米国側が更なる譲歩

 103日に、F-35で米国側が甘言と云う記事を書いた。これまで一部であても国産化を認めないとしていた米国側機体の組み立てや構成品の生産など一部国産化を認めている内容の提案書を防衛省に提出し、FXとしてF-35の採用を迫っているが、そんな米国側の甘言に惑わされず騙されず、欧州各国で既に実戦配備され、国産化が可能なユーロファイター・タイフーンを導入せよとの内容である。

 

一歩譲歩した米国側が、FX選定レースを更に有利に進めるために次の手を打ってきたのだ。それは、ロッキード・マーチンのクリストファー・クベシック社長兼最高執行責任者(COO)が、都内で時事通信の単独インタビューに応じ、日米両政府が合意すればステルス機の生産技術を日本側に提供すると云う、驚きの内容である。日米両政府が合意すればと云う条件付きではあるが、日本側が望めば米国側は間違いなく合意する。

 

一部部品の国産化と国内組み立てのみならず、機体形状や素材技術、量産化技術などが開示されれば、国産戦闘機開発のテンポが飛躍的に早まることは間違いない。防衛省や航空自衛隊(JASDF)幹部には相当魅力的な内容であることは間違いないが、何故米国側がそこまで譲歩しなければならないのかと云えば、それは量産開始が67年先であることからそれまでのつなぎ止め、と機体価格の更なる上昇である。

 

JASDFでの配備が大幅に遅れることは大いに問題である。FXは既に老朽化しているF-4の後継機であることから、一刻も早いリプレイスが望まれるのでる。云ってみれば、明日にでも納入して欲しい戦闘機がまだ完成もしていない、納入は8年後で、更に価格上昇ではまったく話にならん。

 

一方、ユーロファイター・タイフーンは即納可であると同時に速やかな国産化開始が可能なのである。ステルス性能はやや劣るとしても、総合的には優秀な戦闘機であるばかりか既に多くに運用実績がある。これまで経験のない欧州製であることを除けば、これはもうタイフーンが圧倒的に有利なのである。だからこそ米国側は次々と繰り出す甘言で日本を引き留めようとしているわけだ。

 

黙っていてもF-4の更なる老朽化が進むだけでなく、JASDF3.11津波被害でF-212機を失っている。こんな状態のままでこれから8年間、領土・領海・領空の防衛が可能なわけはないだろ。望まれるのは国産化と「Jバージョン」開発、多くの技術移転が可能なFX、つまりユーロファイター・タイフーンを一刻も早く導入することである。

 

 

例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、度々ご覧いただいているすみよしの森の「残り柿」。さすがに今季最後の登場となることでしょう。

コメント ( 0 ) | Trackback (  )
« F1小三題 ビートが純電... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。