青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

続・ベニシジミ物語 1(はじめに)

2011-03-15 14:55:17 | チョウ






ここしばらく植物の話題ばかり続けてきたので、この辺りでチョウの話題もアップしておこうと考えたのですけれど、といって、写真の整理途上のため、まとまった形での紹介が出来ません。そこで、(植物の時のレンゲソウのように)いつものごとく、ピンチヒッターはベニシジミ。もう何度も同じ題材を紹介してきたので、またか、と思われるでしょうが、御勘弁下さい。確か以前にも再録した、『中国のチョウ』の解説文を、しつこく繰り返して紹介させて頂きます。

『中国のチョウ』の中で、もっとも力を注いで記述したのが、このベニシジミの仲間の♂Genitalia(外部生殖器)構造比較による系統関係の再検討です。我ながら、良く出来た報文だと自負しています。しかし、その数年後、僕とは別個に分類再検討を発表した某一流大学の若手エリート研究者に、僕の報文を(その存在を知りながら)完全無視される、という扱いを受けてしまいました(従って僕のほうも、今後彼の論文に従っての系統体系は一切引用せず、僕自身が行った検証のみに沿って記述していきます)。プロの研究者が、アマチュアの仕事を意図的に排除しようとすることは、昆虫の世界にしろ植物の世界にしろ、毎度のことで、いまさら驚くに値しないのですが、(客観的な心情としても)哀しくなってしまいます。機会があれば、そのような例(山ほどあります)だけを集めて紹介するのも面白いかも(笑)。

というわけで、彼の行いに対しては、少なからずの憤りを感じていますが、間に立って頂いた(かつ僕がベニシジミの仲間の分類を行うきっかけを与えて下さった)柴谷篤弘博士には、大変申し訳ない思いでいます。そのことに関しては、友子さんの問題とも係わってくるため、そのうちに「朝と夜の狭間で」の一環で、述べて行く機会があるかも知れません。

ベニシジミの仲間のゲニタリアは、単に顕微鏡で検鏡して作図をすれば良いというものではありません。欧米や旧・ソビエトの研究者の報文・論文には、多くの詳細なゲニタリアが図示されていますが、いずれも外観と末端構造のみを(こと細かく)表示したものに過ぎず、肝心の分類指標とされるべき形質には、全くと言って良いほど触れられていません。

ベニシジミの仲間の系統分類に際しては、このグループの特徴でもある、ペニスを支えるユクスタという部分(人間で言えば股関節のようなところ)の、周辺形質との相関を含めた検証が必要で、極めて微少で立体的な構造を成しているため、普通に検鏡しただけでは、その正確な姿は浮かび上がって来ません(前もって基本的な構造を完全に把握しておく必要があります)。ちなみに、一言で“細部”といっても、本質的で(系統分類を行うに当たって)重要な指標となる“安定した細部”と、“顕著に変化する末端的な細部”があって、後者のほうが目立ちやすいため、往々にしてそちらのほうに目が行きがち、そのため誤った系統関係を構築してしまうのです(上記研究者は、そのあたりはきちんと把握していることと思われますが)。

現在、手元に実体双眼顕微鏡がないため、作図が叶わないのですけれど、近い将来、新しい手元に実体双眼顕微鏡が手に入り次第、いの一番に行うことにし、今回は『中国のチョウ』の再録・再編ということで進めて行きます。(以上2011.3.4記)

♂外部生殖器構造比較の解説は、『中国のチョウ』における記述内容をそのままに、文脈を入れ替えて(“外部生殖器の構造→分類群”から“分類群→外部生殖器の構造”)行いました。種名は、学名と和名を併記(『中国のチョウ』では数字記号で統一)し、外部生殖器各部分の簡単な説明を()内に付記しました。また、その他の観察事例についても、原則として、語調の変更のみを行い、『中国のチョウ』記述文をそのまま引き写しました。注約を付した部分は文中に*印で示し、新たな観察については、末尾に『追記』として記述しました。

(以下、『中国のチョウ』からの改編転載)

ベニシジミ族の雄外部生殖器(交尾器)の基本構造について(*に記した各部位の説明は、今回新たに記述、参考書を見ずに書いたため、思い違いや綴りの間違いがあるかも知れません、それらについては、判明次第訂正していくことにします)。

