私自身を含め、新型コロナの騒ぎで、ほかの問題からみんなの目をそらされている。新型コロナ対策は大事な問題だが、トンデモナク腐りきった安倍晋三が政権の座にすわりきっていることを、忘れてはならない。
きのう、3月23日のBS TBSの『報道1930』で、森友問題への安倍とその妻の関与を隠すために、財務省近畿財務局職員の赤木俊夫が公文書の改ざんを上司に強要され、財務省幹部や特捜に追い込まれて自殺したことを、新型コロナを押しのけて、取り上げた。この判断を私は評価する。
番組のゲストは、自民党参院議員の林芳正、元NHK記者の相澤冬樹、弁護士・元検事の若狭勝であった。
本当のことをいえば、日本にとって、東京オリンピックが新型コロナで中止であろうと延期であろうと、そんなことはどうでも良い。そんなのは、安倍晋三が目くらましに仕組んだ猿芝居にすぎない。今年の夏にオリンピックが行えないことは、誰の目にも明らかだ。それより、新型コロナの早期診断と治療の体制を整えるべきだ。
赤木俊夫の妻は、3月18日、国と改ざんを事実上指示したとされる財務省の佐川元理財局長に、1億1000万円余りの損害賠償を求める訴えを大阪地方裁判所に起こした。そして、残された3通の遺書を公開した。
翌日の国会で、森友問題に端を発した公文書改ざんの再調査の要求にたいし、安倍首相と麻生財務大臣は「財務省が2年前に出した報告書で調査は尽きている」「自死した赤木さんの手記に新事実はない」と言い張り、再調査を拒否した。
そのうえで、安倍は「真面目に職務に精励していた方が自ら命を絶たれたことは、痛ましい出来事であり、本当に胸が痛む思いだ」と述べた。なんと遺族の心を踏みにじるものだろう。前にも、赤木の妻は麻生に亡き夫の墓に線香をあげて欲しいと訴えたが、それも拒否されたという。
この問題をずっと追ってきた元NHK記者の相澤冬樹は、遺書につぎのような「新真実」が書かれており、第3者による再調査が必要だと指摘している。
「すべて、佐川理財局長(当時)の指示です。」
「本省理財局中村総務課長(当時)をはじめ田村国有財産審理室長などから(近畿財務局の)楠部長に直接電話があり、(改ざんに)応じることはやむを得ないとし、美並近畿財務局長(に)報告したと承知しています。」
「美並局長が全責任を負うと言っていました。」
「(会計)検査院への説明は「文書として保存していない」と説明するよう事前に本省から指示がありました。」
「平成30年2月の国会で(中略)麻生財務大臣や、太田理財局長(当時)の説明(中略)は、明らかに虚偽答弁なのです。」
これらは、公開された報告書にはないと相澤はいう。
元衆議員で元検事の若狭弁護士は、公文書改ざんを財務省ぐるみで行ったのは重大な犯罪で、国民のひとりとして、個人として、大阪高検に告発したという。ところが、不起訴にされて終わったという。
「新しい真実がない」と安倍や麻生が言うのは、彼らが読んだ報告書にはその事実が すでに 書かれていたからではないか、と若狭は言う。
赤木の妻は、安倍首相らが再調査しない考えを示したことについて、「安倍首相らは調査される側で、再調査しないと発言する立場ではない」とし、「第三者委員会を立ち上げてほしい」と3月23日に訴えた。
3月22日のJBpressで、伊東乾は、「…森友学園を巡る公文書改ざんに関与させられて追い詰められ、心を病み、2018年3月7日自ら命を絶った」と簡単に言い切れない、特捜部のすざましい追い詰めがあったのではと言う。残されたメモから、特捜が全責任を赤木ひとりに押し付けようと、したと伊藤は推測する。
2017年6月23日に赤木以外の全員が配置転換され、また、森友問題関連の資料がすべて処分されてなくなった。そして、6月28日18:30に大阪地検特捜部が来庁し、改ざんだけでなく、籠池に便宜を図ったと、赤木を追い詰める。
赤木はメモにつぎのように書く。
「問題の土地取引があったとき、(赤木は)当該部署に配置されていません。したがって、土地の取引そのものについては何も知りません。知っているのは「改竄」だけで、これについては、極めて不本意ながら「実行犯」にさせられてしまっていた…。」
特捜部は赤木に全責任を押しつけようとして、自殺に追い込んだのだという。そして、それに失敗すると、いまは、全責任を籠池夫妻に押し付けている。
伊東はつぎのように言う。
「しかし、精神科の加療を受けつつ自殺(未遂を含む)した人を身近にもつ一個人として思うのは、これはいわゆる、疾病に基づく「発作的・衝動的な希死念慮」ではないということです。冷静な意識を最期まで保ったままの、覚悟の自殺、「憤死」と呼ぶしかない、凄まじい最期だった。」
安倍晋三が東京オリンピックのために良くやった などと たわごとを言わず、もっと怒らないといけない。