候補者7

2020-09-02 08:32:24 | 日記
深夜、突然、聞こえてきた赤ちゃんの泣き声。

気になって仕方がない。

眠れない…。


よし、確認しよう!

体を起こした。

そして、声のする方へ…。

やっぱり、外だ。

玄関を開けた。

幻聴なら、ここでピタッと止んだりするかも知れないが、

泣き声は続いている。

深夜の夜泣きで困ったママさんが、赤ちゃんを寝かしつけに外に出てきたのなら、ママさんのあやす声も聞こえるはずだ…。

それも聞こえない…。

いよいよ、本当にどこかに赤ちゃんが捨てられているのかも知れない。

アパートの階段の下の方から聞こえてくる気がする。

間違いない!

え?

階段の下を見るといつもの景色が、まるで森のように木々が生い茂っている。

…どうなってんの?


ーーーと、思った瞬間、目が覚めた。


夢か…。

よかった…。


出発当日の明け方にこんな夢を見るなんて、

吉夢なのか悪夢なのか…。

たとえ悪夢でも、負けない!

やっと巡り会えた敬さんと幸せな未来を築くためにも!

気を取り直して、彼の実家へ向かうべく、窓を開けて深呼吸をした。