岐阜の住宅設計事務所の でいbyでい

岐阜の住宅屋 タマゴグミの日々の他愛もないことを綴ったブログです。

手作りのわけ

2011-05-23 | 日記

大垣の家 階段を造っています。

手作りです。 大工さんが一枚の厚い板に墨付けして、のこぎりで切って、親板(写真でぎざぎざのものです)を作り、厚い平板を切って段板を作ります。この作業だけでも1日以上掛かります。

実は、階段セットというものもあるんですね。工場できちっと刻まれて、梱包して現場に搬入、そしてサッと組みたてれば、数時間で階段完成、という品です。寸法の精度がよくて、合板を使っている品が多いので狂いも殆どありません。だから、階段を上がるとき、キュッキュッなんて、鳴りません。そんでもって安い。

 

それでは手作りはと言うと・・・・ 木は無垢だから痩せてきて隙間は空くし、割れてくるし、半分以上の確率でキュッキュッって鳴きます。

モデルハウスに来てもらうと解るのですが、うちなんかたまに「バキッ」なんて音もします。

 

比べると、手作り最悪!!なんて思われるでしょうね。

それでも、タマゴグミは手間とお金をかけて手作りをします。

理由は、長持ちのためです。

 

はあ~~長持ち?? 鳴かなくて精度が良いほうが長持ちじゃないか。 と思われるでしょうか。

 

そうともいえますね。強度的には手作りも既製品も変わりません。多分50年でも使い続けられるでしょう。

 

それじゃあ、何が違うのか??

タマゴグミでは 長持ち=経年変化の美しさ・楽しさ と考えています。

この階段は、将来的にはキュッキュッって鳴くでしょう。 けど、その頃には木は良い色になってきて、段板は磨かれて光り、手すりもツヤツヤになっているはずです。そして、住まい手は「この階段、いとおしいな~~」なんて思っていただけるはずです。

そうすると、この家に住み続ける意思がわいてきて、結果長持ちとなる  という方程式です。

 

長持ちする家は 永く住みたいという意思を与える力が必要なんだな、と思い日々家造りをしています。