友人の一人に鉄道マニアのような人がいた。何しろ
鉄道のことなら地下鉄私鉄を含めていろんなことをよ
く知っていた。乗り継ぎや沿線の名所や駅弁のことま
でよく知っていた。
あるとき、私が初めて北海道へ学会を兼ねて3日間ほ
ど観光する機会ができた。そのことを彼に話すと、早速
コースや見どころさらに食べ物のことまで紙に書いてき
てくれた。私はそのまま旅をするつもりはなかったが、
参考にさせてもらった。特に役に立ったのが駅弁のこと
だった。青函連絡船で函館に着き列車に乗って最初に着
く駅長万部駅の駅弁は「カニ飯」だった。これは時期に
よっては売られていないという。この弁当はご飯の上一
面にカニが乗っていてとても美味しかった。そして洞爺
湖を過ぎて苫小牧へ着くと「シシャモチップスシ」とい
う駅弁がありましたね。シシャモもチップの私は知らな
かったので何のことだと聞いても現物を見て覚えてくる
といいと言って教えてくれませんでした。シシャモは、
支笏湖から海へ注がれる錦多峰川で獲れる10~15cm程
の魚です。今ではロシア産や北ヨーロッパ産のものが売
られていますね。日本産のものは姿を消してしまいまし
た。チップというのは錦多峰川で獲れる鱒(と思います)
の小片をご飯に乗せた鮨駅弁でした。これも美味しかっ
たですね。