個人的には、酬徳記念館けいおん展示コーナー整理清掃作業の10回目となった2018年12月9日、新たに有志参加した下さったMさんと朝9時に豊郷入りして、酬徳記念館二階の物置にてすぐに作業に取り掛かりました。
今回より作業は展示再整理メンテより展示品記録へと主軸を移行しました。従来の寄贈品群に関して当局にも観光協会にも記録が存在しなかったために整理作業に相当の支障および制約が生じていた経緯をふまえ、今回の一連の整理清掃作業に関しては記録を作成しておこう、という基本方針があらかじめ話し合いで決まっていました。
それで、今回の作業にて整理再構成のメインとなり、今年より多くの寄託提供品を加えているフィギュア群については、写真も添えての記録を整備する、という計画をまとめてありました。拙ブログにて連載している作業レポートも、写真記録の一環としての性格を帯びるものですが、それとは別に、デジタルアーカイブ的にきちんとしたコンテンツを整備しておく必要があるのではないか、ということで試みにやってみる次第です。
そこで、前提となる作業として、展示されるフィギュアの全ての写真撮影が必須となります。普通に撮っても良いかもしれませんが、デジタルアーカイブ的にきちんとしたコンテンツを整備するのであれば、それなりの写真記録が必要になります。博物館の記録写真資料のような、美術館の展示カタログの図版のような、四方位からの写真およびベストアングル写真などです。
しかし、いま継続的に作業を行っているKさんも私も、写真撮影に関しては素人で、博物館の記録写真資料や美術館の展示カタログ図版のような綺麗で精彩ある写真は撮れません。どうしても、そういう写真が撮れる優秀な方に協力していただかねばならない、という考えは以前からありました。
去る11月10日の作業時に、夕方近くに訪れた見学ファンの一人が、二階の展示フィギュア群の一部を撮影しているのを偶然見かけました。後日、その際の写真画像らしきものがネット上に挙げられていることを、交流サークル仲間のモケジョさんに教えられました。早速見てみると、まさしく11月10日の作業時の状態の写真でした。
驚いたのは、その写真の出来の良さ、美しさでした。あの時、展示棚は作業を終えて保護ビニールシートがかけられていました。私たちが普通に撮れば、保護ビニールの反射などで展示品がうまく捉えられないのですが、その綺麗な写真は、保護ビニールなど無いかのような、透明度の高い状態した。これには感動させられました。感激のあまり、その写真の掲載元にコメントを送ったのが、事の発端でありました。
私の無茶とも言える依頼に快く応じて下さり、メンバーに加わったMさんは大阪の方で、当日は撮影用の機材をいっぱい抱えて来られました。そして上図のように物置のスペースでテキパキと撮影作業にかかりました。
撮影そのものは、上図のように背景紙を展開してライトやレフ板を使って全方位から対象に光をあてて陰を無くすやり方でした。まさに博物館での記録写真資料の撮影と同じ方式でした。
物馴れた所作でドンドン撮影を進めるMさん。私と、後からやってきたKさんは、しばらくその作業を見守り、その見事な撮影作業ぶりに感嘆しつつ、撮影対象のフィギュアの出し入れや運搬を担当して手伝いに専念することにしました。
Mさん自身は、もともとフィギュアの撮影が趣味なのだそうで、今回の撮影作業はとても楽しんでおられたそうです。
撮影作業は、この日は二階の展示棚のスケールフィギュアから始めました。とりあえず右の棚から順番にフィギュアをコーナーまたはグループ単位で下して、順に撮影してもらいました。
それと並行して、いままでなかなか出来なかった展示コーナーの清掃と背面展示の再構成を行いました。例えば上図の右棚の最上段の水着フィギュア群をおろした後、背面に物置の非展示品のなかにあったスティックポスターやクリアファイルの中に展示品と同じテーマのデザインのものがあるのを活用して、背面に貼りつけて展開しました。
つまり、上図のように、スティックポスターやクリアファイルのデサインが、展示フィギュアの元絵であることが分かるようにしたわけです。こういうふうに、棚スペース毎に展示内容を同テーマまたは同じコンテンツ内容にまとめて統一的な展示にまとめなおす、というのが、この日のKさんと私のメイン作業でした。
Mさんの撮影作業の進捗に沿って、フィギュア群を次々に出し入れしました。撮影中のフィギュアの展示スペースが上図のように空くわけですので、ウェットシートで全部拭いて掃除して埃や塵を取りました。ほとんどの場合、ウェットシートが真っ黒になりましたので、展示コーナー全体に相当の埃がたまっている事がよく分かりました。
なにしろ、二階展示室はずっと窓を閉め切ってありますから、館内の埃がたまりやすいようで、現に一か月前ぐらい前からフィギュアの多くに埃が付き始めているのが視認出来たのでした。
この二段目の空いた空間は、一番くじの不思議の国Deティータイムのシリーズの展示スペースです。それで元絵のスティックポスターを確保してありましたので、清掃後に上図のように貼りつけました。この公式イラストに沿ってバンプレストが一番くじのフィギュアに加えるべく立体化した経緯がよく分かるようになります。
Mさんの撮影が終わって、戻ってきたフィギュアを上図のように公式イラストに合わせて再陳列しました。ダブル賞の特典品の特大ケーキも、テーブルのようにセットしました。両袖の空きスペースには、従来の寄贈展示品の一部を入れました。
ちなみに、この一番くじの不思議の国Deティータイムのシリーズと同傾向の公式イラストに豊郷小学校階段での5人の図柄があります。その公式イラストがあれば同じスペースに展示しようと考えたのですが、クリアファイルすら見つかりませんでした。
続いて三段目のスペースの、一番くじ5thあにばーさりーシリーズのフィギュア群などを物置へ運び、Mさんの撮影作業に供しました。
その間、いったん展示品を全て出して清掃し、上図のように元絵の公式イラストを中央に据え直し、物置にあった同関連品のミニパネル群を左右に並べて、5thあにばーさりーシリーズでまとめた陳列に再編成しました。
フィギュア群が戻りました。もとは右に並んでいたSQフィギュア平沢唯の同系2種は、上図のように左右に展開して陳列のバランスをとりました。
そして四段目のフィギュア群を運び出して、上図のように背後の公式イラスト類を同じコンテンツのものに貼り替えました。大体こういう感じで棚ごとに背面の展示内容を再構成したのが、この日の作業でした。
上図は左端の棚の最上段です。もともと背面に何もなくて寂しい感じでしたが、展示の水着フィギュア群の元絵とみられる公式イラストが一階にあったのをKさんが見つけてきて、上図のように貼って下さいました。公式イラストと公式フィギュア群の関係性が、この陳列でも明快にアビールできるようになりました。
左端の棚の二段目では、背面に9月16日の作業時にナガシマさんが用意していた部室内装画像を貼りつけてありましたが、上面が空いていて物足りない感じがあったため、物置にあったスティックポスターの中から良さそうなのを選んで追加展開しました。
かつて、ゲーマーズやアニメイトなどで購入特典として配布されていた、公式イラストのスティックポスターは数多く出ていますが、上図のような桜高制服姿の絵柄は、意外にも少ないのでした。
左端棚の最上段と二段目を概観しました。背面の展開イラストも同じものを入れたので、陳列フィギュア群の資料性もより高まりました。 (続く)