この2~3ヶ月くらいで、また小説読み始めるようになった。
まともに読み進めるようになったと言った方が正確かな。その前までが、全然読もうという意欲が湧かなかった。
主に読むのってSFものなんだが、7~800ページに及ぶ長編小説ものは、政治的策略に於ける少人数の対話が延々と続く事が多かったりするので、読んでてきつくなってくる。
今の今まで読んでいたものがその類になってしまったんで、日課的に読むという気力を失ってしまっていた。
オレにとっては、対話のキャッチボールばかりよりも、ある程度場面展開が大きく見える様なものの方が読んでいて集中できる。
「異星の客」はその意味で、半分以上は虚無状態で読んでいた(苦笑)。「月は無慈悲な夜の女王」も危うくそうなりかけたの思い出す。
規模としては大きいものの、展開される場面の大多数が小ぢんまりした箇所での対話ばかりとなっているのは、中々進展していない感じがしてしまうんだよね。
そーいった意味では、上中下など、敢えて分けて集中力が続く形ととってくれた方が、個人的に読み手として有難かったりする。
そんな長編小説を何冊も買いだめしてるのもどうかとは思っているが(笑)。
で、
その苦痛から漸く脱出していま読んでるのが「マルドゥック・アノニマス」。
現在このタイトルは9巻まで出ているが、件の状況により、8巻は既に買っていたものの読むまでに至らなかったんで、9巻が出た時は正直焦った。
どれだけ読んでない期間が空いていたんだ、と。
このシリーズは「マルドゥック・スクランブル」からずっと読んできているが、まァ息の長いタイトルになったモンだなと思う。
多分、この「アノニマス」でシリーズを完結させるつもりなのだろうとは思うが、ここまで続くとちゃんと終わってくれるだろうかと心配にもなる。
言ってもこのシリーズも、あともうちょっとしたら20年近く続いてきている長編小説となる。
作者である冲方 丁の、間違いなく代表作となっているのだが、彼もこのマルドゥックシリーズの合間で様々な小説を書いており、単純にマルドゥックシリーズだけに取り掛かっているワケでもない。
作者急逝により打ち切り、なんて憂き目を見る可能性が高いのも、こーいう長編シリーズであったりする。
原作者の意思を継いで続投している稀な例もあったりするが、なんとも複雑な思いはする。
正直、アノニマスが最終どうまとまるのかというのも見えづらくなっているが、作者によるきれいな終え方に向かってほしいと願うね。