猫じじいのブログ

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オミクロン株の感染爆発のなかの不機嫌で実りのない尾身茂会長取材

2022-01-20 21:27:33 | 新型コロナウイルス

きょう、1月20日の新規感染者数が、東京都で8638人、全国で4万6199人、どちらも過去最高である。

いっぽうで、18日の岸田文雄首相と会談した後の、また、19日の有識者会議「基本的対処方針分科会」の終了後の尾身茂会長の発言が、メディアをにぎわしている。オミクロン株がたいしたことがないと思う人は、尾身の発言に、我が意を得たりという顔ではしゃいでいる。オミクロン株も感染拡大を抑えるために行動規制が必要だと思う人は、怒っている。

18日も19日も記者会見でなく、取材という形の非公式の場の発言である。しかし、私は、この一連の尾身の発言は丁寧さを欠き、投げやりの発言のように思える。

18日の段階では、取材に対して、「オミクロン株の感染力は従来の株とは異なるとして、特徴にふさわしい効果的な対策を早期に講じることが重要だといった考えを、岸田総理に伝えました」といっており、ここまでは、そんなにおかしな点はない。

ただ、「人流抑制より換気」「人流抑制より人数制限」といっており、「従来の株と異なる」と絡んで憶測を生みやすい火種があった。

19日の取材での尾身の発言は毎日新聞の報道が一番詳しい。どこにも、オミクロン株に感染しても大したことがないから、感染しても仕事に出かけようとは言っていない。

昨日につづいて、尾身はつぎのように応えている。

《オミクロン株にふさわしい効果的、メリハリのついた対策を打つ必要があるのではないかというのが(分科会の)コンセンサスだ。「人流抑制」ではなく、「人数制限」というのが1つのキーワードになる。》

このあと、

《声を出したパーティーや会食。酒も飲むかもしれない、マスクも外すかもしれない、換気も悪いかもしれない。そういうことがリスクが高いとわかっている。》

市中感染が全国に広がっている現状では、どこでもオミクロン株に感染する。したがって、県をまたがっての移動を制限しても、もはや、効果がない。

尾身の思いでは、年末年始には移動するなと言ったのに、多くの人が帰省し、旅行し、感染を全国規模にすでにしている。また、成人式なんぞ、やって欲しくなかったのに、各自治体は行い、20歳の若者に感染を広げてしまった。

「わかっている」という表現に尾身の不機嫌さがにじみ出ている。この「わかっている」という発言に、つぎが続く。

ゼロコロナにしたいわけではない。大きなクラスターが発生しないようにすることが重要だ。感染リスクの高い場面での人数制限に、みんなが協力することが求められている。》

尾身は、自分の唱えた「行動規制」が批判されているいう被害妄想に落ち込んでいる。これが「ゼロコロナにしたいわけではない」という言葉ににじみ出ている。そして、つぎのように言う。

《今回は感染拡大スピードが速いから「先手を打つ」という先手を、今までよりもう一歩早く打たないと、あっという間にピークが来る。ピークが来るとだらだらと重症者、入院者が増えることは欧州の例でわかっている。今回、いろんな対策はとにかく早めに打った方がいい。》

また、「わかっている」という不機嫌な言葉がでてくる。

《4人ぐらいとか、いつも一緒にいる人と静かにやって、話すときはマスクをする。そういう行動をしてもらえば、店を閉める必要はないと思う。》

《東京都が4人としているから例に挙げた。4人という数字を議論したわけではない。》

《今回はなんでも全部やめるということや、ステイホームも必要ないと思う。リスクの高いところに集中する。》

感染したら「ステイホーム」するか「入院する」かは当たり前のことで、感染していない人の「ステイホーム」が必要がない、と言っているのである。

飲食店だけ注意してもしかたないので、至るところで、大声でパーティーをしない、家でも職場でも注意する。そこを抑えることが極めて重要だ。》

「飲食店だけ」の「だけ」に注意してほしい。どこにも感染の危機があると言っているのだ。

《家族やいつも一緒にいる人とはいいけれど、同窓会は年に1度しか会わないし、大人数はリスクが高い。酒を飲むと気が大きくなる。そういうことをみんなが注意して、この時期にやることが重要だ。》

やっぱり、成人式とか新年会が行われたことに怒っている。

重点措置を変えるということはなくて、重点措置が出たことを契機にみんながそれぞれ工夫することが、自分を守るし、おじいちゃん、おばあちゃんを守るし、社会にも貢献するということだ。》

いままで通りのことを、いままで以上に力をいれてやってほしいと言っている。

気になることもハッキリ言っている。

《なぜパッケージを、国は中止したか。オミクロン株で、ワクチンの感染予防効果はかなり低くなっている。パッケージをわれわれが提案したときは、ワクチンの感染予防効果が一定程度あり、ワクチンを打てない人は検査ということで、社会経済活動の制限を緩和するのに有効な手段だと考えた。パッケージを再開するのであれば、当初と同じようにワクチンが非常に有効で、ワクチンを打てない人は検査ということになる。》

「パッケージ」とは、個人が行動規制を受けないというために、ワクチン接種の証明や直前検査での陰性証明を使うことである。しかし、3回接種してもオミクロン株の感染を予防できないから、「パッケージ」は役にたたないと言っているのである。

重症化しないということと、感染を広げないということは別である。感染を広げないために「パッケージ」が提案され、その効果がないので中止されただけである。

なにか、尾身会長の取材は非常に険悪な雰囲気で行われ、まったく実りのないものになったようである。記者はおだてて本当のことを聞き出すものと思うのだが。



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