37億円超が自民党本部から二階幹事長へ
使途は公表されず【政治資金の闇②】。
立岩陽一郎 InFact編集長 8/31 (火) 6:19。
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◆2019年に二階幹事長に支払われた回数は全部で30回。
金額は総額で10億3710万円にのぼる。
支出先が二階幹事長個人であることは、
その支出を受けた者の住所と総務省に提出された領収書からわかる。
総務省には二階幹事長本人が受け取ったことを示す
領収書のコピーが提出されている。
つまり、これは二階幹事長個人が受け取ったということだ。
これはどういう名目の支出なのか?
そこには、「政策活動費」と書かれている。
政策活動費とは何か?
総務省選挙部政治資金課は、「特段の規定は設けられていない。
政治団体として支出しているということであれば、
収支報告書で記載していただく収支ということで、
それをどのような分類するかは各団体の判断」と説明した。
つまり自民党本部が「政策活動費」としているものが
「政策活動費」という、なんとも意味不明な説明だ。
では、具体的に見よう。
二階幹事長に渡ったこの10億3000万円超はどのように使われているのか?
◆二階幹事長は自民党和歌山県第三選挙区支部の支部長を務めている。
また、「新政経研究会」などの政治団体を持っている。
しかし、支部の収支報告書にも、「新政治研究会」の収支報告書にも、
二階幹事長からの資金の入金は記載されていない。
このため、
この10億円を超える資金がどう使われたのかを私たちは確認できない。
では選挙に使われたのか?
それであれば、選挙運動費用収支報告書に記載する必要があるが、
2019年には参院選はあったが、
衆議院議員である二階幹事長本人の選挙はない。
そもそも、
選挙資金の上限は「1950万円+有権者数×15円」として算出される。
二階幹事長の地元である和歌山3区の有権者数は約25万人なので、
選挙資金の上限は2300万円余だ。
どれだけ資金力が有ろうが、億単位の規模の資金を使うことはできない。
◆二階幹事長へ流れたのは4年間で37億円超。
実はこうした支出は2019年だけにとどまらない。
二階議員が幹事長に就任したのは2016年8月3日だ。
自転車事故で職務を続けられなくなった谷垣禎一前幹事長の後任だった。
総務省には過去3年分の収支報告書しか残されていないが、
公益財団法人政治資金センター(以下、政治資金センター)
に残るデータで2016年の自民党本部の収支報告書を見ると、
幹事長となった直後からの4か月で23回にわたって4億8750万円が支払われている。
その年は幹事長就任前も含めて25回で5億1750万円が支払われている。
その後、2017年に13億3290万円が、
2018年に8億3270万円が二階幹事長に支払われている。
つまり、二階氏が幹事長に就任して以降、
2019年末までに総額で37億520万円もの巨額な資金が流れている。
そして、どう使われたのかを確認することはできない。
◆自民党本部の収入の7割は税金。
自民党本部が集めた資金をどう使おうと自民党の勝手ではないか?
そう考える人もいるかもしれない。
しかし、政治資金はその使途の透明性が求められている。
加えて重い事実がある。党本部には私たちの税金が入っている。
それが政党交付金だ。
自民党本部の2019年の収入総額は430億円余り。
このうち前年からの繰り越し金を差し引いた
この年だけの収入は244億9000万円余だ。
実は、このうちの176億円余が政党交付金、つまり税金だ。
2019年に得た収入の7割を税金が占めているということだ。
立岩陽一郎 InFact編集長 8/31 (火) 6:19。
(つづく)
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令和2年分 政党交付金 総務省 (令和2年4月1日)。
政党助成法に基づく各政党からの届出により、
各政党への政党交付金の交付額について、本日下記のとおり決定しました。
= 記 =
自由民主 党 17,261,364,000 円
立憲民主 党 4,290,207,000 円
国民民主 党 4,648,376,000 円
公 明 党 3,029,325,000 円
日本維新の 会 1,853,106,000 円
社会民主 党 362,769,000 円
NHKから国民を守る党 167,518,000 円
れいわ新選 組 161,018,000 円
※日本共産党 ゼロ円