少し前に共同研修をしていた方が亡くなりました。
その方は病気のために骨粗鬆症になり、校庭を散歩
中に小さな石につまずいて転んで足の骨を折ってし
まいました。その方はまだ50歳くらいだったと思い
ますが、それほど骨がもろくなっていたのですね。
そんなある日、ある国立病院の方と骨粗鬆症の研究
を一緒にやる機会ができました。骨粗鬆症と診断さ
れた方の骨を少し採集していただいて化学成分率を
調べていて大変なことを発見してしまいました。そ
の話は別の機会に書きますが、骨粗鬆症の原因とし
てストレスが関係ないかを調べてみることになりま
した。ラットを使った実験では毎日定時刻に長時間
水中に泳がせていたラットと対照群のラットとの骨
を調べてみますと明らかに泳がせたラットの骨に異
常が見られることがわかりました。
そんなとき宇宙飛行士の向井さん話をする機会が
ありましたので、実際に宇宙へ行った宇宙飛行士の
方々のストレスに尋ねました。当時そのことはNASA
でも話題になり研究する準備をしているということ
でした。
さてここで映画の話になります。「2001年宇宙の
旅」という映画は皆様もご存知と思いますが、その後
の「2010年宇宙の旅」という映画の一場面で面白い
画面に気が付きました。というのは宇宙船から宇宙船
乗り移るときに、ある研究技術者は宇宙服の中を酸素
で満たし酸欠状態にならないようにしたにも拘らず移
乗の途中で身動きできなくなり呼吸困難状態になって
しまいました。仲間によって救助されて事なきを得ま
したが、恐怖というストレスで生命の危険な状態が出
来したのですね。この場面を私は忘れることができな
くなってしまいました。もともとこの映画は、月で発
見された”モノリス”という謎の碑のようなものの正体
を明らかにするという設定だったと思いますが、製作
者はこんな細かいところまで調べていたのですね。私
にとっては思い出に残る映画となりました。
蛇足ですが、最近の宇宙飛行士はどうかわかりませ
んが、宇宙遊泳をするときに宇宙服を着て酸欠になら
ないように酸素シャワーを1時間以上続けるというこ
とを聞いたことがあります。地に足がつかないという
のは人間にとって最大のストレスになるのでしょうか
ね。
宇宙の旅シリーズは小説でも都合4本存在します。
最終的には進化の過程で逃走的な部分が強調されてし
まった地球人類を抹殺して、木星を太陽にして衛星の
エウロパに発生していた生物の進化を待つという設定
になっていました。広い意味では人類の現状に警鐘を
鳴らしたということでしょうか。