懐中電灯で顔を照らすと
「ぎゃ~‼」
と叫びながら後輩が走り去る。
…結構イケてるかも!メイクもばっちりだし!
後輩の驚き具合が楽しかったのか、怖さを忘れて、楽しみはじめた。
去年の仕返しです。
また、明かりを消して次の後輩を待つ…。
「ギャー‼️」
後輩がしりもちをつき、這うようにして逃げて行く。
結構楽しい!
こうして、何人かを脅かして、いよいよ最後の後輩を向かえる頃。。。
…違和感を感じる。
…近距離で、もう一人の吐息が聞こえる。
当然、ビビリのKちゃんは、吐息のする方向を確認する事なんて出来ない…。
ひたすら後輩が来る方向だけを向きながら、固まっていた。
あきらかに、吐息の主は、視界の右側に居るのが微かに見える。
吐息から判断すると、若者では無さそうだ…。
息を止めてみた。
「ふぅ………ふぅ………」
息をしている…。
あきらかに自分とは違う吐息だ…。
………え?!
その"存在"は、こちらを見てる…💦💦
逃げたい……💦💦
…のだが、体が動かない…💦
金縛りなのかも知れない…、身動きが取れない。
僅かに指は動きそうだ。
…あ、懐中電灯を点けよう。
なんとか指は動いた…。
そして、自分の顔に明かりをあてた…。
偶然、そのタイミングで、最後の後輩がやって来て、悲鳴をあげたので、Kちゃんも金縛りから解け、一緒に悲鳴をあげて、転がるように、その場所を逃げ去った。
後から聞いた話しだと、絶叫して腰を抜かし、這うようにして逃げ去った後輩たちの全員がKちゃんの横の"何者か"見て怯えていた。
その"何者か"は、白髪のおじいさん。
そのおじいさん、首から上しか無かったそうです。
Kちゃんは、その次の年に幽霊役をやるのが嫌で野球部を辞めたそうです。