現代SF小説の生みの親ともいわれるH.G.ウェルズ
が1895年に発表したた小説「タイムマシン」を原作
として作られたこの映画名は、2002年にリメイクさ
れています。私は初作の方が好きですね。初作では
ユートピアの情景が美しく描かれるとともに、他人
のことにはまったく無関心な人々が描かれています。
不思議なのはどことも知れない場所に着いた時間旅
行者と現地人の女性(エロイのヴィーナ)がいとも
簡単に意思疎通ができることです。しかしこれは置
いときましょう。どんな映画でも全く異なる文化を
持つ世界へやってきてもすぐに話が通じないと筋道
が進みませんからね。
エロイを食肉とするモーロックは昼間は地下で生
活し夜になると地上へ現れてエロイをあさる獰猛な
種族である程度の知識を持っているようです。
旅行者は川に落ちたヴィーナをだれも助けないの
で自分が助け、それからヴィーナと旅行者との間に
恋が芽生える。ヴィーナがモーロックにつかまると
それを助けに地下世界へ行くが.....
最後の場面は荒涼とした地球の最後の様子が映し
出される。そこは太陽が終焉に近く赤色にとなり熱
も光もあまり地球には届かない世界になっていたの
です。
時間旅行(タイムマシン)の概念は、「時の探検
家たち」(未発表)の物語ですでに構想ができてい
たようです。ウェルズはそのほかに多くのカテゴリ
ーに分類されるSF小説を発表しています。それはお
そらく、ウェルズがこんなことができたらいいなと
かこんな世界へ行ってみたいとか考えたことを小説
という手段で表現したのでしょうね。いつか近いう
ちにSF小説についても書いてみたいと思っています。