Gentiana rhodantha 紅花竜胆 (雲南省羅平) 〔Sect. Stenogyne狭蕊組〕
雲南省羅平市。標高約1600m。2007.2.18 (以下同じ)
このセクションをリンドウ属の最後に持ってきたのは訳がある。外観上、次のツルリンドウ属に類似することから、このリンドウシリーズの開始当初は、両者の関連の可能性も考慮して一応同じファイルに入れて置いたことに因る(おそらく直接の関連性はない)。
「蔓」とは何をもって言うのか良く分からなくて、「植物用語辞典*」を調べてみた。
*僕の座右の書なのだが、正直あまりに難しくて、未だ読みこなせないでいる(“本物の学者の能力というのは凄いなぁ”と、この本を開くたびに、自分の頭の貧弱さが情けなくなってくる)。
「直立できず、上方に伸びる茎」となっていた。「巻きひげ」「付着根」も必須条件なら相当しないと思われるが、単に「直立できずに(多物に寄りかかって)上伸する」という事なら、このベニバナリンドウも、ほとんど「つる性」と言って良いのではないだろうか。
雄蕊は花冠の片方に寄って(雌蕊も片寄り気味に)つき、花糸が約の手前で屈曲、衰退タイプでも待避タイプでもなく雌蕊発達後も近くに残る。花冠裂片の副片が、多数の糸状片に別れて絡み合う。
雲南中部から西南部にかけ比較的広く分布。ただし僕が観察した雲南省羅平に於いては、菜の花畑の中から盛り上がって成された岩山だけに見られ、付近の一般地質の山では見ていない。
鎮熱、消炎、咳止めなど、漢方として利用される由。
これらの山々の岩肌に生える。
撮影地点の“普通の山”には見られなかった。
Gentiana pterocalyx 翼萼竜胆 (雲南省麗江) 〔Sect. Stenogyne狭蕊組〕
雲南省麗江市玉龍雪山山麓。標高3100m付近。 2005.9.27 (以下3枚同じ)
ベニバナリンドウと違って、茎はしな垂れずに直立し、花冠副片は糸状にはならず、主片に寄り添って先端が鋸裂する。雌蕊や雄蕊の状況はベニバナリンドウに類似する。
麗江の中心街から望む玉龍雪山5596m。2008.2.22
空色:麗江/薄緑色:羅平