縁側でちょっと一杯 in 別府

東京から別府に移住してきました。
のんびり温泉に浸かり、美味しい魚で一杯。
夢に見た生活を楽しんでいます。

山バスクを巡る(バスク旅行その4)

2017-09-07 20:56:16 | もう一度行きたい
 バスク地方の内陸、いわゆる山バスクの村々を巡るツアーに参加した。ほとんど事前勉強なしにやって来た二人に現地ツアーは心強い味方だ。
 お昼にビアリッツを出発し、まず典型的なバスクの村であるアルカング、次にピメント(赤唐辛子)で有名なエスプレット、そして「フランスの最も美しい村」の一つであるアイノア、最後にピメント農場を見学というツアーである。
 ガイドはビアリッツ出身のバスク人。本業はミュージシャンで、ガイドはアルバイトとのこと。また、ペロタというバスクで盛んなスポーツ(テニスの壁打ちというかスカッシュのようなスポーツ)のトップ選手だという(あくまで本人談)。

 ガイド氏曰く、バスクの村は教会と墓地とタウンホールを中心に広がっている。タウンホールなど公的な施設には、EUの旗とフランス国旗、そして必ずバスクの旗が掲げられているそうだ。アルカングの街はその通りだった。
 バスク、とりわけフレンチバスクの人々が、今もバスクの独立を望んでいるかどうかはわからない(スペインでは最近までバスク独立派によるテロがあったが)。しかし、やはり自らの文化や、郷土であるバスクに誇りを持っているのは確かだろう。四葉のクローバー(あるいは換気扇の羽?)のような“ラブウル”というバスク十字を街のあちこちで見かけた。

 そして、車はエスプレットへ。今回フレンチバスクに来た目的の街である。が、なんとここで妻がダウン。炎天下の中の見学やペロタ体験のせいか軽い熱中症に。
 この日は今回の旅行中で唯一の晴れ。気温は30℃以上あったと思う。おまけに日差しが本当に強い。日本より湿度が低いせいなのか、日差しの強さがひと味違う気がする。ガイド氏はじめ一緒にいた欧米人は、慣れているのか皆日差しは平気なようだったが、我々には応えた。で、妻は駐車場を出てすぐ、あえなくダウン。結局バーで休むことに。僕もお付き合い。
 かくして最大の目標であったエスプレット見学は次回のお楽しみに(って、次はある??)。

 「フランスの最も美しい村」というのは、小さな村の観光促進のため、人口2,000人以下、歴史的建造物や自然遺産などの保護地区が2か所以上等の条件をクリアした村を登録したもので、現在156あるという。アイノアもその一つ。
 アイノアは、スペインとの国境近く、遠くにピレネー山脈を望む丘陵にあるのどかな村だ。白壁に赤いストライプの入ったバスク風の家が並んでいる。住むには退屈だと思うが、ツアーで慌ただしく通り過ぎるのはもったいない気がする。地元の人達でごった返すレストランに行き、その明るく賑やかな雰囲気の中、バスクの料理とワインを味わうのも悪くないだろう。

 最後はピメント農場見学。ピエールおじさんとその家族でやっている La Ferme Aux Piments という農場に行った。畑の向こうはスペインという国境沿いの丘陵にある。ピメント作りのビデオを見て、ピメントのジュレやパウダーを試食し、畑の見学までさせてもらった。そうそう、ピエールおじさんとの記念撮影も。
 そして締めくくりは前庭での宴。地元バスクのハムとワインが振る舞われた。外の風が心地よい。お蔭さまで妻もすっかり元気になり、人一倍ワインを飲んでいる。終わり良ければすべて良し。バスクの生活や文化に触れることもでき、楽しいツアーだった。