この日は、Mさんの撮影作業と並行して、二階の展示再構成の最終作業を進めました。物置に残されていた非展示グッズ類の再活用をはかり、展示されるフィギュアの元絵や関連品を抽出しながら、展示棚の各コーナーに組み込んでゆきました。
博物館の展示の基本的な方法の一つに、「世界観をまとめる」というのがあります。一つの展示室、一つの展示コーナーにおいては、展示品の示す世界観をアピールするべく、同じ傾向を持つ展示品と組み合わせる手法が採られます。それによって、展示品の持つ「情報」が増幅されて見学者にとって分かり易いものに昇華される場合があります。
今回の展示再構成作業では、その手法を応用してフィギュアの示す世界観に一致するか、もしくは近い傾向にあるものをなるべくまとめて陳列展開させました。
例えば、左二番目の棚の最上段には、学園祭Tシャツ姿のフィギュア3体と、制服姿のフィギュア2体とが同一のスペースに並びます。
このうち、学園祭Tシャツ姿のフィギュア3体の背後には、劇中の元シーンのスティックポスターを貼りました。
そして、制服姿のフィギュア2体の背後には、同じ制服姿の場面のスティックポスターを貼りつけました。
その真下の二段目には、あにまるの5th限定フィギュアが並びますが、私の提案でその元イラストを額装して飾り、その左右に同じ5th限定の関連グッズの箱と中身を並べてひとつの世界観にまとめました。
その両側が空いていたので、HTTに関するイラスト色紙とマウスパッドを仮陳列しました。出来れば、右側の平沢唯の背後にはレスポールのデザインシート、左側の琴吹紬の背後にはショルキーのデザインシートを額装にて入れたかったのですが、いずれも希少品であるので従来の寄贈品のなかにも見当たらなかったのが残念でした。
とりあえず、上下の展示空間ともそれぞれの世界観、雰囲気にて大体はまとまりました。
四段目の左側の「ロミジュリ」2体も、元絵が見つかったので背後に貼りました。
しかし、同じ棚内に陳列される「夏季講習」の2体や「演芸大会」の2体などは、関連品が見当たらず、雑誌の切り抜きなどを活用して上図のように仮展開しました。
こういう場合、劇中の同シーンをプリントして貼りつけるのが効果的ですが、そこまでやると手間がかかりますので、今回は見送りました。
右二番目棚の二段目は、上図の状態に再構成しました。左側の時計はパッケージから出して図柄がよく見えるようにしました。右の京都アニメーションのフィギュア群の背後には、同じ京都アニメーション発の限定販売品であったアニメセル画を2種類おさめました。
その下の段でも背後のグッズの一部を入れ替えて、フィギュア群と同じ映画版ロンドン旅行の関連品のみにまとめました。
この範囲では、差し込める品があまり無かったため、物置に眠っていたグッズ類を少しでも生かす方向でフィギュアの背後に陳列しました。
左二番目棚の二段目、三段目でも似たような形でまとめました。ゴチャゴチャと貼られていたグッズやカード類は全て撤去して、スティックポスターや記念切符類を入れました。
このあたりは、あまり世界観がまとまっていませんが、関連品が無いので仕方がありません。その代り、展示フィギュアの傾向および雰囲気になるべく通じる品に絞って入れ込みました。 (続く)