サパ 04.Aug.2011(下)
1 午後2時、渡渉地点から滝壷へ引き返します。手前の岩上には外国人の親子がいたのでパス。
2 しめしめ、さっきのバーベキュー地点には誰もいません。黒いアゲハの姿も幾つか見えます。雨が降ってきたけれど、たぶんすぐに止むでしょう。
3~9 カラスアゲハ(クジャクアゲハ)とオオベニモンアゲハと、もう一種、オオベニモンアゲハではないジャコウアゲハの仲間がいます。尾状突起がなく、ジャコウアゲハ類に特有の腹部の赤色が、肌色っぽい明るいピンクです。台湾のアケボノアゲハなどと同様、Atropaneura属に分類されていますが、(尾状突起がないというだけで)基本的には(狭義の)ジャコウアゲハ属Byasaとなんら変わりはありません。たしか「ハゲタカアゲハ」という和名が付いていた様な、、、。
10 一応“ハゲタカアゲハ”と呼んでおきましょう(そういえばそんな雰囲気がしないでも有りませんが、ちょっと可愛そう)。翅の黒色と、腹部の肌色に近い淡ピンクは、写真での再現が難しい。
11 対照的に、オオベニモンアゲハの赤と白は、分かりやすい色と言えます。
12 真ん中にカラスアゲハ(クジャクアゲハ)を挟んで、手前にオオベニモンアゲハ、奥にハゲタカアゲハ。ハゲタカアゲハは、腹部が見えなければ、クロアゲハと見紛えてしまいそうです。
13~14 そのクロアゲハとの2ショット。無尾型クロアゲハの後翅後角の淡赤色と、ハゲタカアゲハ腹部のピンクは、微妙に良く似ていると思いませんか? 日本のクロアゲハ(クロアゲハはシロオビアゲハの一群です)が、オナガアゲハ(ナガサキアゲハの一群)とともに、ジャコウアゲハに擬態(正確には擬態ではなく相互並行進化だと僕は考えています)しているように、大陸のクロアゲハは、無尾性ジャコウアゲハ類と相互関連を持っているようです。
15 ここで、フラッシュメモリが満杯に。傘をさして、自参したノートパソコン(この自体への対応のため、どんな山の中でも持ち歩いている)に繋いで、画像を移動します。所要時間20分、その間、様々なメンバーが現れては去っていく。焦る気持ちを抑え、辛抱強く待つしかありません。それよりも焦ったのは、この前後になって、地元の少年少女たちが、次々と岩の上に押しかけ、泳ぎ始めたこと。彼らが近寄るのを静止するのに、必死です。ついには禁じ手のお金での交渉。とっさに10万ドン(日本円40円ほど)札を一人に渡します。その効用はてきめんで、少し離れた場所で泳いでくれたのです。撮影再開後はこのメンバー。
16~17 オオベニモンアゲハ(ジャコウアゲハ族)、アオスジアゲハ、チロンタイマイ、シロスソビキアゲハ(以上アオスジアゲハ族)、それにマダラチョウ科の一種。
18~19 すぐ隣にはアゲハチョウ族の一団。クロアゲハやカラスアゲハ(クジャクアゲハ)にルリモンアゲハが加わります。残念ながらボロボロの翅の個体です。
20~21 ルリモンアゲハもカラスアゲハ(クジャクアゲハ)も、鮮やかな青色の後翅表面の班紋は、静止すると前翅を下に下ろしてしまうためにすぐに見えなくなってしまします。見えるのは、飛翔時か、静止の瞬間の一瞬だけ。かなり辛い写真ですが、一応2ショットとして紹介しました。
22~23 黒いアゲハの集団に、アオスジアゲハ族2種が加わりました。中央にクロアゲハを挟んで、左にチロンタイマイ(日本にもいるミカドアゲハの仲間)、右にアオスジアゲハ。
24 こんな所で、うつ伏せになって撮影しています。背後の子供たちの動きが、気が気で成りません。
25~26 カラスアゲハ(クジャクアゲハ)とチロンタイマイ。似た写真を数日前に似も撮ったような気がするのですが、、、、。
27 左端のルリオビアゲハがボロい個体でなければ、良い写真になるのですが。
28~30 アオスジアゲハも落ち着かない蝶です。
31~32 個人的には、こんな写真が好きなのだけれど。
33 アゲハチョウの仲間は、吸水と共に、水の放出(すなわちオシッコ)もします。体温の調節という意味合いもあるようです。数枚写した中に、2枚にションベンがはっきりと写っていました。チロンタイマイは特にオシッコが好きなようです(たまたまこの個体に置いて特に頻繁だっただけでしょうが)。
34~36 ボロのルリモンアゲハですが、見る角度によっては、結構ましな姿に写ります。
37 今回のサパの蝶の、最終撮影カット。