きのう9月3日、岡山真備のエラヤへ再び行ってきました。3日からいただいた休暇をゆるキャン△長野行きとガルパン大洗行きに使おうと計画したところ、4日から台風の直撃を受けて関東甲信越は暴風と大雨という予想となり、全ての予定が白紙に戻りました。
ガッカリして、何もすることが無いまま、3日の朝に起きてとりあえずネット等を眺めていたら、エラヤの情報が入ってきたのでした。9月も営業している、というので、驚きました。8月いっぱいで終わる、というのは水没品九割引きセールのことだと悟った時、窓の外を見て晴天であるのに気付き、よしエラヤへ行こう、と思い立ってすぐに出発しました。
エラヤに着いたのは午前10時頃でした。お店の様子は御覧の通りで、営業してるのかな、と思いましたが、店長の団迫さんが玄関口で水洗いをやっておられました。
近づいて挨拶すると、「ああ、どうぞ中へ」と応じてきました。
店内は、前回来た時よりも片付いていて、在庫量は半分以下になっていました。スチール棚も半分ほど撤去されていて、もともと広い店内が余計に広く感じられました。整理に勤しんでおられた奥さんにも挨拶したところ、ああ、この前の、と笑顔を向けてきました。
客は、この時は私一人でしたが、まもなく三人ほどが入ってきて、みんな飛行機のキットの棚へ向かいました。AFVが目当てなのは、私だけだったようです。
南側の長いスペースは完全に片付いて、空のスチール棚が置かれてありました。
西側のAFVコーナーは商品もスチール棚も完全に無くなっていました。殆ど売れて無くなったのかな、と見回したところ、店内の商品全体が整理されて移動されていることに気付きました。
つまり、残っている在庫は全て東側の棚列に移されて再整理されていたのでした。
そして西側には、ジャンクパーツというか、箱の破損や客の乱雑な扱いによってバラバラになってしまったランナーパーツ類が山積み状態で集められていました。ゴチャゴチャと積み重なっているので、最初は何が何だか分かりませんでした。
しかし、よく見るとドラゴンのⅢ号突撃砲の破れパッケージがありました。ランナーの一部がその下に埋もれていました。一つ一つ袋を見てゆくと、他にも相当な量のAFVランナーパーツが見つかりました。
パッケージ単位で保たれている品は、みんな東側の棚に移してありました。上図の4つの棚が、全てAFVの残存在庫で埋められていました。前回来た時は見なかった戦車キットも三つほどあり、こんなのがあったのか、前回は見落としたかな、と思いました。とりあえず状態が良さそうな1点を取り出しました。
反対側には車、飛行機のキットがまだまだ豊富にありました。もともとそちらに力を入れていたようです。
塗料類も、今回はこれだけになっていました。8月20日の訪問時はもっとありましたから、いかに沢山の方が来られて、いかに多くが買われていったかが分かります。
玄関口からの通路にはホースが引かれ、玄関口で店長団迫さんがスチール棚の泥を洗い流していました。奥では、後からやってきた客が買物をしていました。
精算時に、団迫さんと少し話をしました。いつまで営業されますか、と訊ねたところ、「まあ、そうやな、9月いっぱいは色々片づけんとならんし、店もこうして開けとるし、その間は残品の販売も出来るだけやってくよ、いつまで出来るかちょっと分からんけどな」との返事が返ってきました。
興味深いことに、閉店とか閉鎖という言葉を一切まじえませんでした。ひょっとすると今後も、と期待してしまいましたが、明らかな方向が示されているわけでもないので、それに関しては聞かないでおきました。
精算額は2750円でした。ランナーは全部で24枚買いましたので、原則100円で販売ということなので、おそらく2400円、戦車キット1点は350円、という計算だったのでしょう。戦車キットのパッケージの側に残っていた値札には3500円とありましたので、350円であるならばこれも九割引きになります。
そのセールは8月いっぱいで終わったのでは、と言いかけましたが、団迫さんがしっかりと値札を確認して電卓に入れておられたので、おそらくサービスなのだろう、と受け止めて、無言で頭を下げました。
一時間ほどで買物を終え、汗だくになって外に出ました。エラヤさんが営業時間を午前中のみに限っているのは、店内のエアコンが水没でダメになって撤去したため、日中は室内が高温になって仕事にならないから、だそうです。確かに店内に居ると、時間と共に室温がぐんぐん上がってくるのが感じられました。
なので、外のほうが涼しかったです。というか、この日は気温がそんなに高くなかったと思います。風もけっこうありましたが、これは台風接近の印だったのでしょうか。
何と言うか、今回も様々な感慨がありました。模型の聖地とうたわれた老舗が、こうして一つの幕引きに向かってゆくのを見るのは、誠に残念なことです。
遠い遠い昔、軍艦艦艇のキットをガンガン作りまくっていた若い頃、どうしても入手出来ないガレージキットの品を求めて、このお店に三度ほど行きました。その頃は矢掛の古い町並みの中にもお店があったのですが、三度とも、求めていた品がありました。奈良や京都や大阪や神戸の専門店にも無い商品があるとは凄い、と感動したのを覚えています。
ここ真備のお店には、横溝正史ゆかりの地巡りの際に二度ほど来ました。その時も通路の狭さと天井近くまで高く積み上げられた商品の量に圧倒される思いが強かったです。その往時の状況は、2016年に石坂浩二が訪れた時の動画にて御覧下さい。こちら。
それらの思い出が、なにか大切な宝石のように思えて、こみあげてくるものがありました。記念の自撮りをやっている最中でしたから、目頭に力を入れてこらえたのでしたが、おかげで厳粛な顔つきになってしまいました。 (続く)