11月21日に公開が予定されているガールズ&パンツァー劇場版の特報が、6月に公開されました。以前の予習PVの内容と繋がっている部分もありますが、大半は新たなシーンで占められ、ストーリーの全体像どころか、それぞれのシーンの意味すら予想するのが難しくなってきました。
なので、時には勝手な想像や偏った妄想にも陥ってしまいそうです。でも、それよりは確かな要素のみを抽出し、それらをふまえて何が分かるのか、何が予測不可能なのか、といった情報整理を試みる方が楽しいのではないかと思います。
特報では、色んな新フレーズが示されましたが、なかでも興味深かったのが上図の「史上最大の戦車戦!!」でした。
普通、「史上最大の戦車戦」と言えば、史実においては第二次世界大戦中の東部戦線における「クルスクの戦い」が連想されます。1943年7月4日から8月27までの時期に行なわれた戦闘の総称で、当時のドイツ軍では「ツタデレ作戦」と呼びました。これに対するソ連赤軍の呼称がクールスカヤ・ビートヴァ、つまり「クルスクの戦い」です。
この戦闘に、両軍合わせて合計6000輌以上の戦車や車輛が投入されました。文字通りの史上最大の戦車戦であり、クルスク戦車戦、クルスク会戦とも呼ばれています。
これに対してガルパン特報の方は、あくまでもガルパン世界観の物語の上での「史上最大の戦車戦」を指すのであり、両軍合わせて合計6000輌以上の戦車や車輛が投入される、なんてことは有り得ません。戦車道試合の「最大規模」、と解釈すべきでしょう。
例えば、戦車道の規則に則った全国大会の場合、決勝戦に進んだ一方のチームは20輌を揃えていました。黒森峰女学園がそうでした。これと対峙した大洗女子学園は8輌に過ぎませんでしたが、もし大洗女子学園も同等の戦力を擁していれば、その参加車輛数は最大の20輌であったことでしょう。
ですが、テレビシリーズ全12話とアンツィオ戦OVAを総覧する限り、一回の試合に投入された最大の車輛数は28輌であることが分かります。黒森峰女学園と大洗女子学園の決勝戦における参加車輛の総数であり、これより多い数というのは、劇中では表現されていません。
したがって、参加車輛の数をふまえて「史上最大の戦車戦」を謳うのであれば、それは28輌を超える車輛が参加している試合、と考えることが出来ます。
以前の記事にて、予習PVに登場した大洗女子学園と知波単の連合チームは15輌、これに対する聖グロリアーナ女学院チームも15輌で試合に臨んでいるのだろうと推測しました。その場合は、合計数が30輌ですので、この時点でガルパン世界観の物語の上での「史上最大の戦車戦」が成立していることになります。
本来ならば、戦車道全国大会での準決勝戦あたりで15輌対15輌の試合があるはずなのですが、その物語は劇中では描かれていませんでしたから、それ以上の参加車輛数が見込まれるシーンというのは、予習PVが最初であるわけです。その数の何割かを、上図のクルセイダー隊が占めていることでしょう。
ですが、特報ではあえて「史上最大の戦車戦!!」と謳います。予習PVの内容の延長上にこのフレーズを置いていることから、数の上では既に登場している大洗女子学園と知波単の連合チーム、聖グロリアーナ女学院チームの推定合計数30輌よりも多い数を揃えての試合、戦車戦の規模が、一つのイメージとして浮かび上がってきます。
そのイメージに、特報で登場したプラウダ高校チームの面々の存在が関連しているかどうかはともかく、まだ登場していない参加チームおよび参加車輛の存在が示唆されるのは間違いないでしょう。