★2月28日の記事に、いいね!その他ありがとうございました。
読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。
【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?
【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。
*毎回(リンドウの項目奇数回)のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。
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今日は通院日なので、福生のスタバで書いています。
中国産ヤクシマリンドウ組、あと3回、奇数回含めると5回(20~24)です。今回(予定外の記事)は進行の都合上19のBとします。
何の因果か、リンドウ科に取り組み出したものですから、最後まで完走したいと思っています。1/3ぐらいは来ているはずです。
ヤクシマリンドウ組が、予定より大幅に時間がかかっています。僕には分からないことだらけなので。
今、改めて資料(「主に中国植物志」の記述や図版)を細かくチェックしているところです。
葉や花被片や雄蕊などの、数とか大きさとか付き方とかが、詳細に列記されている訳ですが、僕は、ほとんど意味はない、と捉えています、、、、いや、正確には必要ありますね。意味もある。しかし、何度も言うように、それらを基準に してのみ「答え」を出すことは、本質から外れてしまう。全体の俯瞰を常に伴いつつ為されてこそ、意味を持ってくると思うのです。
とはいっても、研究者の人たちは、実際に僕よりも遥かに多くの対象に当たる機会があるわけだし、僕よりも遥かに時間や資金があり、知能も優れています。示された資料は、きちんと把握しておくべきだと思っています。
ということで、改めて資料を解読しているところです。
キーポイントになるのは、やはり「ロゼット・クラスター」でしょうね。
でも、僕がチェックした限りに於いて「典型ナナツバリンドウ」の(たぶん)全ての個体が備えている、そしておそらく他の集団*(何を持って「典型ナナツバリンドウ」とするのかは一先ず置き)には(少なくても顕著な状態では)存在しない、「極小ロゼット塊のクラスター」に関しては、記述がないように思えます。
その前に、ロゼット葉とは何なのか、という事について考えておかねばなりません。
もちろん、根出(根生)葉のことですね。地上にへばりつくように四方に伸びた葉の状態(「ウイキペディア」では「根出葉が円盤上に並んだような植物体」)。でも、そこから先をきちんと調べていくとなると、僕の頭脳では収拾がつかなくなってしまいます。
イメージ的には「大きく平たい」単独物体ですが、典型ナナツバリンドウのそれは、著しく小さく、層を成して重なり、クラスターを形成します。
茎が伸びる前に現れ、茎が展開した後は消滅するのかな?(それとも残る?)
いずれにしても、「ロゼット葉」と「茎葉」は別の存在だと思いますが、典型ナナツバリンドウに関しては、「ロゼット塊」の中に茎葉のオリジンが全て含まれていて、成長後には(ロゼット塊の中の各々鱗片が)茎葉に置き換わる、ように思われます。
このような存在を「ロゼット」とは言わないのではないか? といった疑問はひとまず置き(便宜上「ロゼット」で通します)、改めて、ヤクシマリンドウ組全体の、「ロゼット」状況を(僕の写した写真と「中国植物志」の記述に基づいて)チェックしていくことにします。
華麗系の(後述数種を除く)各種や、(ナナツバリンドウを含めた)輪葉系の各種については、概ねロゼット葉を欠くか、余り発達しない“Basal rosette leaves poorly developed”と記されています。少なくとも「典型ナナツバリンドウ」於ける“超小型ロゼット・クラスター”については、何一つ触れられていません*。
しかし、僕が見落としていたものもあります。一つは、(僕は出会ったことがないのですが)「密葉系」の3種のうち、大花竜胆Gentiana szechenyiiなどの2種が、異様な構造の大型ロゼットを有しているようです。
それと、華麗系の種の中にも(大花龙胆ほどではないとしても)、ロゼット葉が極めて良く発達するとされる種(2種)が示されていました。雲南省西北部や四川省にも分布するとされる蓝玉簪龙胆Gentiana veitchiorumと、チベット自治区産の聂拉木龙胆Gentiana nyalamensisです(図示もされている)。第20回の次の第22回で紹介を予定している個体群が、その「蓝玉簪龙胆」に相当するようです。
「典型ナナツバリンドウ」の極小ロゼット・クラスター同様に、複数の花茎を伸ばした株の中央部(葉腋に相当?)に生じるわけですが、形や大きさやパターンは全く違っていて、極めて大型で、細い葉が四方に長く伸び、クラスターは形成せず原則一株に一ロゼットがワンセットになっているようです(こちらは一般的なロゼットの概念に近く、同じように葉腋に生じていても「典型ナナツバリンドウ」のそれとは、気質や機能は異なるのかも知れません)。
典型ナナツバリンドウに関しては、(実生個体にも越年個体にも同じような「極小ロゼット・クラスター」が生じるのかどうか、という点は一先ず置き)成長過程で、(花茎の原型として凝縮存在していた)ロゼット葉が、展開して茎葉に移り変わっていく可能性があるわけです。
「極小ロゼット葉のクラスター」は、秋に出現し、その年の間に花茎に成長するのでしょうか? それともロゼット状態のまま冬を越して、翌年花茎となるのでしょうか?
前者だとすれば、その年の秋の時点で既に花を付けている花茎との関係は、どのようになっているのでしょうか? 一年の(それも短い秋の)間に、複数回の花茎の成長が繰り返されるのでしょうか? これから茎を伸ばし、花が咲き、受粉するには、余りに時期が遅すぎるようにも思えるのですが、、、。
といって、後者の場合、翌年まで雪に埋もれて過ごすことになるわけで、この小さな塊が過酷な状況に耐えられるのか、、、。春~夏もそのままの姿を維持し、秋になって、一気に花茎を展開する(同時に次年度の「極小ロゼット・クラスター」を準備する)。
いずれにしても、花茎への展開は一気に成されるような気がするのですが、風衝地に多数見られる、(花茎の部分をほとんど欠き)地面から直接花が咲いているようにも見える個体も、(50葉以上が数えられる)微小ロゼットから生じてきたものなのでしょうか?
それとも、花を付ける茎と、極小ロゼット・クラスターは、気質的にも機能的にも、全く別の存在なのでしょうか?
*「中国植物志」の「四葉竜胆Gentiana tetraphylla」に示されている「植物標本」の中に、「極小ロゼット・クラスター」を伴った数個体を見つけました。ヨツバリンドウは、本文での分布は「四川省西北部」となっていますが、一つは雲南省香格里拉近郊で採取された個体です。もう一つは、第6回で紹介した雪宝頂の峠と同じ場所、同じ集団のようです。
*「中国植物志」からの引用(四川省産)
*「中国植物志」からの引用(雲南省産)