唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
あれがホントのレースだ
マレーシアGPで起こった二つのチームの対照的な出来事。一つはチームの指示に従い、リスクを冒すことなく3位と4位、合計27ポイントを獲得したメルセデス。もう一つがチームの指示を無視しスリリングなバトルを繰り広げ、場合によっては0ポイントの可能性のあったオーバーテイクを敢行しベッテル1位、ウェバー2位でフィニッシュして43ポイントを獲得したレッドブルである。
表彰台の可能性もあったのだから不本意ではあっただろうが、チームの指示に従ったロズベルクは賞賛さる一方で、チームの指示を無視しチームメイト同士の、接触・リタイヤと云う最悪のシナリオを顧みずバトルを敢行したベッテルは酷評された。自らチームスタッフに謝罪したことが伝えられてはいるが、果たしてベッテルの行為は本当に許されないものなのだろうか。
あのバトルはまさにF1の醍醐味。プロ中のプロである二人の実にクリーンなバトルであったと郷秋<Gauche>は記憶している。そしてベッテルは、2位でフィニッシュすることで失う7ポイントの意味を誰よりも良く理解しているのだ。 思いだして欲しい。昨年、ドライバーズポイント2位となったアロンソとシリーズチャンピョンとなったベッテルとのポイント差を。
たったの3ポイント差でベッテルはチャンピョンとなり、アロンソは2位に甘んじることになったのである。今ここで失った7ポイントのために4年連続のチャンピョンを逃すかも知れないと考えたのだろ。だからベッテルは18ポイントの2位ではなく25ポイントの1位が欲しかったのである。シーズン終了時点で、もし7ポイント以内の差で、昨年のアロンソがそうであったようにベッテルが優勝を逃したとしたら、それでもクリスチャン・ホーナーは「セバスチャン、君は良く頑張った」と褒めてくれるのだろうか。もっとも褒めてもらったとしても何の意味もないのだが。
ベッテルは「速くてナンボ」の世界で生きるレーシングドライバーなのである。一つでも前のポジションでフィニッシュしたいと思い、そうするのは当然の事。郷秋<Gauche>は云いたい。「セバスチャン、セパンで君は実に正しいレースをしたよ。それでこそ真のレーシングドライバーだ」と。 だってそうだろ。22名のドライバーが揃いもそろってチームオーダーに従って走るのを見たいのかい?そんなものはレースじゃない、パレードだ。たとえリスクがあったとしてもだ、それでもオーバーテイクしようとするドライバーがいるから、レースは面白いんだ。
もう一度云う。「セバスチャン、セパンでの君はレーシングドライバーとして正しいレースをした。謝る必要なんか、まったく無いんだよ。」
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、先週の日曜日に「せんがわ劇場」に行く途中で撮った、東急世田谷線三軒茶屋駅構内のほぼ全容。青葉台から調布は、直線距離だと近いけれど、クルマで行っても電車行っても時間的に遠い。電車の場合、一番早いのは渋谷から井の頭線明大前経由なのだけれど、これは風情がない。時間がかかることを承知の上で東急世田谷線を利用した時の一枚です。
blog:恩田の森Now(30日撮影・31日掲載予定)
http://blog.goo.ne.jp/ondanomori/