エロイ・カサグランデがまさか2月でSEPULTURAを脱退してたとは思わなかったよ。
コレに関しちゃがっかりだね。他にも色々と活動をしていたのは知っているが、せめてバンドの最後まで完遂してくれたらと思ったよ。
その情報があまりに残念だったから先に書き込んだが、本題はこっち。
STRIKERの『ULTRA POWER』。前作から約6年振りの7th。
何気に、今年入ってからの新譜で初なんだよね、手に入れたのは。
全然食指を動かしてくれそうなのが無かったんだよなこれまで。悲しい事に(苦笑)。
バンド自体は5th『STRIKER』で名前は知っていたがスルー。
前作6th『PLAY TO WIN』で入手して耳にするようになったんだが、正直なところ、思っていた様なバンドとは違っていたなというのがあった。
根幹はHR/HMで、どっちかと言えば1980年代に出てきたLAメタル系列に通じるポップ感覚を持った音楽で、そこに現代までに至るメタルで培われた要素を取り入れた演奏流儀などがまぶし込まれている。
簡単に言えば、このバンドはそんな音楽形態といったところで、悪くはないがアルバムを聴き込もうと思うほどの訴求力はオレの中では感じなかった。
そしたら、今年になってから新しいアルバムがリリース。
前作から約6年も経っていたとは。
リリース自体は、やはりウンコロが最大の原因でもあったようだね。とは言え、『PLAY TO WIN』からそこまでの期間が空いていたとは思ってなかったんで、まァどんだけバンドに関心が無かったんだよ、という話にもなってしまう。
で、
今回のアルバムの内容に関しては、かなり好感触。
アルバム本編収録の楽曲は、色々な装飾音を交えながらも同じ様な曲調に聴こえない様に練られ、曲単体での主張どころが判りやすく表出している。
アルバム全体で一貫しているのは、そのテンションの高さだろう。
楽曲は細部を取り上げれば、散漫な内容のアルバムにも捉えられるが、ソレを一つにまとめあげているのが、全楽曲から放たれているテンションで、そこが今回は良い方向に作用している。
前作を聴いていても、別に音楽自体のテンションが低いワケではなかったが、特に突き抜けているものも感じなかったのは事実。
今回はある意味、ここまでバラけた曲が居並ぶ事で、逆にバンドとしての音楽的統一感が露わになったのではないかと感じる。
ボーナストラック3曲は、アルバム本編前に作られて発表されたものであり、聴いていると本編から外されている理由は、やはりテンションの違いなのだろうと伺える。
今回は個人的に良いアルバムだと思う。
このテンションだからバラエティに富んだ曲を聴いて通せるってのもあるし、このバンドが一番の武器としているであろうポップセンスが際立っていると感じられる。
やはりバランスは大事。
狙っていってやれるものではない(それが音楽の良いところでもある)が、一見極端であっても、そう感じさせるところのバランス感覚で結局成り立っているんだよね。
でも平坦に見える様なバランスは、オレとしちゃこと音楽に求めていない。
今回のSTRIKERは、妙なはっちゃけ感が覆う楽曲の凸凹感が耳を引いた。
今回のアルバムを通したライヴがあっても良いと思う。
バンドの拠点国であるカナダではそれなりに大きな存在になっているようだが、『ULTRA POWER』を期に、世界的になにか動きが変わってくる可能性はありそうかもね。