青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

斎藤緑雨 つづき

2022-01-01 09:19:02 | コロナ、差別問題と民主化運動、明治文学


★12月31日の記事に、いいね!その他、ありがとうございます。



読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*ブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けます。

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緑雨が一般に知られているのは、(5000円札の)一葉の盟友としてですね。一葉の緑雨評は「敵に回しても面白い、味方に付けば猶更面白い」。これほどの賛辞は無いでしょう。

24歳で亡くなるまでつけた日記の最後の一文は、「正大夫(緑雨)の気持ちもわからぬではないが、、、、」そこで途切れています。「三人冗語」の話とか、ひいては日清、日露の話とかにもかかわってきます。

緑雨は貧乏な一葉に輪をかけて貧乏だったらしいのですが、どこからどう工面したのか、一葉亡き後の家族(一葉の母と妹とその御主人)の一切の面倒を見ています。結局緑雨も病と貧乏には勝てず瀕死するのですが、一葉から預かっていた日記を、友人の馬場孤蝶に託します。

弧蝶は、鴎外や露伴の意見も聞いたうえで、日記を公開します。名前を出され悪口を言われて困惑した人も沢山いたらしい。逆に島崎藤村などのように名前の欠片も出されなかった人のガッカリ度も半端なかったそうです。一番戸惑ったであろうのは、日記の最初から最後まで一方的な想いで埋め尽くされ、日記を読んだ他の文人から“何でこの三流作家が、、、”と言われなき嫉妬の集中砲火を受けた半井桃水でしょうね。

日清・日露の戦勝は、日本の大衆の共有アイデンティティとして意識に埋め込まれています(明治末年生まれの僕の母も何かにつけて誇らしげに“日清日露”と言っていたことを覚えている)。

日清の戦勝と来るべき日露の戦いを前にして日本の大衆は高揚していました。緑雨は大衆やメディアに背を向けて、明確に反戦の立場をとりました。しかし叫びはしなかった。緑雨晩年の最大の理解者であった幸徳秋水は「大逆罪」で刑死するわけですが、もし緑雨がその時代まで生き延びていたら、どうなったのでしょうか?(そのとき鴎外は助けの手を伸べてくれただろうか?)

緑雨は、露伴とはむろん、鴎外に対しても生涯良好な関係を築いていたようです。立場も手法も全く異なるのですが、一方に寄ることを良しとせず、基本的には「傍観者」に徹した(それに関しては漱石も同じだし、以前書いた広津柳浪なども同じスタンスを取っています)。

ただし、鴎外は姑息でつまらん男ですね(長生きした晩年の露伴もそう言っているし、笑)。こいつが(注:僕は大好きですが、それはそれとして)漱石と並ぶ文豪として評価される理由が分からない。

大逆事件での鴎外を“2重スパイ”であると見做す意見もあります。僕に言わせれば、そんな大袈裟なものではありません。単に姑息なだけです。

鴎外は、基本的な部分では秋水の思想(反戦論)を肯定しているものと思われます。しかし、その取り組み方や姿勢に対しては否定している。じゃあ、どうすれば良いのか。そこまで踏み込まないのです。踏み込めないのか、踏み込まないのか、、、。結局のところどっちつかずの立場に立って、「大塩平八郎」とかを書いて煙に巻こうとしている。

何かにつけて煮え切らないくせに、やたらと威張り散らしている。実は自分に自信がなくて、いろんな面での才能がないことを自覚しているのです。でも対外的には(世間がそうは思わないことを自分に対する言い訳として)天才・秀才とされる自分を受け入れている。つまらん男です。まあ、僕としてはそこに魅力を感じないでもないのですが。

漱石も、直接的には「大逆事件」には言及していません。つまらん男、ということでは、似たり寄ったりなのかも知れない。

漱石は、ほぼ一生を通じて、選挙には無関心だったようです。というよりも、制度そのものを否定していたように思われます。鴎外とは違って、自分の主張は持っています。

しかし、死の前年に、初めて投票に行きました。投票どころか、選挙参謀を自分から名乗り出ている。馬場孤蝶が衆議院選挙(東京選挙区)に参戦したからです。遅きには失したのでしょうが、秋水への弔いです。

漱石最晩年の選挙活動については余り知られていません。読んでみると、孤蝶の立候補には、めちゃくちゃ入れ込んでるのですね。いろいろ企画を立ち上げ、応援演説を行い、資金繰りのために80人余の作品を纏めた「現代文集」まで急遽出版して、その巻頭に自分の評論を掲げている。

その評論「私の個人主義」は、許はと言えば(ある意味“権力の出発点”でもある)学習院の雑誌に依頼されて書いたものだそうです。それを、孤蝶の応援評論集の目玉に持ってきた。

