ストックホルムからフィンランドのトゥルクという町までフェリーで渡った。フェリーは島々の間をぬって走る。市場で買った塩茹でのエビ(これが旨い!)とスモークサーモン(これもまた旨い!)をつまみに、ワインを飲みながら、ぼーっと外を眺めていた。大きな島もあれば、小さな島もある。どの島も船がなければ辿り着けないだろう。島は木々の深い緑に覆われている。橋はないし、おそらく道路もほとんどないと思う。
が、しかし、なんとそこそこの大きさの島には大抵家が建っている。小さな集落もあれば、ポツンと1軒建っているのもある。ストックホルムから船で1、2時間とはいえ、さすがにここから通勤する人はいないだろう。別荘、サマーハウスに違いない。スウェーデンの人口は1千万人弱。ほとんどの家が別荘を持っているのかと疑うほどの数だ。スウェーデンの人は意外にお金持ちなのかなと、住宅ローンを抱え別荘など夢のまた夢の僕は羨ましく思った。
そういえば、コペンハーゲンで市内の運河巡りをしたときもそう感じた。運河にはヨットやボートが所狭しと泊められている。船着き場を持った家にお洒落なコンドミニアム。う~ん、やっぱり金持ちはどこの国にもいるんだな、と。
確かに一人当たり名目GDP(単位:米ドル、2015年、IMF)を見ると、北欧の国は皆日本より高い。デンマークは 52,114で8位、スウェーデン 49,866、12位、フィンランド 41,974、19位。これに対し我が日本は32,486で26位・・・。因みに今回行けなかったノルウェーは 74,822で堂々の4位であり、米国(55,805で6位)よりも上。まさに恐るべし北欧。
もっとも北欧は国民負担率(国民所得に対する国民全体の税金と社会保障の負担割合)も6~7割と世界のトップクラス。日本の国民負担率は44.4%(平成27年度)と今のところまだ低い。消費税だけを見ても、北欧3国は25%(注:フィンランドは24%)。北欧の人々は高負担高福祉を受け入れている。行き届いた高齢者福祉は有名であるが、医療や教育も原則無料。また北欧の国々は所得格差が小さいとの特徴もある。
ところで、国連の最新の幸福度ランキング(2016)を見ると、デンマークが栄えある第1位、そしてノルウェー4位、フィンランド5位、スウェーデン10位と、北欧の国は皆トップテンに入っている。悲しい哉、日本は53位、おまけに年々順位が低下している。
なぜ北欧の人はそんなに幸せなんだろう。
わずか1週間の短い滞在であったが、僕が思うに、北欧の人達は“あるがままを受け入れている”から幸せなのではないだろうか。無い物ねだりというか、そこに無い選択肢は考えないのである。
例えば、日光浴。北欧では多くの人が日光浴しているのをよく見た。特に何かするわけでもなく、ただ座って日を浴びているだけ。それ自体が目的なのである。安上がりで良いが、他にやることがないのかと要らぬ心配をしてしまう。
食事にしてもそう。寒さの厳しい地方ゆえ穫れる農作物は限られている。その種類は温暖な日本の比ではない。市場やスーパーを随分見たが、珍しいものはほとんどなかった。
絶対的な自然の力を前に、冬が長く日照時間が短い、寒さゆえ食材の種類が乏しい等の現実を所与のものと受け入れ、その中での生活に喜びを見出し、満足してきた北欧の人たち。我々日本人から見ると選択肢の限られたシンプルな生活、刺激の乏しい生活かもしれないが、可能な選択肢の枠内では自由なのである。また、所得格差が小さく皆同じような生活水準であるため、他人と比べたり、羨んだりする必要もないのであろう。
最後に少し飛躍した考えだが、こうした国民性ゆえ北欧では高福祉高負担が成立し得たのではないだろうか。厳しい自然を受け入れ共存して来た人たちだからこそ、社会民主主義が根付いた、高負担を受け入れる土壌があった気がしてならない。個人主義の強い中国が共産主義の理念と程遠いのも仕方がないと思う。
