Kちゃん。2

2020-09-22 08:43:20 | 日記
Kちゃん。

昼は役者、夜はホテルマン。

かなりハードなスケジュールをこなしていました。

夜のホテルの仕事が終わるのも、深夜12時が回ってから…。



ある日の事…。

Kちゃんのホテルでの仕事も終わり、時計を見ると深夜12時をまわっている。

そろそろ帰ろうかな…と、

スタッフルームへ向かっていた。


すると、、、

ひとりの男性がホテルの廊下を歩いている。


都心のホテルなので、地方出張の人などが、遅くまで仕事をこなし、疲れはててホテルに帰ってくる…なんてことはよくある光景だ。

…こんな時間までお疲れ様。

…ん?

ふと見るとそのお客、荷物を持ってない。

とりあえず、チェックインを済ませ、一度部屋には入ってるのか…。

だけど、どうしたんだろう…。

すごく疲れている様子だし…、

迷ってるのかな?

…それとも、

何か仕事で失敗でもしたんだろうか?



「…あの…」

心配になって思わず声を掛けた。

「どうかしましたか?」


背後から声を掛けたが、男性は振り返りもせずに、少し早足になった。

…そうか、声を掛けられたくないのか…。

余計なことをしてしまった💦

男性は、振り返りもせずにそのまま去って行った。




Kちゃんは、その事を気にする事もなく、過ごしていたのですが、
数日後、また、その元気の無い男性の姿を見掛けた。

あの人、今日も泊まったんだ…。

その日も男性は、背中を丸めて、トボトボと歩く…。

あの歩き方って、あの人の癖なのかな…?


そう思って、その日は軽く会釈をして追い越した。