私のガルパン戦車模型の第六作目は、カモさんチームのルノーB1bisにしました。第一作目の三式中戦車チヌがファインモールド、第二作目のⅣ号戦車D型がタミヤ、第三作目のⅢ号突撃砲F型がプラッツ(ドラゴン)、第四作目のM3中戦車リーがアカデミー、第五作目の八九式中戦車甲型がファインモールドでしたので、なんとなく次はタミヤかなあ、と感じてはいたのです。
それが決定的になったのは、2014年5月の大洗行きの際、園みどり子の居る蕎麦屋「大進」にて、居合わせたガルパンファンの方とカモさんチームの話題で盛り上がったことによりました。お店の前にある案内板が、園みどり子のおかっぱ頭をモチーフにしたユニークなものなので、そこから話題が始まって、カモさんチームのことやその搭乗車B1bisにも及んで、大洗では完全なガルパン仕様のB1bisの完成品をまったく見かけない、という点で一致しました。
それで名刺を交換したところ、相手は「ああ、このブログ、毎日欠かさず読ませてもらってますよ」と驚いておられ、「あなたのブログでしたか」と笑顔になって握手を求めてきました。それに応じると、「いま、はっきゅん(八九式中戦車甲型)を作っておられるんですよね、その次は何を作られるんですか?」と訊ねてきました。
まだ決めていないんですよ、と答えたところ、「じゃあ、このお店のソド子のB1bisにしたらいかがです?ブログ読んでますと、あなた、それぞれの戦車をきちんとガルパン仕様に作ってるじゃないですか、いつも感心して読んでたんですよ。B1bisもやっぱりガルパン仕様にするんですよね?」と笑っていました。
それで、私なりにB1bisをどう作るかのイメージを簡単に話したところ、相手は「やっぱり転輪ですか・・・」と椅子に深くもたれて腕組みして頷いていました。B1bisのキットはタミヤから出ているものが唯一ですが、劇中車との大きな相違点として、転輪部分の両端の転輪が上に上がっている点が挙げられます。その点を、多くの先行作品ではキットのままに制作していて、大洗の各所に展示されているキットも同様です。転輪部分を劇中と同じ状態に作っている先行作品は、私自身がネット上で見た限りではたったの一件だけでしたが、それも転輪部分以外では劇中と同じに仕上げていませんでした。
なので、私の知る限りでは、完全なガルパン仕様のB1bisの完成作品は見たことがありません。私も、作るのならば完全を求めたいところですが、初心者レベルの悲しさ故に、常に100パーセントに行き着かないままに終始しています。
B1bisのキットはタミヤなので、組み立てガイドの通りに普通に作れば、ほぼ一日ぐらいで楽に出来上がると思います。この作りやすさ、扱いやすさをあえて捨て去って、困難な改造や追加工作を様々にこなさないとガルパン仕様へ近づけないわけですから、私自身は、B1bisのキットは、ネット上で言われるような楽で作りやすいものではないぞ、と薄々感じていました。私なりにノートにまとめて整理している改造および追加工作のポイントだけでも20ヶ所以上あったからです。
でも、見方を変えれば、それだけ作り甲斐のあるキットだということになります。カモさんチームのB1bisの車長を務める園みどり子の「大進」で「B1bisにしたらいかがです?」と勧められたのも運命だろう、と受け止めました。かくして可能な限りガルパン仕様に近づけたB1bisの制作にチャレンジすることにしました。
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既に購入し、自宅の棚の上に積んであったタミヤのキットです。事前に作り方や改造箇所などを色々チェックしてノートにまとめておいたので、制作の大体の流れはイメージ出来ていました。
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箱の中身です。ランナーの数もパーツの数も、扱いやすく作りやすいように配慮してまとめてあるといった感じで、タミヤならばでのスタンダードな構成が維持されていることが一見しただけでも感じられます。
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興味深かったのは、この履帯のパーツですね。この戦車独特の履帯形状が再現されており、接着剤不要で、はめ込むだけで出来上がるという代物です。なんとなく最初に作ってみたくなるような感じですが、私の制作においては、まず履帯を作って確認しなければならない点が一つありました。
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このキットでガルパン仕様を目指す場合、転輪部分の形状を劇中に合わせるという修正が必要になります。キットの指示では、履帯のパーツは片側61枚連結、となっていますが、転輪部分の形状を修正した場合、果たして片側61枚連結のままでよいのか、という疑問点が出てきます。
