猫じじいのブログ

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新型コロナ感染症対策にデンマーク方式とスウェーデン方式がある

2020-04-09 21:56:39 | 新型コロナウイルス

きょう、4月9日のBS NHKで見たのだが、新型コロナ感染症対策が国によって大きく異なる、とアメリカの公共テレビPBSが報道していた。

それによればデンマークとスウェーデンがまったく異なった対策をしているという。この両国は隣りあっており、また、宗教は共通、言語もスカンジナビア言語圏に属し、文化的ににている。ところが、感染症対策はまったく異なる。

デンマークは3月11日から非常に厳しい外出禁止、飲食店の閉鎖、企業活動の停止を行った。いっぽう、スウェーデンは規制をかけず、個人の自主性にまかした。

デンマークは、ドイツの対策に似て、ヒトとヒトとの接触をできるだけ抑え込み、感染症の広がりを抑え込み、治療薬の開発のための時間稼ぎをするという戦略である。デンマークは厳しい感染症対策を行い、一時的に感染者の増加を抑え込んだが、そのあと、再び増加しつづけている。

スウェーデンの対策は、集団免疫を期待して、感染症の広がりをムリヤリ抑え込まず、かつ、医療崩壊を招かないため、重症になるリスクをもつ者をのぞき、多くの軽症者は自宅にとどまるという戦略をとった。レストランやカフェは営業し、外出制限もなく、小学生たちは通学している。

PCR検査は、物流や交通などのインフラ従事者に優先しておこなった。国連で温暖化ガス対策を訴えたグレタ・トゥーンベリ(17歳)は3月24日に発熱したが、PCR検査をせず、そのまま2週間の自主隔離を行った。

4月8日現在、スウェーデンの感染率は0.075%、致死率は7.7%、5日間の平均増加率は6.8%、いっぽう、デンマークの感染率は0.087%、致死率は4.0%、5日間の平均増加率は8.3%である。大差がない。

感染率は国民の新型コロナの感染者の割合で、早く国民が感染することを選んだスウェーデンの方が少ない。これは、PCR検査をインフラ従事者やリスク持ちを優先して行っているから、見掛け上、感染者数が小さく出て、感染者の致死率が高く出ているのであろう。

したがって、スカンジナビア文化圏では、政府が強権的な規制を行った方が良いか、それとも、政府は情報を公開するだけで国民の自主性にまかした方が良いか、まだ わからない。
    ☆    ☆

4月8日現在、日本の感染率は0.0034%、致死率は4.7%、5日間の平均増加率は10.4%である。緊急事態宣言の後の感染症対策で、東京都と政府との間に対立が生じている。新型インフルエンザ感染症対策特別措置法では、東京都の権限で外出禁止や大型店の閉鎖の指示ができるはずである。

何が正しい対策か現在のところわからないのであるから、都道府県の長のそれぞれにまかせばよいのではないか。

新型コロナ感染症対策チーム クラスター班の西浦博教授は、東京都の厳しい対策を支持している。

私はスウェーデン方式が好みだが、東京都がデンマーク方式を望むのだから、やらしてみれば良い。都道府県が異なる対策をとって、実験をしてみたらよい。たぶん、どちらでも、感染率が数パーセントに達すれば、自然に感染のピークを迎えるだろう。大事なのは医療体制が維持され、救える命を救うことである。

政治の怨念から安倍晋三が小池百合子に嫌がらせをするのではなく、政府は政府しかできない対策を黙々とすればよい。

[補遺]
いま、NHKテレビをみていると、「かかりつけ医」に自宅待機の感染者を任せば良いというが、日本では「かかりつけ医」というものが機能して来なかった。ただの「町の開業医」で、都会では、流れ作業で大量の患者を診ており、ホームドクターの機能なんてできやしない。地域の人を把握していない。

[補遺]
PCR検査は、検体をとるというプロセスと、検体を機器にかけRNAを増殖させ判定するというプロセスとがある。後者は医師であることを必要とせず、検査技師が行っている。前者も医師という制約を外し、検査技師や看護士にまかせば、大量に検査できる。


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