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“女エルヴィス”ワンダ・ジャクソン(今年84歳)の新曲
カテゴリー:「アメリカン・ポップス」
「次のブログ記事は(別の話題アサギマダラに差し替えて先送りにしていた)イチモンジセセリ」、、、と予告していたのですが、(やはり思ったよりも難しくて)すぐに取り組むとなると、かなり気が重い、、、。それで再び別の話題を差し挟んでおきます。
ジョニー・ティロットソンの「涙ながらにIt Keeps Right On A Hurting」関連。そのカバー・ヴァージョン全アーティスト紹介を目指しているのですが、まだユーチュブにアップされていないのが幾つかあります。メジャーなところでは、ボビー・ゴールスボロ―とか、ザ・ウイルボーン・ブラザースとかは、ぜひとも聴いてみたい。それらのバージョンが、もしかしたら新しくアップされているかも知れない、というわけで、年に1~2度はユーチュブをチェックしています。
今年の春、意外なところから関連ユーチュブを見つけました。エルヴィス“フリーク”らしき、若い黒人DJによって比較紹介された、「涙ながらに」のエルヴィス・プレスリー・バージョン(ロック)とハンク・ロックリン・バージョン(カントリー)の比較です。それに対する感想をブログにアップしておきました。今回、再び意外なところからの関連情報。
ついこのあいだ、今夏リリースされた、ジョニーより一つ歳上の、今年84歳になる、ワンダ・ジャクソンの新譜です。“最後のリリース”と銘打ったアルバムの中からシングルカットされたA面曲です。
Wanda Jackson - It Keeps Right On A Hurtin’ (Audio) - YouTube
「涙ながらに」をはじめとするティロットソン作品を歌った同時代女性カントリー・シンガーとしては、“ジェーン・シェパード”“スキーター・デイヴィス”“ノーマ・ジーン”“アニタ・カーター”“ジョディ・ミラー”“ロレッタ・リン”“コニー・スミス”らがいて、錚々たる面子ですが、日本での知名度で言えば、“ワンダ・ジャクソン”が、一頭抜きんでているのではないだろうかと思います。
“女エルヴィス”ですね。1954年夏に、カントリー・トップ10ヒットの「ユー・キャント・ハブ・マイ・ラブ」。エルヴィスがポップ界に旋風を巻き起こしたのが56年、カントリーではその一年前の55年。ワンダ・ジャクソンの登場は、更にその一年前なのです。
“カントリー”と言うよりも“ロカビリー”。60年には、あのジーン・ヴィンセントをバックに、ロックン・ロール・ナンバーの「レッツ・ハブ・ア・パーティ」をポップスの方のトップ40に送り込んでいます。
61年には、後にロニー・ロブでもヒットする自作曲の「ライト・オア・ロング」、翌62年にかけては「イン・ザ・ミドル・オブ・ハートエイクス」を、カントリーとポップスでクロスオーバー大ヒットさせています(C9位/P29位、C6位/P27位)。
と言う事で、本場のポップス・メジャー・ステージでは60年代に入ってからのブレイクですが、日本では50年代半ばから“女性ロカビリー歌手”、ひいては女性カントリー&ウエスタン歌手の魁として知られています(平尾昌晃とか、ミッキー・カーチスとか、小坂一也とかの時代で、僕も知りません、リアルタイムで接していた方々は今80歳代でしょう)。以前の僕のブログでも紹介した「フジヤマ・ママ」(57年)などの、日本だけの独自ヒットもあります。
その“伝説の”と評しても良い超ベテラン女性カントリー/ロック・シンガー、ワンダ・ジャクソンの「最後のリリース」にジョニーの「涙ながらに」が選ばれたわけで、感慨深いものがあります。
付け加えておくと、共同プロデュースが、若い世代(と言っても60歳オーバー)の女性ロック歌手、82年に
ポップス。チャートで7週間に亘る1位を記録した「アイ・ラブ・ロックン・ロール」のジョアン・ジェットであることでも、注目を浴びているようです。
考えてみれば、ワンダ・ジャクソンとジョニー・ティロットソンは、それぞれ自作の「ライト・オア・ロング」や「涙ながらに」が、60年代初頭のポップ&カントリーのクロスオーバーヒットの代表曲であるわけですから、60年後とは言え、改めて取り上げられても不思議ではないと思います(ジョニーは「ライト・オア・ロング」を歌ったことがあるのでしょうか?)。
ちなみに、僕が一押しの「涙ながらに」カバーは、アマチュア?歌手“Max Phillips”バージョン。彼の歌う「ライト・オア・ロング」もユーチュブにアップされています。共に非常に素晴らしいので、是非聴いてみてください。