今回の目的の一つは、キッコウハグマAinsliaea apiculataの葉のチェック。分布南限の屋久島産は、葉形の変異が顕著で、「モミジバキッコウハグマ」「タマゴバキッコウハグマ」「マルバキッコウハグマ」等々、様々な品種名が付けられています。それらの変異を示す屋久島産(切れ込みの深い葉を持つ個体)を総称して、リュウキュウハグマA.a.var. acerifoliaと呼ぶこともあります。リュウキュウハグマは“琉球”と名は付いてはいても屋久島固有変種で、紛らわしいことに、オキナワハグマA.macroclinidioides var. okinawensisという別の種があります。オキナワハグマにはオキナワテイショウソウの別名があり、紛らわしいので僕はこちらの名を使っていますが、沖縄の人はマルバハグマと呼んでいることが多く、しかし南九州にはマルバテイショウソウA.fragrans var. interifoliaという別の種を産していることから、さらにややこしさに拍車をかけています。