っぽい

 昨日書いた小文に「風邪っぽい」と云うタイトルを付けた。郷秋<Gauche>は「っぽい」を「その傾向が少し有る」と云う程の意味で使ったのだが、白っぽい、男っぽい、埃っぽい、色っぽいという云い方はあっても、「風邪っぽい」と云う使い方は余り見かけない。見かけないと云うよりは、正しい使い方ではないのかも知れないな。

 「男っぽい」は、見かけによらず男らしいところがある、あるいは女なのに「男のような」ところがあると云う意味だろう。「女っぽい」はその逆に、男のくせに女に似たところがあると云う意味だ。「男っぽい」は良い意味で使われることが多いが、「女っぽい」は余り良い意味では使われない。「あいつは女っぽいところがある」とは女性に失礼な言い方と云ってもいいだろうな。という訳で、「っぽい」ってどう云う意味なのかあらためて辞書を引いてみた。

【広辞苑第五版】
 体言、動詞の連用形に付いて形容詞を作る。・・・の傾き(傾向)がある。・・・しやすい。「男っぽい」「忘れっぽい」など、上の語が促音化する(括弧内は郷秋<Gauche>注)。

【新明解国語辞典第四版】
 ⇒っぽい。何かを・する(含む)度合いが強い。「忘れっぽい・水っぽい」

 どちらも何かの「傾向がある」事を指すとしてはいるが、広辞苑ではその「度合い」については触れておらず単にその「傾向がある」とするに留まるが、新明解ではその「度合いが強い」としている。なるほど明快(解)ではある。

 郷秋<Gauche>の感じとしては「その度合いは強くなく」単に「その傾向が有る」程度だな。だから「風邪っぽい」は少し風邪の傾向がある程度の意味で使ったわけだ。郷秋<Gauche>の気持ち的には「雨催い」「雪催い」がもう少し進んで雨粒が落ちてきた、雪が舞い出したのと同じような「感じ」で使ったけれど、やっぱり「風邪っぽい」は一般的じゃないかも知れないな。

 でも「馬鹿っぽい」と云うのは時々聞くぞ。郷秋<Gauche>は馬鹿っぽいから「っぽい」みたいなどうでも良さそうな言葉に拘るのかも(^^;。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、ミツマタの蕾。ミツマタはコウゾと共に和紙の原料になるが、同時に春を告げる花でもある。
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