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とりあえず、10枚ずつ五つ組んで、六つめを11枚組み、それから全部繋げて61枚連結の状態に仕上げました。すると8枚のパーツが余ることが分かりました。予備パーツとしてセットされているのでしょうが、転輪部分形状の修正によって片側61枚では足らなくなった際には、継ぎ足して使えるわけです。この点を確かめておいたので、安心して転輪部分形状の修正に取り組むことが出来ました。
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履帯は、両側とも61枚連結の状態にして、保管しておきました。自由自在に曲がるのでヘビみたいに見えました。丸く巻いておくのも良し、たたんでおくのも良し、でした。
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ステップ1は、転輪つまりロードホイールの組み立てでした。片側16個、全部で32個を作りました。
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32個の転輪が完成しました。中央にU字のモールドがあるほうが表になります。
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転輪を組み込む支持架のパーツA1は、御覧のように両端が上に反り上がっています。そのまま転輪を載せていけば、両端の転輪のみがやや上に位置することになります。これが劇中との大きな相違点の一つです。
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公式設定資料の画像を御覧下さい。黄色の枠内に示したように、片側16個の転輪は全て一直線に並んで水平に履帯に接しています。この状態にもっていくのが、ガルパン仕様への改造の第一歩となります。
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で、上画像のように二つのパーツA1の片方の端を水平にしてみました。もともとそんなに反っていませんので、少し切込みを入れるだけで真っ直ぐに直すことが可能です。
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切込みは、上画像のように、端の転輪を入れる凹部の底に少し入れるだけでOKです。あまり力を入れると切れてしまいますので御注意下さい。
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修正前と修正後のパーツA1を並べてみました。そんなに大きな変化は無く、切込みを入れて少し曲げるだけで、両端まで直線に水平に仕上げられました。切込みを入れたところに流し込み接着剤のMrセメントを二度ほど塗って固めておきました。
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ステップ2では、A1に付けた16個の転輪を、A1ごと車体底部パーツのD16に接着しました。私の制作においては、両端の転輪は切込み部分の補強を兼ねて接着しましたので、両端の転輪を持つだけでそのままA1ごとD16に楽にくっつけることが出来ました。
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接着後は、両端でD16との間に隙間が生じますので、プラ板をカットして挟んでおきました。こうすれば両端の形状をより強固に維持することが出来ます。
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後端部分の隙間もプラ板で繋いでおきました。あらかじめ寸法を測るだけでなく、転輪自体がちゃんと一直線に並んで水平に着地しているかをチェックし、それに見合う大きさにプラ板をカットして接着しました。
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これで片側16個の転輪がすべて一直線に並ぶ状態になりました。劇中の形状に修正するという取り組みは、やってみたらあっけない程に簡単でしたが、問題はその後の様々な追加工作のほうでした。キットのパーツにも存在しない、劇中車独自の転輪カバーなどを追加したりしなければなりませんので。それらについては、ステップ5のところで述べます。
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ステップ2においては、もう一ヶ所、ガルパン仕様への改造ポイントがあります。上画像のパーツD14においてです。
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劇中のワンシーンを見てみますと、黄色円内に示したように、パーツD14に該当する範囲は段差がなくフラットになっていることが分かります。さらに一部のリベットの位置も異なります。
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パーツD14の段差部分を削ってフラットにしました。削った部分についていたリベットの一つを、パーツの角のところに移しました。