■Juxtaは大型で、翼や基底部が発達し、valvaのcostaやsacculusと強い連接機能を持ちます(2つの主翼が後方に伸長し、その左右に「袖」状の側翼を生じ、左右のvalvaのcostaに連接、juxta本体中央の腰の部分より基方は、ふつう前方・後方・前方の順に屈曲して、基端の「saddle」でvalvaのsacculiと連接しています)。
*Juxta=Phallusを支える板状部、各部位へ派生する筋肉により、♀の膣溝内への挿入時に際してのphallusの前後動をはじめ、外部生殖器全体の連動を司ります。小さく目立たない器官のため、しばしば作図などに際して省略されることがあります。ベニシジミの仲間に於いては、2重に重なるように折れ曲がったり、数対の翼を生じたりするなど、立体的で複雑な構造を成し、この仲間の系統分類に際し重要な指標形質となります。
*Valva=♂外部生殖器のなかで最も目立つ部分です。Vinculumの両側縁から対になった板状で後方へ派出し、通常内面に様々な機能形質を伴います。交尾に際し、juxtaからの筋肉により収縮して♀の腹部を挟みます。
*Costa=Valvaの背縁基部。通常、dorsum基部下縁から下垂する一対の遊離突起appendix angularisに連節しています。
*Sacculus=Valvaの腹縁基部。Juxtaを挟み、左右(複数形sacculi)で連節します。カラスシジミ族などに於いては、sacculiが一体化して、juxtaの代わりを成しているように思われます。

■Phallusはやや細長く、先端が細まって鋭く尖ります。Subzonal sheathとsuprazonal sheathの長さはほぼ等しく、suprazonal sheathの背面にperi-vesical area(膣内挿入時に反転)が広く開き、vesica内にはふつう1個のcornutus(骨状突起)を生じます。Ductus ejaculatoriusは、subzonal sheath背面を広く覆っています。
*Phallu=Penisと同義。Suprazonal sheathと、subzonal sheathから成る。
*Subzonal sheath=Phallusの基半部で、第8節腹抗内に陥入する。
*Suprazonal sheath=Phallusの後半部で、交尾時に♀の膣内に挿入され一部が反転し内面が露出する。
*Ductus ejaculatorius=Subzonal sheath背面の膜質部で、輸精管が中に通っています。

■Dorsumは本体(第9節のtegmenと第10節のuncus)がほとんど発達せず、一対のヘラ状に伸びたsociiと、その基部から外側に向かって伸長する細長いfalxによって代表されます。Vinculumは細長く、しばしばその背方で後方への出張りを生じ、saccusが明瞭に存在します。
*Dorsum=Vinculum上縁の肛門の周囲を覆う洞溝状部分の総称。
*Tegmen=第9腹節のdorsumに接し、通常は第10腹節背縁に前後に伸長します。
*Uncus=Tegmenの後方の第10腹節に、通常膜質部(fenestrula)を介して連節します。
*Socii=Uncusから生じる一対の遊離突起、単数形socius。
*Falx=Tegmenとuncusの連節部付近の腹縁から生じる一対の遊離突起。Gnathosと呼ばれる部分と相同の機能を持つと思われ、タテハチョウ科などでは、しばしば左右が連節して肛門の下縁を取り囲む溝洞状を呈します。
*Vinculm=第8腹節と連節する輪状骨格。
*Saccus=Vinculmの下端が腹節(第8節)内に陥入した部分。

100種近い種がほぼ全世界にわたって分布していますが、ユーラシア大陸北半部と北米大陸でその大半を占め、アフリカ大陸・熱帯アジア・ニューギニア・ニュージーランド・中米には1~数種ずつ、オーストラリアと南米には全く分布を欠きます。ベニシジミ族単独でベニシジミ亜科LYCAEINAEとされ、属および亜属の分類についてはShibatani(1974)の再検討があり、本書でも大筋においてそれに従っています。(*『中国のチョウ』で「知られている食草は全てタデ科」と記したのは明らかな間違いで、北米産にはツツジ科のブルーベリーなどを食する種もあります)

なお、Eliot(1973)は、本族を北方のLycaena sectionと南方のHeliophorus sectionに分け、Shibataniもそれを踏襲しています。外見上、両sectionの種はかなり異なった印象をうけ、一般的にも異質の群と理解されているよですが、基本構造上の有意差はなく(*Juxtaとその周辺部分を除く♂外部生殖器の基本構造は、「Lycaena」「Heliophorus」の別を問わず極めて安定しています)、印象上の先入観からなされた慣例以外には、ことさら両群を分割する必然性はないものと思われます。これまでLycaena属群とHeliophorus属群を分ける根拠とされてきた大半の形質は、狭義のHeliophorus属(注:ウラフチベニシジミHeliophorus.ilaやHeliophorus epiclesなど)に固有の特徴で、Heliophorus sapher以下の各種には当て嵌まりません。したがって本書(「中国のチョウ」)では、sectionを分けずにおく処置をとっています。

