タイトルは失聴とかけているらしく、主人公の谷川は序盤に聴力を失ってしまう。その割に結構普通にペラペラと喋っていて、聴こえていたことがあるとは言えこんなに喋れるもんだろうかという疑問は湧かないでもない。でもそうしないと多分ストーリー展開がもたついてしまうので仕方ないかな。
ラストはとても印象的だった。さあこれから二人の戦いが始まる、ってところでエンディングテーマが流れ出したことにまず衝撃を受けた。勝負の行方はわからずじまいで、これに最初は不満だったんだが、後になってジワジワと良さがわかってきた。このオチだからこそいいんだよな。
勝つのが谷川であれ梓であれ、若い命がまた一つ失われてしまうという結果は変わらない。どちらの命も同じように尊いもので、谷川が勝ったから良かったね、めでたしめでたしとはならないんだってことを表しているんだよね。
次回からは原作者が山本周五郎から池波正太郎にチェンジ。そして次回の主役は片岡愛之助。有名どころ持ってきたね。キャストの地味さが好きなので個人的にはこういうのに心惹かれなかったりはするんだけど。
キャストと言えば、今回の主役の水田航生はテニミュに出ていた人らしい。遠藤雄弥もそうだったはずだし、この枠にはテニミュだとか特撮出身で知名度低めな俳優がちょくちょく主役あるいは重要な役で出ているようだ。でもそういうのを喜びそうな層の人たちがこの時代劇を見てるかというと、あまり見てなさそう。「人形佐七捕物帳」には若い特撮ファンもそれなりに食いついていたっぽいけど。
なんとなくこの枠の過去のキャストを調べてみたら、同じ人が二回、三回と出ていたりした。今回杉永役で出ていた遠藤雄弥も「人形佐七捕物帳」にも出ていたみたい。
一回も出ていない人で、このシリーズの雰囲気に合っていそうな俳優と言えば、私がパッと思いつくのは林泰文かな。ちょうどいい感じの地味さだし、時代劇慣れもしていそうだし。いつか見られるといいな。