魚のアトリエ”うおとりえ”

新鮮な魚を美味しく食べたい!!
 「魚っ食いの365日

冬の市場は美味い魚がいっぱい――2月の魚市場から<前編>

2011年03月05日 | 浜どんどの市場日記


 2月4日(金)小型の本マス 1.6kg  青森県大間産/定置網
 大間といえばマグロ。超特級のブランドマグロとして名を馳せている。
だから他の魚も美味いに違いないと連想する。津軽半島の突端、津軽の海は
寒風吹き荒む景色をイメージさせる。冬、いちど行ってみたいところだ。

 その思いに違わずいい魚だった。照焼き、塩焼き良し、粕漬けにする間も
なく終わってしまった。 市場では本マスとして流通しているが、「サクラ
マス」が標準名。マスというと、一般に川、湖の魚のイメージが強く、他人
には、これは「海の産」ですと断りを入れなければならない。これからは本
マスのシーズン。しばらく美味にあづかれる。



 2月5日(土) 小ヤリイカ  *産地を確認しそこなう。
大ヤリは高いが小ヤリは安い。安いけれど軟らかくて美味い。美味いけれど
小さいから手がかかる。手がかかる分、味で報いてくれるから嬉しい。
刺身はもちろん、塩焼き、煮付け、いかめし、イカは万能選手。


 2月12日(土) ニシン
 独特の香気、やわらかな小骨の腹に数の子をイメージして塩焼きする。
残念!白子だった。美味さが半減する思いを味わう。この頃、シケが続いて
入荷が少なく、魚を十分吟味しなかったのが敗因。まだ挽回の余地あり。


 同日、先週に続いて小ヤリ。美味かったけれど感動は半減。

    

  

 2月14日(月) サワラ 2.8kg  神奈川県三浦・松輪産/釣り
超鮮度級の逸品。姿形はもちろん、包丁を包み込んで、包丁さばきをとどま
らせるような感触で、魚の「上等}を確信する。透き通るまん丸な目玉(め
んたま)、銀緑紅に輝く魚体は美しいを通り越して妖しい。透明感のある薄
紅色の身質ば弾力をともなって、もっちりと盛り上がる。しつこさを感じさ
せない脂肪分はうっすらと包丁に移る。このような魚にめぐり会えることは
一年を通じても数少ない。
 食味はもちろん非の打ちどころない。刺身、塩焼き、照焼き良し、特に粕
漬けは逸品。3週間近く過ぎた今でもますます香味を増して旨くなってきて
いる。いま残っている3枚をいつ食べようかと、惜しい気がする。
 鮮度がよいので解体・腑分けする。ふっくらと紅白色の肝臓、やっと育ち
始めた卵巣、そして胃袋が空っぽなのが嬉しい。内臓は煮付け、中落ちは大
根と煮付けた、ブリ大根ならぬサワラ大根。サワラは特に皮が美味い。
 こうして、頭の先から尻尾に至るまで、身から皮から骨まで食べつくせば
魚も瞑してくれるだろう。・・・と思っている。


 2月14日(月) 芝エビ  2kg  佐賀県産
 あったら欲しいと思っていたので、欲しい気持ちが先立って品質をよく吟味
せずに買ってしまう。自分の目指すグレードでなかったのが残念。
店との信頼関係の無さと、こちらが求めているものがまだ伝わっていないコ
ミュニケーション不足もある。
  

コメント
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