25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

仕事

2019年10月20日 | 文学 思想
 人口減少進行中の日本。経済成長至上でいくか、経済をある程度縮小させながら、生きる価値観の方を変えていくか。いずれいやおうなく政治的なテーマになると思う。働きすぎの日本列島人。一億総活躍社会という標語ではどうにもならない。
 働くことは善いことだ。女性も働いて輝く。老人になっても働く。日本列島人にはそんな風にきつく思うところがある。イギリス、ベルギー、アメリカの調査で自分の仕事に意味を見いだせない人が平均30%ほどいる。ぼくはこの数字には納得する。ぼくはもっと多いと思ったのではあるが。

 だいたい自分にとってやり甲斐があるとか、楽しいとか、社会に貢献しているとかと意識できている人は少ないと思う。しかたなく働いている。現在の生活を維持したいためにしかたなく働く女性も多いことだろう。男性はよりきつい。男は働かなければならないと思いきっている。

 自分に相性が合う仕事があるのに、実はそれに気がつかず、自分の夢の範疇にある仕事について挫折することもある。自分は一体何をしたいんだろうと人生の大半考える人がいる。こんな仕事やってられるか、と仕事を転々とする人がいる。寂しいから仕事をする人もいる。

 いろいろな人がいるだろうが、大半はなんとなく仕事をしているように思う。人は学校を卒業すると、ストンとどこかの職場の椅子に座ることになる。落ちて座った椅子から自分の職場を眺める。仕事をしはじめたら、そこを掘っていけばよい。掘って、掘っていくと、小さな矛盾が見えてくる。その矛盾をよくよく見ていると、それは大きな矛盾だと認識するようになる。それを解決するのだ。すると仕事は充実したものになる。ぼくはいつもそうやってきた。それはもうぼくの思想である。他人に縛られるのは嫌なので、自分で仕事を作ることも、その思想上にある信条である。

 組織に属さないぼくは当然定年退職などはない。死ぬまで自由に働くつもりでいる。

 ほぼ資本主義社会の金融や株式とは別のところで生きている。よくここまで生きてこれたと思う。くるしいこともあったがめったに経験できないことも経験した。絶景の風景も、不思議に美しい紫色の夕闇を見たこともある。
 そんなに贅沢をしたいとは思わない。本を読むことは楽しい。感動する映画を探すのたのしい。そう言えば感動する音楽アルバムを探すことを久しくしていない。