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修正したパーツD14を、車体底部パーツのD16に接着しました。あまり目立たない範囲のようにも見えますが、真正面から見ると案外に目立つところです。しかも劇中ではD14の上につく牽引ホールドにフックやボルトも無いわけですから、この範囲の改造および追加工作は、パーツD14のみにはとどまりません。 (続く)
それが決定的になったのは、2014年5月の大洗行きの際、園みどり子の居る蕎麦屋「大進」にて、居合わせたガルパンファンの方とカモさんチームの話題で盛り上がったことによりました。お店の前にある案内板が、園みどり子のおかっぱ頭をモチーフにしたユニークなものなので、そこから話題が始まって、カモさんチームのことやその搭乗車B1bisにも及んで、大洗では完全なガルパン仕様のB1bisの完成品をまったく見かけない、という点で一致しました。
それで名刺を交換したところ、相手は「ああ、このブログ、毎日欠かさず読ませてもらってますよ」と驚いておられ、「あなたのブログでしたか」と笑顔になって握手を求めてきました。それに応じると、「いま、はっきゅん(八九式中戦車甲型)を作っておられるんですよね、その次は何を作られるんですか?」と訊ねてきました。
まだ決めていないんですよ、と答えたところ、「じゃあ、このお店のソド子のB1bisにしたらいかがです?ブログ読んでますと、あなた、それぞれの戦車をきちんとガルパン仕様に作ってるじゃないですか、いつも感心して読んでたんですよ。B1bisもやっぱりガルパン仕様にするんですよね?」と笑っていました。
それで、私なりにB1bisをどう作るかのイメージを簡単に話したところ、相手は「やっぱり転輪ですか・・・」と椅子に深くもたれて腕組みして頷いていました。B1bisのキットはタミヤから出ているものが唯一ですが、劇中車との大きな相違点として、転輪部分の両端の転輪が上に上がっている点が挙げられます。その点を、多くの先行作品ではキットのままに制作していて、大洗の各所に展示されているキットも同様です。転輪部分を劇中と同じ状態に作っている先行作品は、私自身がネット上で見た限りではたったの一件だけでしたが、それも転輪部分以外では劇中と同じに仕上げていませんでした。
なので、私の知る限りでは、完全なガルパン仕様のB1bisの完成作品は見たことがありません。私も、作るのならば完全を求めたいところですが、初心者レベルの悲しさ故に、常に100パーセントに行き着かないままに終始しています。
B1bisのキットはタミヤなので、組み立てガイドの通りに普通に作れば、ほぼ一日ぐらいで楽に出来上がると思います。この作りやすさ、扱いやすさをあえて捨て去って、困難な改造や追加工作を様々にこなさないとガルパン仕様へ近づけないわけですから、私自身は、B1bisのキットは、ネット上で言われるような楽で作りやすいものではないぞ、と薄々感じていました。私なりにノートにまとめて整理している改造および追加工作のポイントだけでも20ヶ所以上あったからです。
でも、見方を変えれば、それだけ作り甲斐のあるキットだということになります。カモさんチームのB1bisの車長を務める園みどり子の「大進」で「B1bisにしたらいかがです?」と勧められたのも運命だろう、と受け止めました。かくして可能な限りガルパン仕様に近づけたB1bisの制作にチャレンジすることにしました。
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既に購入し、自宅の棚の上に積んであったタミヤのキットです。事前に作り方や改造箇所などを色々チェックしてノートにまとめておいたので、制作の大体の流れはイメージ出来ていました。
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箱の中身です。ランナーの数もパーツの数も、扱いやすく作りやすいように配慮してまとめてあるといった感じで、タミヤならばでのスタンダードな構成が維持されていることが一見しただけでも感じられます。
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興味深かったのは、この履帯のパーツですね。この戦車独特の履帯形状が再現されており、接着剤不要で、はめ込むだけで出来上がるという代物です。なんとなく最初に作ってみたくなるような感じですが、私の制作においては、まず履帯を作って確認しなければならない点が一つありました。
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このキットでガルパン仕様を目指す場合、転輪部分の形状を劇中に合わせるという修正が必要になります。キットの指示では、履帯のパーツは片側61枚連結、となっていますが、転輪部分の形状を修正した場合、果たして片側61枚連結のままでよいのか、という疑問点が出てきます。