(大衆が無意識に旗印とする)「集団性利己主義」の対極が、「私の個人主義」です。

結果。孤蝶の得票数は、、、、23票。

それが大衆です。

当時の漱石の人気は、それはもう凄いものだったはずです。一年後に逝去した際は、ほぼ国民葬と言ってもよい大イベントになりました。孤蝶にしろ、連れだって京都府議選で立候補した与謝野鉄幹(99票で揃って討ち死)にしろ、それなりに尊敬を受けているはずの著名人です。にもかかわらず、たったの23票。

それが大衆なので仕方がないのでしょうけれど。

確か以前にも書きましたが、某知人(地方の会社の社長)から、こんな忠告を受けました。

>青山さんの、中国共産党に対する考え方がどうしても私には受け付けられません。エビデンス(証拠)が無いからと言って中国共産党側に着くような発言は、大自然の素晴らしさを切り取りそれを世間に伝えようとする真摯な青山さんの感性とは、真逆の態度だと感じています。少し目を覚ました方がいいのではないかと思ってしまいます。

それが大衆なんですね。

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ネットニュースから幾つかの話題を拾っておきます。

『プーチン/バイデン電話会談』

Juji*****さん
>ウクライナがNATOに加入するかどうかは、その国の権利。それを阻害しようとするのは、人間で言えば強盗のようなもの。決して許してはならない。
[そう思う3/そうは思わない1]

milk*****
>その国自体が、異なった価値観をもつ集団で成り立っているんだよ。そんなきれいごと(一方の正義の押し付け)で成り立つ問題ではないと思うけれど、、、。
[そう思う0/そうは思わない0]

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『香港独立系メディアの「立場新聞」閉鎖へ‐警察が幹部らを逮捕』Bloomberg

コメント群は、もちろん金太郎飴状態です。

↓その中に、こんな皮肉コメントもあったです。

>早々に香港脱出した方がいいな。シンガポール、ロンドン、アメリカ大陸、日本にも全財産を持ち込んで高級マンション買ってください。
[そう思う35/そうは思わない5]

上手い!

milk*****
>香港人、金持ちだもんね。貧乏な中国人と一緒に住みたくないもんね。
[そう思う5/そうは思わない3]

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『“まるで文化大革命”、、、コロナ禍に密入国を斡旋し、晒し物に-広西壮族自治区(TV朝日系ANN)』

なんでもゼロリスクは日本人の悪癖*****さん
>【要旨を要約】逆に思ったのだが、警察当局のこの「見世物」に、批判的なことを言っても大丈夫な自由があるんだね?日本でこんなことやったら(中略)この犯人らを批判する声がネット&リアル双方で上がるだろうから、「見世物」にするかどうかの違いだけであって、見ている人民の感じるところは、大差は無いのかな?、、、と。
[そう思う22/そうは思わない15]

typ*****さん
>中国では人権が無いどころか、日常的に人権弾圧・侵害を行っている独裁国家なんだから、法律はあっても共産党の指示によって国民の不平不満を抑え込む道具に過ぎない。私は中国人なんだけれど、中国の真相・深層って本当に想像を絶する汚くえげつない。
[そう思う17/そうは思わない2]

milk*****
>僕は、typさんとは逆に、日本人なのですが(中国には野生生物の調査・撮影のため35年間に亘り行き来しています)、確かに、中国が「弾圧・侵略」を行っている独裁国家であることは承知しています。が、日本(や香港など)の民主主義社会が、本当に「自由」であるか、と言えば、そうは思わない。大衆が共有する「空気」に沿わない人間を排除しようとする、無自覚の同調圧力を伴う「正義」の強要は、中国の一党独裁政権下での、暴力よりも、ずっと恐ろしいと感じています。
[そう思う9/そうは思わない1]

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『草彅剛が語るタモリ76歳の姿』 文春オンライン

>プラタモリは好きで毎週見ています。草彅氏の「ナレーション」は、耳障りな声と、、、(以下略)

このコメントに、大喜利状態となっています(コメ主がお詫びの訂正出してる)。

milk*****
>僕は、コメント欄でいちいち誤植を指摘する傾向に、違和感を持っている人間ですが、この場合は、ちょっと違うかもしれないですね。 可能性は2つ。 ➀単なる打ち間違い。 ②この表現が最近(肯定的な意味で)日常的に使われ出している。 たぶん➀なのだと思いますが、コメントの中には②の可能性を指摘するものがありました。言葉に新しい解釈が生まれることは、必ずしも悪いことだとは思いません。しかし、往々にして「新しく出来た言葉の解釈」のほうが正しくて、元の意味が(結果として)間違っているように受け取られる方向に進んでしまうことが、垣間見られます。そのことに、少しばかし、懸念している次第です。
[そう思う118/そうは思わない9]
*何故か僕のコメントがウケていて、、、こんなところでウケても、、、、。

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書いておきたいことがあったのだけれど、トイレに行っている間に忘れてしまいました(;´д`)
今年のブログはここまで、ということで。


コメント
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