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「ウスヤ」で一休みした後、再び歩きはじめました。大洗の街歩きは前回の4月の訪問時にN氏父子と楽しんでいますが、その時はバスで二度ほどショートカットしたので、距離的には全体の半分ぐらいで済んだ筈です。
ところが今回は、バスの遅延のおかげで予定より長い距離を全部歩く羽目になりました。朝から何も食べていなかったことが災いしてか、「さくらい食堂」でざる蕎麦を食べ、「藤乃屋」でラーメンを食べ、「大進」でまたざる蕎麦を食べ、「ウスヤ」で串カツ4本を食べてもなお、空腹感が消えませんでした。この空腹感が疲労感をも呼んだのか、「ウスヤ」からの歩行ペースはガクンと落ちました。大洗町はガルパン巡礼エリアだけでも広いなあ、と思わざるを得ませんでした。
それで、喉の渇きをいやすべく、「さまた接骨院」横のガルパン自販機でお茶を買って飲みました。ガルパン自販機で買った飲み物は、ガルパンファンにとっては格別な味がする、と言われているようですが、普通のお茶の味でした。当たり前ですね・・・。
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ゆっくりと歩いて「新屋酒店」に到達、山郷あゆみのパネルにも会いました。店先にて、話題の新グッズ「山郷のしずく」が販売中であったので、思わず「これがヤマゴウのしずくか・・・」と呟いたら、ちょうど出てこられた店のおばさんが「それはヤマサトのしずく、って読みますよ」と教えてくれました。山郷あゆみの酒なのに、なんで読み方を変えたんだろう、版権の関係かな、と不思議に思いました。
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ですが、これは今回のお土産購入の重要候補の一つでした。38t戦車のキットの件でお世話になった模型サークルの知人I氏に御礼をしたいと考えていたからです。I氏は梅酒が好物だと聞いているので、贈るならこれが良いだろう、と目をつけていたのでした。
ですが、この時点で購入すると荷物になってしまうので、明後日にまた訪ねて購入したい旨を伝えました。店のおばさんは笑顔で「お待ちしております」と言って下さいました。
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そうして大洗磯前神社の一ノ鳥居をくぐって、ようやく今回の宿である「大洗シーサイドホテル」にたどり着きました。やっと着いた、やれやれ、といった気分で、疲労感が一気に押し寄せてきそうな感じでした。とにかく小一時間は仮眠でもとって休もう、と考えました。
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玄関口の左側にはお馴染みのガルパン自販機もありました。この自販機だけが往来からちょっと離れているので、計8基のなかでも最も目立たないそうです。デザインは、最も目立つ、カラフルな歴女チームのⅢ号突撃砲F型なのですが・・・。
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丁寧な出迎えを受けてカウンターで手続きを済ませ、五階の部屋に通されました。ガルパン応援宿泊プランの客向けに提供している部屋でございます、と説明を受けましたが、なるほど床の間の壁にはあんこうチームのタペストリーが掛けられてありました。疲労感が少しやわらぎました。
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ですが、感動したのは、窓一面に鹿島灘の海原が広がって見えることでした。海の景色が大好きな私には、最高のロケーションでした。
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窓枠の中に、一枚の絵のような感じで海の光景がぴったりとはめられているような感じでした。映画で海のシーンを見ているような気分にもなって楽しくなりました。まさに「シーサイドホテル」の名が相応しい、と実感しました。
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それで、小一時間は仮眠でもとって休もう、と考えていたのが、窓際の椅子に座ってずっと海を眺めている、という状態に変わりました。大洗海岸唯一の白くて小さな灯台も、ずっと見ていて飽きませんでした。
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海は本当にいい、何度見ても素晴らしい、と思っているうちに、疲労感も少しずつとれていくようでした。素晴らしい景色は、一種の良薬である、と唱えた高名な医学者の名言を思い出しました。
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窓からは、神磯の鳥居も見えましたが、その付近の砂浜では二台の重機が稼働してダンプカーが行ったり来たりしていました。おそらく波に持って行かれた砂浜の砂礫をすくい上げて浜に戻しているのでしょう。以前に、和歌山県の白浜海岸や福井県の越前海岸でも似たような工事の有様を見たことがあったからです。海水浴シーズンの前によく行われる、海浜景観保持の対策の一つだそうです。
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部屋の机に戻って、カウンターの手続きの際にいただいた封筒を開けてみました。ガルパン宿泊特典グッズが色々入っていて、また感動してしまいました。名刺が二種類もあるうえに、缶バッジは、ホテルのオリジナル品の西住みほの他に、「冬の進軍ボコ作戦」イベントの景品バッジやクリスマスバージョン西住みほバッジまで同封されていました。おそらくまだ在庫が豊富にあったのでしょうが、缶バッジが色々あると楽しい気分になれます。
おかげで一気にテンションが上がり、疲労感もほとんど吹き飛びました。小一時間の仮眠の必要はなくなりました。
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とどめはこのダージリンからのメッセージと紅茶のセットでした。劇中のダー様の名台詞をユーモラスに散りばめた、心憎いばかりのサービスです。本来なら、ダー様のパネルがある「肴屋本店」が思いつくべきアイデアだったと思いますが、これは完全に「シーサイドホテル」にうまく持っていかれましたね・・・。
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しかも、さらに驚いたことに、用意された紅茶がちゃんとダージリン、アッサム、オレンジペコの三種揃えられており、まさに聖グロリアーナ女学院のノーブルシスターズがパックの形で登場していました。やってくれますなあ・・・・。
これはサプライズでしたね。もう完全に疲労感は消え失せ、ダー様たちにいただいたアニメパワーがみなぎってくるようでした。
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嬉しさのあまり、ダージリンのパックを開封して一杯の紅茶をいただきました。どんなに長いこと歩いて疲れようとも、一滴たりとも紅茶をこぼしたりはしませんのよ、オホホホ・・・。 ( 完全にアホかお前は ) (続く)