と言いつつ、政治がだらしなく、国民の権利意識が強い日本は、果たして将来高負担を受け入れることが出来るのだろうか。
が、しかし、なんとそこそこの大きさの島には大抵家が建っている。小さな集落もあれば、ポツンと1軒建っているのもある。ストックホルムから船で1、2時間とはいえ、さすがにここから通勤する人はいないだろう。別荘、サマーハウスに違いない。スウェーデンの人口は1千万人弱。ほとんどの家が別荘を持っているのかと疑うほどの数だ。スウェーデンの人は意外にお金持ちなのかなと、住宅ローンを抱え別荘など夢のまた夢の僕は羨ましく思った。
そういえば、コペンハーゲンで市内の運河巡りをしたときもそう感じた。運河にはヨットやボートが所狭しと泊められている。船着き場を持った家にお洒落なコンドミニアム。う~ん、やっぱり金持ちはどこの国にもいるんだな、と。
確かに一人当たり名目GDP(単位:米ドル、2015年、IMF)を見ると、北欧の国は皆日本より高い。デンマークは 52,114で8位、スウェーデン 49,866、12位、フィンランド 41,974、19位。これに対し我が日本は32,486で26位・・・。因みに今回行けなかったノルウェーは 74,822で堂々の4位であり、米国(55,805で6位)よりも上。まさに恐るべし北欧。
もっとも北欧は国民負担率(国民所得に対する国民全体の税金と社会保障の負担割合)も6~7割と世界のトップクラス。日本の国民負担率は44.4%(平成27年度)と今のところまだ低い。消費税だけを見ても、北欧3国は25%(注:フィンランドは24%)。北欧の人々は高負担高福祉を受け入れている。行き届いた高齢者福祉は有名であるが、医療や教育も原則無料。また北欧の国々は所得格差が小さいとの特徴もある。
ところで、国連の最新の幸福度ランキング(2016)を見ると、デンマークが栄えある第1位、そしてノルウェー4位、フィンランド5位、スウェーデン10位と、北欧の国は皆トップテンに入っている。悲しい哉、日本は53位、おまけに年々順位が低下している。
なぜ北欧の人はそんなに幸せなんだろう。
わずか1週間の短い滞在であったが、僕が思うに、北欧の人達は“あるがままを受け入れている”から幸せなのではないだろうか。無い物ねだりというか、そこに無い選択肢は考えないのである。
例えば、日光浴。北欧では多くの人が日光浴しているのをよく見た。特に何かするわけでもなく、ただ座って日を浴びているだけ。それ自体が目的なのである。安上がりで良いが、他にやることがないのかと要らぬ心配をしてしまう。
食事にしてもそう。寒さの厳しい地方ゆえ穫れる農作物は限られている。その種類は温暖な日本の比ではない。市場やスーパーを随分見たが、珍しいものはほとんどなかった。
絶対的な自然の力を前に、冬が長く日照時間が短い、寒さゆえ食材の種類が乏しい等の現実を所与のものと受け入れ、その中での生活に喜びを見出し、満足してきた北欧の人たち。我々日本人から見ると選択肢の限られたシンプルな生活、刺激の乏しい生活かもしれないが、可能な選択肢の枠内では自由なのである。また、所得格差が小さく皆同じような生活水準であるため、他人と比べたり、羨んだりする必要もないのであろう。
最後に少し飛躍した考えだが、こうした国民性ゆえ北欧では高福祉高負担が成立し得たのではないだろうか。厳しい自然を受け入れ共存して来た人たちだからこそ、社会民主主義が根付いた、高負担を受け入れる土壌があった気がしてならない。個人主義の強い中国が共産主義の理念と程遠いのも仕方がないと思う。
と言いつつ、政治がだらしなく、国民の権利意識が強い日本は、果たして将来高負担を受け入れることが出来るのだろうか。