唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
Nikon一眼レフ中級機の系譜(第四回・FA編)
Nikon FAは世界初の多分割測光機能を搭載したフルモードAE機として1983年9月に「マルチニコン」の愛称と共に発売された。電子制御シャッターを搭載しており露出モードはマニュアル、絞り優先、シャッター速度優先、プログラムオートを任意に選択できるマルチモード対応。電子制御シャッター搭載機という意味ではFE2の後継機とみることもできるが、FEシリーズにはない、多分割測光機能とプログラムオートなど当時の先進技術を惜しまずを搭載したFAは、FEシリーズをベースにしながらも更なる自動化を見据えた先進技術実証機であり、直接の後継機が登場することがなかった孤高のモデルである。
電子制御シャッターとプログラムオートAEを搭載しているFAだが、すべてが電子的に制御されているのかと云うとそうではない。135mm以上の望遠レンズを装着した場合には手振れを防ぐためにシャッタースピードが1.5段高速側に切り替わるが、焦点距離が135mm以上であることはAi-Sレンズに追加された識別レバーによって機械的に感知している。完全電子化はNikon F-501とAi AF Sレンズが登場する1986年まで待たなければならないのであるが、裏を返せば、Nikon FAとAi-Sマウントレンズは、CPUを持たないマニュアルフォーカス(MF)機の頂点を極めたカメラとレンズであると云うことができる。
FAには第三回・FEシリーズ編でご覧いただいたFE2ブラックボディに装着されていたモータードライブMD-12を装着することが出来る。MD-15と云うモータードライブも用意されていたが、MD-12とMD-15の違いは、MD-12が本体のレリーズを機械的に行うのに対しMD-15はF3同様電気的に連動させるもの。FM・FE両シリーズはレリーズを電気的に行うための接点を持っていないので、MD-15はFA専用と云うことになる。
なお、FAは既述の通り数々の先進技術を搭載したことが評価され第1回カメラグランプリ(1984年)を受賞している。私には悪趣味としか思えないのだが、受賞を記念して金メッキにトカゲ革張のNikon FAゴールドも発売されている(50万円)。
【以下、郷秋<Gauche>が最近書いたNikon一眼レフに関する記事】
Nikon一眼レフ中級機の系譜(第一回・Nikomat編)(2018/06/21)
Nikon一眼レフ中級機の系譜(第二回・FMシリーズ編)(2018/06/23)
Nikon一眼レフ中級機の系譜(第三回・FEシリーズ編)(2018/06/27)
Nikon一眼レフ中級機の系譜(第四回・FA)(2018/07/01)
Nikon一眼レフ中級機の系譜(第五回・小さなニコンたち編)(2018/07/08)
Nikon一眼レフ中級機の系譜(第六回・FM3A編)(2018/07/13)
「恩田の森Now」 http://blog.goo.ne.jp/ondanomori に、ただいまは6月26日に撮影した写真を6点掲載いたしております。梅雨明けかと思うほどの猛暑となった森の様子をご覧いただければ幸いです。
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