還元焼成では、酔っ払いが出現します。
窯の中に、酸素のゆきわたった酸化雰囲気の場所と、酸欠状態の還元雰囲気の場所があるのです。
その結界に位置する酔っ払い雰囲気の場所では、ごらんのように辰砂の緑と赤が混在する器ができたりします。
その境目にわざと置くと、「片身変わり」という珍しい焼き上がりになります。
石本翁の唐津小皿。
一枚の皿の中で、ブルーがかった側が還元雰囲気、赤みがかった側が酸化雰囲気で焼けてます。
裏側が顕著。
左サイドで、酸素を吸われて鉄分のサビが抜け、青くなってます。
この部分を炎が走ってたのですね。
最後に、石本翁の志野作品を。
志野(長石釉作品)、赤志野も、還元焼成で焼き上げます。
立派な水指ができました。
赤志野茶碗。
流れ跡が全部残って、面白い焼き上がりになります。
志野茶碗。
窯から出たてのものはまっちろですが、お茶席で使い込むほどに風格を身につけていきますよ。
鼠志野。
こちらもお酒の席で育ててください。
これで還元の解説編はおしまいとさせていただきます。
次回の還元焼成は、年またぎの1月となる予定です。
還元の理屈を復習して、みなさん、傑作をものにしてくださいな。
小林(メ)さんのトリケラトプスの焼き締めで、シメ。
東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
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