面白い本でした。時間つぶしにお勧めです。
戻る男 山本甲士・著(中公文庫)
”あなたの過去を変えてさしあげます”
お金を支払って、タイムスリップをするお話です。
タイムスリップを研究している組織から、タイムスリップの案内状が届きました。
お金を支払えば、過去にタイムスリップできるのです。
一発当てて大金を持っています。
興味本位で過去にタイムスリップをします。
まず、10万円を支払って、いじめにあっていた中学生のころに戻りました。
いじめのきっかけになった事件が起こった時間に戻ったのです。
そして、当時は無抵抗で、いじめられたのに、今度は相手をぶちのめしました。
その結果、中学時代はいじめを受けない楽しい時代になりました。
過去が変わったのです。
一度経験すると、また過去に戻りたくなりました。
そして、2回目は50万円を支払って、学生時代に戻りました。
そして、学生時代に振られた彼女を逆に袖にしました。
彼女から振られたにがい過去を変えられたのです。
そして、もう一回過去に戻りたいとタイムスリップ研究所にお願いします。
高校時代に、不良に脅され、友人を売った過去があるのです。
友人を売った過去を変えたいのです。
3回目の料金は500万円でした。
しかし、3回目は、研究所が指定する時代にしか戻ることができません。
高校時代には戻れませんが、タイムスリップ体験が優先します。
研究所が指定する時代にタイムスリップします。
研究所が指定する時代とは、思い出したくない時代でした。
本人も覚えていない、忘れてしまった出来事があった時代でした。
本人も覚えていない過去の出来事とは・・・・・・。
小学生のころ、ため池で溺れている女の子を助けることができず、
家に逃げ帰った思い出したくない出来事です。
なぜか、タイムスリップ研究所は本人が覚えていない過去の出来事も知っていたのです。
本人も覚えていないその時間に、タイムスリップして、
ため池で溺れて死んだはずの女の子を助けるのです。
この事は、新聞にも載り、警察から感謝状もいただきます。
思い出したくない過去が、感謝状をもらえる過去に変わったのです。
死んだはずの女の子が生きているのです。
ここまで読むと、最後が気になって、気になって、しかたありません。
最後を読みました。(笑い)
最後を読みましたが、また、読み返しました。
最後が気になるあなた、本を読みましょう~!(笑い)
途中から最後を読んでも、また最初から読みたくなります。
面白い本です。
この面白い本のポイントは・・・・・・・。本文から。
「いろいろと失敗したからこそ、今の自分がここにいるんですよ。
壁を乗り越えたっていうのは、人間の勲章みたいなもんじゃないかって
今では思っているのです。それに、苦しい時期があったからこそ、
家族や友人の支えが力になることに気づくこともできたわけですから。
むしろ、過去に戻って壁を取り除くとか、壁を回避するっていうのは、
人生の勲章をみすみす放棄することになるような気がするんです。
私は、仮にタイムスリップができるとしても、過去に戻ってもう一度やり直したいとは正直思いませんね」
私は過去に戻ってやり直したいです。(笑い)