青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

続・ベニシジミ物語 14【2007.7.5 雲南百花嶺】

2011-03-28 11:05:37 | チョウ




雲南高黎貢山百花嶺④「ハゴロモⅡ」























↑集団での羽化。セミの羽化と似ています。脱皮前の白い毛むくじゃら、脱皮中の肌色の個体、羽化直後の透き通った柔らかな翅の個体、少し時間が絶って色付いてきた個体、そして脱ぎ捨てた白い毛むくじゃら、から成ります。

幼虫が体を守るのが、セミの場合は土、アワフキムシの場合は泡、ハゴロモの場合は“毛むくじゃら”というわけです。


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2006.11.6 屋久島モッチョム岳 アズキヒメリンドウ 14

2011-03-28 11:01:55 | 屋久島 奄美 沖縄 八重山 その他



(第14回)キッコウハグマ

今回の目的の一つは、キッコウハグマAinsliaea apiculataの葉のチェック。分布南限の屋久島産は、葉形の変異が顕著で、「モミジバキッコウハグマ」「タマゴバキッコウハグマ」「マルバキッコウハグマ」等々、様々な品種名が付けられています。それらの変異を示す屋久島産(切れ込みの深い葉を持つ個体)を総称して、リュウキュウハグマA.a.var. acerifoliaと呼ぶこともあります。リュウキュウハグマは“琉球”と名は付いてはいても屋久島固有変種で、紛らわしいことに、オキナワハグマA.macroclinidioides var. okinawensisという別の種があります。オキナワハグマにはオキナワテイショウソウの別名があり、紛らわしいので僕はこちらの名を使っていますが、沖縄の人はマルバハグマと呼んでいることが多く、しかし南九州にはマルバテイショウソウA.fragrans var. interifoliaという別の種を産していることから、さらにややこしさに拍車をかけています。

オキナワテイショウソウの分布北限は、屋久島の北西に位置する三島列島黒島と宇治群島で、そこから口永良部島、トカラ列島の口之島、中之島、悪石島を経て、奄美~沖縄の各島に分布しますが、なぜか屋久島には見られません(逆に黒島、口永良部島、口之島などには、屋久島に産するキッコウハグマやホソバハグマは分布しない)。

それとは別に、屋久島には固有種のホソバハグマA.faurieanaが分布し、一般には、キッコウハグマを基とする、“渓流性狭葉型”の典型例として知られています。(しかし、渓流との結びつきを持つことは事実だとしても)直接の祖先的集団をキッコウハグマに見出すとするような、そんな単純な関係にはない、ということは、『屋久島の植物・第1巻・ホソバハグマとキッコウハグマ』(自費刊行、2006年)に、中国大陸南部産のアツバハグマA.walkeri、ミスジハグマA.trinervisや、沖縄本島産のナガバハグマA.oblongaなどとの関係考察を併せ、詳しく紹介していますので、第3巻の「リュウキュウイチゴ&ヤクシマキイチゴ」(ちなみに第2巻は「ヤクシマコンテリギ&コガクウツギ」)共々、興味のある方は、そちらを参照して下さい。


屋久島産キッコウハグマ(下数枚は、いわゆる“リュウキュウハグマ”)の変異。


















Ainsliaea属は最も原始的なキク科植物のひとつ。1頭花に3個の小花が付き、それぞれが5全裂するため、外観上は15枚の花弁(先端が卍状に巻く)があるように見えます。





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