縦か横か(写真編)

 写真の初心者から「タテ写真って難しくないですか?」と聞かれたことがあった。
 縦位置の写真を撮るのは難しい。あなたはそう思いませんか?」と云う意味なのだが、この「難しくないですか?」と云う日本語は難しい。同じ云い方で「これ、美味しくないですか?」と云うのを良く聞くけれど、果たして美味しいかと聞いているのか、美味しくないと云いたいのか判断に悩む日本語である。

 のっけから話しが横道にそれた。写真の話でした。

 結論から云えば、縦位置(縦長)の写真を撮るのは難しい。なぜなら、ほとんど全てのカメラの構造が横位置(横長)の写真を撮るのに最適化されているから。横位置写真に最適化されたカメラで縦位置の写真を撮るのは厄介なのだ。

 なぜ写真が横位置なのかと云えば、人間の目が二つでその二つが横に並んでいるから。自分の目で見ている景色が横長なんですね。だから写真も横長。と云うか写真以前の絵画が洋の東西を問わず基本的に横長。縦位置の絵画ももちろんあるけれど、その多くは「モナ・リザ」や「真珠の首飾りの少女」のようなポートレート(縦長の被写体)。絵画も写真も同じですね。

 風景画(写真)の場合、横位置であれば、首を左から右へと回した時のように見渡す限りの広さを表現できます。縦位置の場合には足元から正面を経て空を見上げたような天地の広がりを表現できます。また、縦長の被写体の場合には縦位置で撮る方が納まりが良いのは云わずもがな。

 カメラを縦位置に構える時には右腕を上にあげ、手首を下ろしてシャッターボタンを押す方法と、右手を下にしてシャッターボタンを押す方法とがあります。
https://www.nikon-image.com/enjoy/phototech/cameralesson/lesson01.html
 ご自分が撮り易いと思うやり方で良いのですが、郷秋<Gauche>の場合は前者です。こちらの方が手ブレを抑えられるから。

 無理やり感満載の縦位置撮影が嫌だと云う方には50年前に流行ったハーフサイズカメラ(オリンパスが最大勢力でした)をお勧めいたします。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ハーフサイズカメラ
 もっとも、ハーフサイズカメラで横位置の写真を撮ろうとすると、フツーのカメラで縦位置写真を撮るときのようにしないと撮れないことになりますのでご注意ください。

 現代の一眼(レフ)カメラで縦位置写真を撮り易くするために「バッテリーパック(グリップ)」と云うアクセサリーがあります。基本的にはバッテリー増設用のアクセサリーなのですが、縦位置撮影用に適したグリップとシャッターボタンが装備されているのが通例です。これを使うと横位置の場合と同じ感覚で縦位置写真を撮ることができるようになります。

 奇を衒う訳ではありませんが、普段見ている横位置の景色とは違う縦位置の写真はそれだけで新鮮です。バッテリーパックの有無にかかわらず縦写真は撮れますので、積極的に縦位置で撮ってみることをお薦めいたします。新しい発見があること請け合いです。

 と云う訳で今日の一枚は、私が縦位置用シャッターボタンがついたバッテリーパックを使い始めて間もない頃に撮った、夏の終わりの会津の小さな部落での一枚。

 横浜の住宅地に残された里山の四季の移ろいを毎週撮影し掲載しているblog「恩田の森Now」。ただいまは6月27日に撮影した写真を7点掲載いたしております。初夏の森の様子をご覧いただけたら嬉しいです。
https://blog.goo.ne.jp/ondanomori

To the author of this page: gaucheadgc(at sign)gmail(dot)com
Type "ijnuG ihsoyiK" adversely, and find me on Facebook.

#縦位置写真 #横位置写真 #マルチバッテリーパック #縦か横か

コメント ( 0 ) | Trackback (  )