Kちゃん。7

2020-09-27 07:28:29 | 日記
懐中電灯で顔を照らすと
「ぎゃ~‼」
と叫びながら後輩が走り去る。

…結構イケてるかも!メイクもばっちりだし!

後輩の驚き具合が楽しかったのか、怖さを忘れて、楽しみはじめた。

去年の仕返しです。

また、明かりを消して次の後輩を待つ…。

「ギャー‼️」

後輩がしりもちをつき、這うようにして逃げて行く。

結構楽しい!

こうして、何人かを脅かして、いよいよ最後の後輩を向かえる頃。。。

…違和感を感じる。

…近距離で、もう一人の吐息が聞こえる。

当然、ビビリのKちゃんは、吐息のする方向を確認する事なんて出来ない…。

ひたすら後輩が来る方向だけを向きながら、固まっていた。

あきらかに、吐息の主は、視界の右側に居るのが微かに見える。

吐息から判断すると、若者では無さそうだ…。

息を止めてみた。

「ふぅ………ふぅ………」

息をしている…。

あきらかに自分とは違う吐息だ…。


………え?!


その"存在"は、こちらを見てる…💦💦


逃げたい……💦💦

…のだが、体が動かない…💦

金縛りなのかも知れない…、身動きが取れない。

僅かに指は動きそうだ。

…あ、懐中電灯を点けよう。

なんとか指は動いた…。

そして、自分の顔に明かりをあてた…。


偶然、そのタイミングで、最後の後輩がやって来て、悲鳴をあげたので、Kちゃんも金縛りから解け、一緒に悲鳴をあげて、転がるように、その場所を逃げ去った。

後から聞いた話しだと、絶叫して腰を抜かし、這うようにして逃げ去った後輩たちの全員がKちゃんの横の"何者か"見て怯えていた。

その"何者か"は、白髪のおじいさん。

そのおじいさん、首から上しか無かったそうです。

Kちゃんは、その次の年に幽霊役をやるのが嫌で野球部を辞めたそうです。