中国大陸からは20種前後が知られ、うち本書には9種の生態写真を掲載しました(*2010年の時点で11種撮影、当ブログでは北米産3種を加えた14種を紹介しました)。この9種は、Shibataniに従えば(注:刊行後に頂いた柴谷篤弘氏の私信によればオオベニシジミ亜属の学名は変更されている由、今手元にその資料が見つからないので、暫定的に旧学名のまま記述しておきます)、Lycaena sectionのベニシジミ属Lycaenaベニシジミ亜属Lycaena(ベニシジミphlaeas)、同・オオベニシジミ亜属Rapsidia(ミヤマムラサキベニシジミstandfussi)、ムラサキベニシジミ属Helleiaの未記載亜属(メスアカムラサキベニシジミtseng、シロオビムラサキベニシジミpang、オナガムラサキベニシジミli)、Heliophorus Sectionのウラフチベニシジミ属Heliophorusウラフチベニシジミ亜属Heliophorus(ウラフチベニシジミilaまたはepicles)、同・未記載亜属(サファイアフチベニシジミsaphir、キンイロフチベニシジミbrahma、フカミドリフチベニシジミviridipunctata)に分類されます。

9種中、雄交尾器の基本形状が完全に一致し、明らかに同一分類群に含めることができるのは、キンイロフチベニシジミHeliophorus brahmaとフカミドリフチベニシジミHeliophorus viridipunctataのみではないかと思われます。Helleia pangとHelleia liも、phallusの形状などにやや明瞭な相違点を示すことを除き、全体としては共通部分が多く、同一分類群に含めてもよいでしょう。Helleia pangやHelleia liといくらかの共通形質をもつHelleia tsengは、顕著な相違点もより多く有し、同一分類群への帰属が妥当であるかどうかについては、さらに検討しなくてはなりません。

(前途したように)Heliophorus ila以下の各種については、これをHeliophorus種群(section)としてまとめ、Lycaena種群(section)に対置させる考えには、僕は必ずしも賛成ではありません。Sacculusが伸長し、sociusが鈍頭の舌状でなく先端が尖り、juxtaのsaddleの部分が幅広く主翼と重なるなどの傾向を示すことから、これを共有新形質として単系統群と見なすことも可能(もっとも、どの形質も互いに例外を有しています)かも知れないのですが、それらの形質がSectionを分けるほどの重要な構造上の意味をもつとは、僕には思えません。

それはさておき、Lycaena群の分類のバランスからすれば、少なくともHeliophorus ila(およびepiclesなど近縁各種)とHeliophorus.saphir・Heliophorus.brahma・Heliophorus.viridipunctataは、別属に置かれて然るべきでしょう。また、後3者のうち、Heliophorus.sapherとHeliophorus brahma+Heliophorus.viridipunctataも、それぞれ別亜属を設置するのが妥当と思われますが、両者を介在する形質(後述)を有したアオミドリフチベニシジミHeliophorus androcles(ヒマラヤ地方から中国大陸西南部に分布)などの存在を考えれば、どのような扱いをとるべきか苦慮するところです。





↑ミャンマー国境近くの雲南騰沖の街のショボクレた雑貨屋に売っていた紙コップ、むろん購入しました。まさにベニシジミ(ただし未知の種!)です。雰囲気は実によく出ていて、実際にこのような種がいても、おかしくは無いと思われる程の秀逸さです。


第1回 (はじめに)
第2回 マルバネフチベニシジミHeliophorus(a sub-genus)sp. ①
第3~4回 サファイアフチベニシジミHeliophorus(a sub-genus)saphir ②⑲
第5~6回 キンイロフチベニシジミHeliophorus(a sub-genus)brahma ③
第7~9回 フカミドリフチベニシジミHeliophorus(a sub-genus)viridipunctata ④⑮
第10~11回 アオミドリフチベニシジミHeliophorus(a sub-genus)androcles ⑤
第12~22回 高黎貢山A(百花嶺、地図、ハゴロモⅠⅡⅢ、蝶、植物ⅠⅡ、大瀑布と露天温泉、ヒグラシ、アジサイ)
第23~25回 高黎貢山B(原生林と菜の花畑、騰沖翡翠城、桜谷露天温泉、界頭から大塘を経て世界一石楠花の探索)
第26回 ウラフチベニシジミHeliophorus(Heliophorus)ila ⑥⑳
第27回 ベニシジミLycaena(Lycaena)phlaeas ⑦
第28回 ミヤマムラサキベニシジミLycaena(Rapsidia)standfussi ⑧
第29回 メスアカムラサキベニシジミHelleia(a sub-genus)tseng ⑩⑰
第30回 シロオビムラサキベニシジミHelleia(a sub-genus)pang ⑨⑯
第31回 オナガムラサキベニシジミHelleia(a sub-genus)li ⑪⑱
第32~33回 アメリカムラサキベニシジミLycaena(Epidemia)dorcas(北米産) ⑫
第34~35回 ブルーベリーベニシジミLycaena(Epidemia)mariposa(北米産) ⑬
第36~37回 キララタカネベニシジミLycaena(a sub-genus)cupreus(北米産) ⑭
第38回(補遺)ミャンマー産各種について


