HAVE A NICE DAY!

徒然なるままに特に音楽の話を中心にあーだこーだと書き連ねます。

ある吟遊詩人の場合・続

2005年10月28日 | インディーズ
中世の吟遊詩人はメロディよりも詩を伝えることに重きをおいていたのではと思うのですが、私の聞かせてもらったVOXHALLの吟遊詩人さんの場合も詩にすごく思いが込められているのが聴いていて強く感じられました。そして、彼の場合、誰もが使うような言葉でありながら、彼しか書けないフレーズを綴ります。彼自身が意識しているかどうかはわかりませんが、1つ1つの言葉がちゃんと手を繋いでいるというかんじで仲間はずれになる言葉がないのです。どれもが関わりあっているというのか、ちゃんと同じ思いの川を流れているんです。だから、納得させられるんです。そして胸にこだまするのです。

案外、詩を書いている人でその詩の中の言葉が皆手をとりあっているかなんて考えたことないのではないですか?

詩を書く人の中には自分の中の世界に酔ってしまう人もありますし、私も書くとしたらその部類かもしれません。ゆえに、たまにひとりよがりになって、人には伝えたいことが伝わりにくいことがあります。何度か聴くうちに「あ~そういうことか」とわかって、おもしろいと思う詩もあります。でも、やはり多くの人に伝わる歌の詩はすっと意味が入ってくる詩のような気がします。でも、簡単な言葉だからこそ、それをどのように組み合わせて使うかがその人のセンスです。へたするとあまりにも無意味で平ベったい詩になる可能性もあるからです。

その吟遊詩人さんの詩はそんな言葉を自分色に染めあげて、人には書けない歌にしてしまいます。そこがすごいところです。ただ、まだやはりプロではありませんから、どうしても言いたい事が溢れ過ぎていて、そこから削るという作業に躊躇してしまうこともあるようです。ゆえに曲が長くなるようです。もちろん、それでも十分に聞きごたえがあって、無駄な言葉はぜんぜんありません。だからこそ、多少長くても、もちろん私自身も彼のファンの方たちも十分それらの曲が大好きなのですが、さらに言葉を厳選して、俳句の原理というのでしょうか、1つの言葉で3つぐらいを表現できるぐらいの感じで詩を書けば、それこそ4分以内の曲もたくさんできるのではないでしょうか?長い曲だから悪いとかはないのです。むしろ、長い曲の方がいい場合もたくさんあります。でも、4分以内に終わる曲だと「もう終わったの?いい曲だったな~。もう一回聴きたいな~」と人は案外思うわけです。それで何度もヘビーローテーションしてしまうのです。ちょっとした心理作戦ですね(笑)ビートルズがそのいいお手本です。

一つの曲の中でも、コントラストや光と影が存在するものは人の心をとらえると私は思います。それが曲に奥行きを与えるからです。絵を描くのと同じですよね。

そんな歌をこれからもたくさんその吟遊詩人さんに歌ってもらいたいと願うわけです。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ある吟遊詩人の場合

2005年10月28日 | インディーズ
吟遊詩人とは中世ヨーロッパで各地を回って、そこで詩を朗吟(ろうぎん)してた人のことをいいます。朗吟というのは詩にメロディをつけて歌うこと・・・そうストリートライブをしていたわけです。言い換えると吟遊詩人はストリートミュージシャンであったわけです。

それでもって、斉藤和義なんかをよく人は吟遊詩人なんて呼びますよね。彼の歌も結構好きなのがあって、いつもではないけどたまに聴くんです。そうそう、まさやんこと山崎まさよしなんかもそういう感じですよね。

さて、この間、とある吟遊詩人(とあえていわせてもらいますね)の歌を京都VOXHALLで聴くチャンスがありました。彼は以前はバンドをやっていた人なんですが、解散後、今の時点ではソロで活動されています。いずれどのような展開を見せるのかはまだ未知であり、楽しみでもあるのですが、バンドの時も素敵でしたが、ソロで歌う彼はまさに吟遊詩人でありました。

かなりのメロディメーカーであって、曲の運び方や展開の仕方なんかがうまくて、これはやっぱり天性のものなのでしょう。

ちょっと脱線しますが、音楽の師匠がある時、200人くらいの10代の学生を対象に作曲教室をしたことがありました。もちろん、それほど長い曲ではありませんが、主旋律だけの簡単なものを作らせたわけです。その中で、光っているものをいくつか選んで、師匠がそれをより引き立てるために伴奏をつけて、皆の前で披露したわけです。自分の曲が皆の前で披露された人はすごく喜んでいたみたいです。その時に師匠が私に言ったのは、やはり天性の才能のある子は2、3人はいる(いいかえれば、2、3人しかいないということになりますが)それは案外、まったく音楽なんてというようなスポーツ少年だったりする。反対に小さい頃からクラシックとかのピアノのレッスンをしていた子は型にはまりすぎて、面白みのないふつうの曲になってしまっている。そういう教育も受けてない子の方が自由な発想で曲を作り出して、そこに天性のセンスが加われば、すごくいい曲を生み出す。と・・・もちろん、教育受けている人の中にもすごいセンスがある人もいるので、誤解しないでくださいね。

また話を戻しますが、その吟遊詩人さんが昔から音楽教育を受けてきたかどうかは知らないのですが、サッカーが好きだったということだけは知っています(笑)。最初は曲なんて作ることも考えていなかったようです。ところが、ある時から曲を作りはじめられました。それから、今に至るまでにもう何十曲もあるいはそれ以上、外に出たもの、まだ温めているものも含めて、たくさんの曲を作っているのです。

才能はある日突然に目覚めるのですね。

・・・・・つづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする