★続・ベニシジミ物語 1(はじめに)に追加をしました。
(写真上から)マルバネフチベニシジミ♂/♀/裏面 雲南省徳欽県梅里雪山雨崩村(標高約3200m) 2009.6.12-13
(第2回)マルバネフチベニシジミHeliophorus sp.
梅里雪山のみに分布する稀産種と思われ、おそらくすでに記載されているのでしょうが、僕はまだチェックし得ないでいます。将来、(実態双眼顕微鏡が手に入り次第)ゲニタリアの作図・解説と併せ、(もし記載が成されていれば)原記載報文などを紹介する予定でいます。
この蝶の撮影エピソードについては、以前「あや子版」(梅里雪山/ベニシジミの仲間①~⑨/2009.6.25~6.28)に、リアルタイムで紹介しています(和名を「マルバネサファイアフチベニシジミ」としています)。以下、その時の記事を、再掲載しておきます(一部省略)。
梅里雪山の懐、6000m級の氷雪の峰々が、緑の樹林に覆われた集落を取り囲む、雨崩(ユイボン)村こそ、“理想郷”の名にふさわしい地です。ただし、そこに辿り着くまでの苦労は、並み大抵ではありません。標高3100mのシャングリラから丸一日バスに揺られ、標高2000mの長江流域の町・迸子欄(昨年の夏、ミンミンゼミ“祖先種”を調査した所)に一度下り、白芒雪山の標高4300mの峠に登り、雲南省最奥の町・徳欽(標高3200m)を経て、再び標高2000mのメコン河流域に下り、西当温泉(標高2700m、温かいお湯が出ます)から徒歩で、標高4000mの峠へ、そして急坂を下って、上崩村(標高3300m)に辿り着きます。
上崩村の集落のすぐ傍の草原で、2種のベニシジミを見つけました。ひとつは、シロオビベニシジミ(と僕が名前を付けている)Helleia pang。外観は日本のベニシジミLycaena phlaeasに似ていますが、一応別属になっています(*本シリーズ第23回に紹介予定)。もうひとつは、四川省成都市近郊の青城山や、浙江省杭州市近郊の天目山で撮影したことのある、サファイアフチベニシジミHeliophorua saphirによく似た種。春型(この地域の紀行から推察して、年一回の発生)の特徴を示していますが、サファイアフチベニシジミでは短いと言えども明確に現れる後翅の尾状突起を、完全に欠きます(多数の個体で確認)。よく似た(♂の翅表が様々な色彩の)いくつもの種が存在するので、サンプルを日本に持ち帰って、外部生殖器の構造を調べてからでないと、このチョウの種名を特定するわけにはいきません。
前日、同じ草原で出会っていたのですが、先を急いでいたため、余り良い写真は写せないでいました。翌日の、滞在最終日(その日のうちに町に戻らねばならぬため、昼過ぎには出発)の出発前に撮影するつもりでいたのだけれど、それまで晴れていたのが、いざ撮影にかかろうとしたら、雨になってしまった。雨の中、花の上に多数の個体が翅を閉じて止まっているの(前の写真)ですが、陽が差さないと、翅を開きません。後は我慢比べ。タイムリミットになろうとした寸前、かすかに日差しが当たり、それとともに、おもむろに翅を開いてくれて、無事に撮影出来たのが、この♂翅表の写真です。
(*和名は、マルバネサファイアフチベニシジミと付けたのですが、少々長すぎると思うので、マルバネフチベニシジミに変更します)。
↑マルバネフチベニシジミ(2段目左2枚♀、その他は♂)雲南省徳欽県梅里雪山雨崩村(標高約3500m) 2009.6.12-13
↑奥の峰は、太子峰6054m。左下に見えるのが、2つある集落のうちの「下崩村」。そのうちに雨崩村の特集をする予定です。
↑こちらは「上崩村」。写真左奥の辺りに、マルバネフチベニシジミを撮影した草原があります。
↑マルバネウラフチベニシジミのいた草原の一角。
↑梅里雪山山脈の4つある6000m峰の一つ。草原の上に多い被るように迫ります。
↑(写真上から)マルバネフチベニシジミ♂/♀/裏面 雲南省徳欽県梅里雪山雨崩村(標高約3200m) 2009.6.12-13
↑雨崩村に下る峠道から見上げる太子峰6054m。
(写真上から)マルバネフチベニシジミ♂/♀/裏面 雲南省徳欽県梅里雪山雨崩村(標高約3200m) 2009.6.12-13
(第2回)マルバネフチベニシジミHeliophorus sp.
梅里雪山のみに分布する稀産種と思われ、おそらくすでに記載されているのでしょうが、僕はまだチェックし得ないでいます。将来、(実態双眼顕微鏡が手に入り次第)ゲニタリアの作図・解説と併せ、(もし記載が成されていれば)原記載報文などを紹介する予定でいます。
この蝶の撮影エピソードについては、以前「あや子版」(梅里雪山/ベニシジミの仲間①~⑨/2009.6.25~6.28)に、リアルタイムで紹介しています(和名を「マルバネサファイアフチベニシジミ」としています)。以下、その時の記事を、再掲載しておきます(一部省略)。
梅里雪山の懐、6000m級の氷雪の峰々が、緑の樹林に覆われた集落を取り囲む、雨崩(ユイボン)村こそ、“理想郷”の名にふさわしい地です。ただし、そこに辿り着くまでの苦労は、並み大抵ではありません。標高3100mのシャングリラから丸一日バスに揺られ、標高2000mの長江流域の町・迸子欄(昨年の夏、ミンミンゼミ“祖先種”を調査した所)に一度下り、白芒雪山の標高4300mの峠に登り、雲南省最奥の町・徳欽(標高3200m)を経て、再び標高2000mのメコン河流域に下り、西当温泉(標高2700m、温かいお湯が出ます)から徒歩で、標高4000mの峠へ、そして急坂を下って、上崩村(標高3300m)に辿り着きます。
上崩村の集落のすぐ傍の草原で、2種のベニシジミを見つけました。ひとつは、シロオビベニシジミ(と僕が名前を付けている)Helleia pang。外観は日本のベニシジミLycaena phlaeasに似ていますが、一応別属になっています(*本シリーズ第23回に紹介予定)。もうひとつは、四川省成都市近郊の青城山や、浙江省杭州市近郊の天目山で撮影したことのある、サファイアフチベニシジミHeliophorua saphirによく似た種。春型(この地域の紀行から推察して、年一回の発生)の特徴を示していますが、サファイアフチベニシジミでは短いと言えども明確に現れる後翅の尾状突起を、完全に欠きます(多数の個体で確認)。よく似た(♂の翅表が様々な色彩の)いくつもの種が存在するので、サンプルを日本に持ち帰って、外部生殖器の構造を調べてからでないと、このチョウの種名を特定するわけにはいきません。
前日、同じ草原で出会っていたのですが、先を急いでいたため、余り良い写真は写せないでいました。翌日の、滞在最終日(その日のうちに町に戻らねばならぬため、昼過ぎには出発)の出発前に撮影するつもりでいたのだけれど、それまで晴れていたのが、いざ撮影にかかろうとしたら、雨になってしまった。雨の中、花の上に多数の個体が翅を閉じて止まっているの(前の写真)ですが、陽が差さないと、翅を開きません。後は我慢比べ。タイムリミットになろうとした寸前、かすかに日差しが当たり、それとともに、おもむろに翅を開いてくれて、無事に撮影出来たのが、この♂翅表の写真です。
(*和名は、マルバネサファイアフチベニシジミと付けたのですが、少々長すぎると思うので、マルバネフチベニシジミに変更します)。
↑マルバネフチベニシジミ(2段目左2枚♀、その他は♂)雲南省徳欽県梅里雪山雨崩村(標高約3500m) 2009.6.12-13
↑奥の峰は、太子峰6054m。左下に見えるのが、2つある集落のうちの「下崩村」。そのうちに雨崩村の特集をする予定です。
↑こちらは「上崩村」。写真左奥の辺りに、マルバネフチベニシジミを撮影した草原があります。
↑マルバネウラフチベニシジミのいた草原の一角。
↑梅里雪山山脈の4つある6000m峰の一つ。草原の上に多い被るように迫ります。
↑(写真上から)マルバネフチベニシジミ♂/♀/裏面 雲南省徳欽県梅里雪山雨崩村(標高約3200m) 2009.6.12-13
↑雨崩村に下る峠道から見上げる太子峰6054m。