末尾の数字は、対応写真の通し番号(上段から下段へ、左から右へ。⑮および⑬右個体は♀、⑯~⑳は翅裏面)。

*学名:属・亜属は暫定的。大半は古い文献からの引用で、現在では変更や組み換えが成されている可能性があります(ウラフチベニシジミについてはilaとepiculesの2つの近縁種のうちilaを当てましたが、epiculesとすべきかも知れません)。
*和名:大半は、その時点で和名が付けられていなかったため、僕自身の作成によります(「中国のチョウ」を踏襲)。





↑マルバネウラフチベニシジミとシロオビムラサキベニシジミ 雲南省迪慶蔵族自治州徳欽県梅里雪山雨崩村



(以下、追記です)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

中国産ベニシジミ類の分布について

●北部~東北部産には、オオベニシジミLycaena(Rapsidea)disper、ムラサキベニシジミLycaena(Helleia)helleなど、ユーラシア大陸北部に広域分布種する幾つかの種が分布しているはずですが、僕は北京を含む中国北部をほとんど訪れたことがなく、手元に文献もないので、詳細は解りません。ちなみに、現時点で僕が中国で撮影・調査活動を行った地域の北限は、山東半島(煙台市周辺とツーボウ市周辺)。以下、それ以南の地域(北緯38度~20度、チベット・ウイグル両自治区を除き、ベトナム・ラオス北端部、および台湾のにおける探索と、ミャンマーのピンウーリン博物館所蔵資料を含む)産についての概要を記します(詳細については各種の項目を参照)。

●ベニシジミLycaena(Lycaena)phlaeas。ほぼ全域(台湾やインドシナ半島地域を除く)に分布する可能性もありますが、東北部以外では、おそらく東部を除いては極めて稀だと思います。浙江省杭州西郊では、サファイアフチベニシジミと、雲南省香格里拉では、メスアカムラサキベニシジミと、同一地点で観察・撮影しています。

●サファイアフチベニシジミHeliophorus saphir。僕自身は、四川省成都市西郊と、長江河口近くの浙江省杭州市西郊で観察・撮影しています。四川省西部のチベット・雲南省境に近い地域や、雲南省、チベット自治区、ヒマラヤ地域、インドシナ半島北部などにも記録があるようですが、アオミドリフチベニシジミほかとの誤認同定も混じっている可能性が高く、確実な分布域は、長江中~下流域周辺地域に限られるのではないかと思われます。

●ミヤマムラサキベニシジミLycaena(Rapsidia)standfussi。四川省西部・雲南省北部(およびチベット自治区東部・青海省にかけて)の5000~7000m級山岳地帯の、標高4000m前後の高山礫地帯に広い範囲に分布するものと思われます。中国産ベニシジミ族で最も高標高地に棲息し、他の各種とは混棲しないものと思われます。

●シロオビムラサキベニシジミHelleia pang、オナガムラサキベニシジミHelleia li、メスアカムラサキベニシジミHelleia tseng、キンイロフチベニシジミHeliophorus brahma、フカミドリフチベニシジミHeliophorus brahma、アオミドリフチベニシジミHeliophorus androcles(便宜上、前3者はHelleia属、後3者とサファイアフチベニシジミは、Heliophrus属に含めましたが、その是非については今後の検証を待たねばなりません)。以上6種の分布域は、広視的にはほぼ重なり、四川省西部・雲南省を中心に、一部、チベット東部・ヒマラヤ東部・インドシナ半島北部を加えた地域に及ぶと思われます。狭視的には、Helleia属3種が比較的高標高地、Heliophrus属2種が比較的低標高地を、分布の中心としているようです。アオミドリフチベニシジミは分布域が最も西寄りで、雲南省からインドシナ半島北部やヒマラヤ地域に及んでいます。

●ウラフチベニシジミHeliophorus ila(またはepicles)。暖地性・南方系の種で、台湾に分布する唯一のベニシジミ族の種。中国大陸では、おそらく長江流域以南に広く分布し、より南部・低標高地では、本種の単独(あるいは本群の複数種?)分布となるものと思われます。

