Kちゃんは、気になって、
もう一度、その人を見掛けた場所へ引き返してみた。
“どうか、いません様に…”と祈りながら…。
…いない…。
…まさかね…💦
廊下の一番端は、窓があり、夜景が見える。
都会の夜は星は見えないが、街の光がキラキラと輝いている。
Kちゃんは、この景色が好きだ。
一息つけて、Kちゃんは、引き返えすことに…。
夜間のホテルの廊下は、誰一人歩いていない。
絨毯の上を歩く音がサッサッと聞こえる。
温かい珈琲でも飲んで、早く帰ろう❗
カチャ…カチャ…。
…ん?何の音?
カチャ…カチャ…。
少し離れた場所で扉を開け様とノブを回す様な音…。
廊下を見渡す限り、ドアノブに手を掛けてカチャカチャしている人などいない。
…部屋の中から?
なにか、トラブルだろうか…💦
音のする方に行ってみた。
あ、そうか、非常階段に出る扉だ。
…何だよ、こんな時間に💦
男が非常口の扉を開けようとしてる。
「そこ、今は開きませんよ」
あ、例の男だ💦💦
男性は、振り返りゆっくりと頭を下げる。
「ちょっと事情があって封鎖中なんです。外へ出たいなら…」
男性は、話しも途中で立ち去った。
「え💦💦今の人って💦💦」
Kちゃんは、息をのんだ。
至って冷静を装って、スタッフルームへ駆け込むと、
今あった出来事の一部始終を仲間に話した。
そこに居た仲間達も、ソレを聞いて、ショックで、言葉も出なかったそうです。
それから、仲間たちも何人か"その人"を目撃してしまい、
夜間のシフトを外して貰ったり、辞めた仲間もいたそうです。
怖がりのKちゃんも、勿論、夜間のシフトを外して貰ったそうです。
Kちゃんが見た男性は数年前に、そのホテルで飛び降りてしまったある有名人だそうです。