千載集・恋歌にこの歌がある。(岩波版大系、緑本)
洩らさばや 忍びはつべき 涙かは
袖のしがらみ かくとばかりは 源有房(千載和歌集 11-0680)
切ない恋の涙が川となって流れ落ちる。その流れを止められるか。(いやいや、とてもとても)
「涙」が核になって、「涙川」「(反語)かは」が掛詞、それに「洩る」が縁語。
「涙」と「袖」が対語、「しがらみ(柵)」は「川」の縁語。
「かく」は「(袖を)掛く」と「斯く(=これほどまでに)」の掛詞。
類似歌として拾遺集・恋歌に
涙川 落つる水上 早ければ
せきぞかねつる 袖のしがらみ 紀貫之(拾遺和歌集 14-0876)
がある。(岩波版大系、緑本)
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