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いずれにしろ、四川省西部・雲南省では、各地域(ほぼ同一地点)で3~6種のベニシジミ族の種が混棲しているようです。
Helleia属3種の多い、雲南省中部の大理蒼山や、北部の梅里雪山、あるいはサファイアフチベニシジミの産地、成都西郊地域や、杭州西郊地域、およびウラフチベニシジミやキンイロフチベニシジミの見られるベトナム北部(サパ)などについては、これまでにも度々紹介してきたこともあり、棲息環境などの紹介は最小限に留めました(今後、改めて詳細な紹介を行う予定でいます)が、これまで余り紹介していなかった雲南省西部の高黎貢山については、アオミドリフチベニシジミの探索紀行と併せ、20回ほどの(ベニシジミ類とは直接関係の無い)項目を追加挿入しておくことにします。

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このシリーズで紹介する写真は、出来得るなら初出のカットが望ましいと思ってはいるのですが、膨大なオリジナル写真群から改めて選び出す時間的余裕がなく、結果として(手元に揃っている)以前に紹介済みのカットを多く使用することになってしまいました。将来、一部を未発表写真に差し替えることもあるかも知れません。





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2006.11.6 屋久島モッチョム岳 アズキヒメリンドウ 1

2011-03-15 14:48:27 | 屋久島 奄美 沖縄 八重山 その他




フィルム(デジタル)を整理していたら、数年前に屋久島モッチョム岳で観察・撮影した、ヘツカリンドウ(アズキヒメリンドウ)の写真が出て来ました。はじめの予定では、昨年末~正月明けの伊平屋島での調査結果を詳しく紹介していくつもりだったのですが、順序を逆にして、この機会に屋久島産を紹介していくことにします(一部写真は紹介済み)。デジタル以前に撮影したカットなども紹介していきたいのだけれど、いかんせんフィルム(ポジ)が見つかりません。それらはまたの機会に、ということで。このあと、奄美大島、沖縄本島と、まとまり次第アップし、その後で今回の伊平屋島に於ける詳しい報告、ということになります*。

*台湾産を含めた、ヘツカリンドウ(広義)についてのまとめは、近く「青山潤三ネイチャークラブ」のほうでアップする予定。アップの日にちが決まり次第報告しますので、そちらもよろしく。

「あや子版」のほうは、ヘツカリンドウだけでなく、その日の撮影行における様々なカットも一緒に紹介していきます。今後、前回(「レンゲソウ」)や今回のスタイル同様に、“年月日(1975.4.13~2011.1.18)+地域(南西諸島や中国や台湾や東南アジアや北米の各地)”をタイトルとした、「探索行リプレイ・シリーズ」でやって行くつもり。当面、「野生植物図鑑」「蝶類生態図鑑」「セミ」「アジサイ」「屋久島はどこにある」「中国旅行情報」「My Sentimental Journey」などに関連するテーマも、一緒くたにぶち込んでしまおうと考えています(一応毎回、植物各種、昆虫各種、その他のテーマあり)。

写真が主体となるので、文章は原則簡単なコメント程度にしておくつもりですが、時には、長めの考察やトピックや総説なども、臨機応変に付け加えて行くことになると思います。ということで、今回の「アズキヒメリンドウ」も、なるたけ短いコメントのみで、進めて行きたいと考えています。

(第1回)ヤッコソウ


屋久島の11月は、ベストシーズンかも知れません。山麓では、秋から早春にかけての花が咲き競い、ツマベニチョウが最も活発に飛び交うのもこの頃から。下旬になると山上では冠雪が始まります。固有種のホソバハグマやカンツワブキの開花盛期もこの月です。台風の季節がおわり、穏やかな天候の日もしばしば。今日も朝から快晴です。安房川の橋の上で河口を眺めながらぼんやりしていたら、「そろそろヘツカリンドウが咲いているかも、モッチョム岳に登ってみよう」と、突然思い立ちました。







登山前に、鯛之江河口のトローキの滝(直接海に落ちる滝)を訪ねて見ました。途中の道は、ウバメガシ(最後のほうでもう一度登場予定)のトンネルです。







登山口のところで石コロとかいろいろと売っている外国人(ドイツ人だっけ?)のおじさん。麓に家を借りて住んでいます。








登山口の千尋滝展望台脇の斜面で、ヤッコソウ(ヤッコソウ科)を見つけました。
















展望台と鯛之江の間の急斜面(ほとんど絶壁)には、様々な稀産植物が咲いています。ヤクシマノギク(キク科)もその一つ。
















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