寓居人の独言

身の回りのことや日々の出来事の感想そして楽しかった思い出話

記憶に残っている映画(24)「姿三四郎」

2016年03月30日 10時00分32秒 | 寓居人の思い出話

「姿三四郎」という映画は太平洋戦争中の1943年に

黒澤明が監督になって初めて企画し、脚本執筆も黒澤

明が行って撮影された作品です。

 私がこの映画を見たのは高校生のころですから、敗

戦で委縮している国民を鼓舞するために作られたと思

っていましたが間違っていました。実際は1943年に封

切され大ヒットしたということでした。

 この映画の続編は1945年5月に封切になったというこ

とです。1945年5月といえばアメリカ軍による空襲が

激しくなった最中のことですからよく撮影できたと思い

ました。

 この映画に登場する場面で一番印象に残っているのは、

修道館柔道の矢野昭五郎館長が、恋と柔道に煩悶する姿

三四郎を薄暗くなった道場に連れていき酒徳利を片手に

柔道のいろいろな技を見せる場面です。

 純真無垢といってもよい三四郎の心に柔道の道を徳利

を使って説く矢野昭五郎の声は天の声ように聞こえたの

かもしれませんねえ。そしてその姿は神の成り代わりと

映ったかもしれません。

 片田舎から出てきた青年が柔道に目覚めていく姿を感動

的に描いたこの作品は、富田常雄の同名小説をもとにして

います。

 私としたことが、まだこの小説を読んでいませんでした。

探して手に入れたいと思います。