少し前にも見掛けた男性。
前の時と同じように、元気なく肩を落としてトボトボと歩く…。
前回は、迷ってるのかと思って、思わず声を掛けてしまったが、どうやら、この歩き方は、この人の癖らしい…。
そして、3度目にその人を見掛けた時…、
おかしい…と思った。
その日は、そのお客様が向かう先には、泊まり客はいないはず…。
自分が知らなかっただけかも知れないし…、確認のために、仲間に聞いてみた。
「803号室より先に泊まり客はいたっけ?」
「いや、今日はいないよ」
「え?…あのさ…」
言い掛けてやめた。
迷っててうろうろしているお客様かも知れない…。
ただ、
そのお客様を見掛ける場所はいつも同じだ。
Kちゃんは、気になって、
もう一度、その人を見掛けた場所へ引き返してみた。
“どうか、いません様に…”と祈りながら…。