寓居人の独言

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記憶に残っている映画(23)「かくて神風は吹く」

2016年03月28日 21時52分37秒 | 寓居人の思い出話

 昭和19年11月、ぶわが国は太平洋戦争が最後の決戦

に備えて、壱億玉砕を叫ぶ陸軍をはじめとする軍部の後

援を得て戦争鼓舞を目的にした映画が多数作られた中で

「かくて神風は吹く」という映画が製作されました。

 当時、日本はアメリカ軍の本土空襲が激しくなってきま

した。国民は食糧難はじめ物資の不足で不安と恐れの中

で国のために全力で働いていました。いざ本土決戦とな

れば必ず天の神が嵐を吹かせて救ってくださると信じて

いましたね。私の両親や兄姉なども懸命に働いていました。

 そんな国民をさらに戦争に駆り立てるようにこの映画が

撮影されたのは言うまでもありませんね。

 映画の内容は、もうほとんど忘れていましたが、この文

章を書き始めますといろいろ思い出しました。あらすじは

九州のある村に外国(元寇)の船がやってきて住民を苦し

めだしました。このことは直ちに都に報告され対策がとら

れた。繰り返しやってきては日本を襲撃するようになり侵

略の意図が見えてきたとき、あらしが吹いて敵(元寇)の

船団に大打撃を与えた。都の政治を司っていたものたちは、

天の神が敵に天罰を与えてくれたと宣伝した。元寇側はこ

の時の嵐でほとんどの船を失い再び日本へ来ることはなく

なりました。

 この映画は大ヒットしたといわれていますが、それほど

当時の国民は天の援けを願っていたのですね。

 この元寇との戦闘で日本は小型の船の舳先にたき火を焚

いて元寇の船に突っ込むという戦法をとった。この戦法は

義経が考え出したものという方もいるようですが、どうで

しょうかね。

 「かくて神風は吹く」は大映の有名俳優総出演といった

映画でした。阪妻こと坂東妻三郎が主演、片山明彦、月形

龍之介、羅門光三郎、嵐寛寿郎、片岡千恵蔵、原健策、薄

田研二、市川歌右衛門など私が若いころ両親と見に行った

時代劇映画の主役になった俳優がたくさん出ていました。