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とりあえず、10枚ずつ五つ組んで、六つめを11枚組み、それから全部繋げて61枚連結の状態に仕上げました。すると8枚のパーツが余ることが分かりました。予備パーツとしてセットされているのでしょうが、転輪部分形状の修正によって片側61枚では足らなくなった際には、継ぎ足して使えるわけです。この点を確かめておいたので、安心して転輪部分形状の修正に取り組むことが出来ました。
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履帯は、両側とも61枚連結の状態にして、保管しておきました。自由自在に曲がるのでヘビみたいに見えました。丸く巻いておくのも良し、たたんでおくのも良し、でした。
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ステップ1は、転輪つまりロードホイールの組み立てでした。片側16個、全部で32個を作りました。
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転輪を組み込む支持架のパーツA1は、御覧のように両端が上に反り上がっています。そのまま転輪を載せていけば、両端の転輪のみがやや上に位置することになります。これが劇中との大きな相違点の一つです。
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公式設定資料の画像を御覧下さい。黄色の枠内に示したように、片側16個の転輪は全て一直線に並んで水平に履帯に接しています。この状態にもっていくのが、ガルパン仕様への改造の第一歩となります。
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で、上画像のように二つのパーツA1の片方の端を水平にしてみました。もともとそんなに反っていませんので、少し切込みを入れるだけで真っ直ぐに直すことが可能です。
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切込みは、上画像のように、端の転輪を入れる凹部の底に少し入れるだけでOKです。あまり力を入れると切れてしまいますので御注意下さい。
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修正前と修正後のパーツA1を並べてみました。そんなに大きな変化は無く、切込みを入れて少し曲げるだけで、両端まで直線に水平に仕上げられました。切込みを入れたところに流し込み接着剤のMrセメントを二度ほど塗って固めておきました。
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ステップ2では、A1に付けた16個の転輪を、A1ごと車体底部パーツのD16に接着しました。私の制作においては、両端の転輪は切込み部分の補強を兼ねて接着しましたので、両端の転輪を持つだけでそのままA1ごとD16に楽にくっつけることが出来ました。
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接着後は、両端でD16との間に隙間が生じますので、プラ板をカットして挟んでおきました。こうすれば両端の形状をより強固に維持することが出来ます。
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これで片側16個の転輪がすべて一直線に並ぶ状態になりました。劇中の形状に修正するという取り組みは、やってみたらあっけない程に簡単でしたが、問題はその後の様々な追加工作のほうでした。キットのパーツにも存在しない、劇中車独自の転輪カバーなどを追加したりしなければなりませんので。それらについては、ステップ5のところで述べます。
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ステップ2においては、もう一ヶ所、ガルパン仕様への改造ポイントがあります。上画像のパーツD14においてです。
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劇中のワンシーンを見てみますと、黄色円内に示したように、パーツD14に該当する範囲は段差がなくフラットになっていることが分かります。さらに一部のリベットの位置も異なります。
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パーツD14の段差部分を削ってフラットにしました。削った部分についていたリベットの一つを、パーツの角のところに移しました。
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修正したパーツD14を、車体底部パーツのD16に接着しました。あまり目立たない範囲のようにも見えますが、真正面から見ると案外に目立つところです。しかも劇中ではD14の上につく牽引ホールドにフックやボルトも無いわけですから、この範囲の改造および追加工作は、パーツD14のみにはとどまりません。 (続く)