前の日の夜の出来事は、彼にも話せなかった。
こんな話しをしたら、信じてもらえないだろうし、おかしい女だと思われる…。
彼女は、彼の家族に優しく見送られ、無事に帰宅。
自宅にたどり着いたら、どっと疲れがでた。
まだ、日が沈む前から寝込んでしまった。
「ギシ…ギシ…」
え?!
まさか!例の音!
…気のせい?
それから、その音が聞こえることはなかった。
あれは、何だったんだろう…。
『この人は、子孫を孕んでいる』…という事は、あの晩布団の回りをまわったのは、先祖だったんだろう…。
「この人は、子孫を孕んでいる」と言う言葉通り、
数日後に、美枝さんは、妊娠に気付いた。
その後、美枝さんは、敬さんと結婚をして、無事に元気な男の子を産みました。
そして、美枝さんは、初孫を抱いて、彼の実家を訪れた。
『あれは、なんだったのか…?』
確認のためにも、同じ和室に寝たかったが、今度は、赤ちゃんも敬さんも一緒に、さらに広い部屋に休むことになった。
ベビーベッドも用意され、縁側から見える外の景色には、なんと祠が見える。
「あの、祠は…?」
「うん、我が家の守り神」
「それじゃ、後でお参りしなくちゃね」
彼の家族は、相変わらず美枝さんを大歓迎してくれたが、今度は嫁として振る舞わなければならない。
まずは、祠への挨拶をしないと。。。