひっそりとある。

 実は先日初めて行ったのだが、どこか懐かしい感じのする、とても落ち着く店だった。ひとことで言えば、昔ながらの町の中華屋さん。壁の上の方にテレビがあり、新聞や雑誌、コミックも置いてある。お父さんとお母さん、それに息子さんでやっているようだ。チェーン店にはない温かみがあり、また中国人シェフの本格的な中華とも違う、まさに日本の中華、昭和の中華といったお店である。

 この店、何がすごいかというと、メニューがすごい。麺類や定食が充実しているのに加え、なんとカレーライスやカツ丼、それにオムライスまである。ネットによれば、このオムライスが絶品らしい。
 僕は迷うことなくオムライスを注文した。あと肉野菜炒めとビールも頼んだ。ビールはセルフサービス。自分で冷蔵ケースからビールを取り出し、栓を抜く。いくつかの銘柄があったが、この渋い雰囲気の店に合うのは やっぱりキリンラガー。お店の人に「ビールもらうね。」と声を掛け飲み始めたら、すっとお通しを出してくれた。それもお新香とかではなく、きちんとした つまみが2品。うん、本当にいい店だ。
 ほどなく肉野菜炒めが出され、そして最後にオムライスが登場。ケチャップライスを玉子焼きで包むのではなく、ライスの上に薄焼き玉子をのせた形だ。さらにその上にケチャップがたっぷり。そしてライスの量が半端ない。最近炭水化物控えめの僕にはちょっとつらかった。

 お腹一杯になり、ビールを飲み、おまけにお通しが付いて2千円でお釣りが来た。正直、料理は絶品とまでは思わなかったが、普通においしい。家からそんな遠くないし、散歩がてらまた行ってみたい。よし、今度は焼きそばと餃子とビールにしよう。
 
 ところで、最近こうした“昔ながらの町の中華屋さん”が、店主の高齢化等により、どんどん減っているという。近所に必ず1軒はあった、懐かしの昭和中華、それが今や絶滅の危機に瀕しているのである。
 もっとも今ならまだ良い店が残っているに違いない。そう、行くなら“今でしょ”。というわけで、この2週間、僕は会社帰りに昭和中華とおぼしき店を訪ねて歩いた。行った店は東西線沿線か我が家の近所。順に、神楽坂『龍朋』、新中野『尚チャンラーメン』、九段下『お食事の店 まさみ』、東中野『十番』の4軒である。名前を聞いて懐かしく思う方も多いことだろう。
 
 各々一押しの料理やメニューの種類に違いはあるが、いずれの店も安く、量が多く、そして、取り立てて美味しいわけではないものの、まずくはなかった。ときに化学調味料、いわゆる「うま味調味料」の使い過ぎのせいか、のどが渇くときもあったが、それもご愛敬。良くも悪くも、昭和中華の一つの特徴であろう。なにはともあれ、手軽に、安く、ガッツリ食べたいと願う世の男性のため、昔ながらの町の中華屋さんよ、永遠なれ!

 しかし、ふと我に返れば、この年になると油は受け付けなくなって来るし、そうそう中華ばかり食べてはいられない。とすると、店主の高齢化に加え、かつて店を支えた顧客層の高齢化も昭和中華減少の大きな理由の気がして来た。う~ん、昭和中華、大丈夫だろうか・・・。