候補者19

2020-09-15 07:18:54 | 日記
前の日の夜の出来事は、彼にも話せなかった。

こんな話しをしたら、信じてもらえないだろうし、おかしい女だと思われる…。


彼女は、彼の家族に優しく見送られ、無事に帰宅。

自宅にたどり着いたら、どっと疲れがでた。
まだ、日が沈む前から寝込んでしまった。

「ギシ…ギシ…」

え?!

まさか!例の音!

…気のせい?

それから、その音が聞こえることはなかった。

あれは、何だったんだろう…。

『この人は、子孫を孕んでいる』…という事は、あの晩布団の回りをまわったのは、先祖だったんだろう…。



「この人は、子孫を孕んでいる」と言う言葉通り、

数日後に、美枝さんは、妊娠に気付いた。


その後、美枝さんは、敬さんと結婚をして、無事に元気な男の子を産みました。

そして、美枝さんは、初孫を抱いて、彼の実家を訪れた。

『あれは、なんだったのか…?』

確認のためにも、同じ和室に寝たかったが、今度は、赤ちゃんも敬さんも一緒に、さらに広い部屋に休むことになった。

ベビーベッドも用意され、縁側から見える外の景色には、なんと祠が見える。

「あの、祠は…?」

「うん、我が家の守り神」

「それじゃ、後でお参りしなくちゃね」

彼の家族は、相変わらず美枝さんを大歓迎してくれたが、今度は嫁として振る舞わなければならない。

まずは、祠への挨拶をしないと。。。