Kちゃん。
昼は役者、夜はホテルマン。
かなりハードなスケジュールをこなしていました。
夜のホテルの仕事が終わるのも、深夜12時が回ってから…。
ある日の事…。
Kちゃんのホテルでの仕事も終わり、時計を見ると深夜12時をまわっている。
そろそろ帰ろうかな…と、
スタッフルームへ向かっていた。
すると、、、
ひとりの男性がホテルの廊下を歩いている。
都心のホテルなので、地方出張の人などが、遅くまで仕事をこなし、疲れはててホテルに帰ってくる…なんてことはよくある光景だ。
…こんな時間までお疲れ様。
…ん?
ふと見るとそのお客、荷物を持ってない。
とりあえず、チェックインを済ませ、一度部屋には入ってるのか…。
だけど、どうしたんだろう…。
すごく疲れている様子だし…、
迷ってるのかな?
…それとも、
何か仕事で失敗でもしたんだろうか?
「…あの…」
心配になって思わず声を掛けた。
「どうかしましたか?」
背後から声を掛けたが、男性は振り返りもせずに、少し早足になった。
…そうか、声を掛けられたくないのか…。
余計なことをしてしまった💦
男性は、振り返りもせずにそのまま去って行った。
Kちゃんは、その事を気にする事もなく、過ごしていたのですが、
数日後、また、その元気の無い男性の姿を見掛けた。
あの人、今日も泊まったんだ…。
その日も男性は、背中を丸めて、トボトボと歩く…。
あの歩き方って、あの人の癖なのかな…?
そう思って、その日は軽く会釈をして追い越した。