大瓶束(たいへいづか)は、横柱の上に置かれる、酒を入れる丸い容器(瓶子 へいし)に似た形の装飾的な短い柱のことだそうです。横柱との接合部に結い綿(ゆいわた)という、飾りがつくことが多いそうです。左右につく飾りを笈形(おいがた)などというそうです。建物の側面にあることが多く、懸魚(げぎょ)に隠れてあまりよく見えないことが多いようですが、気をつけてみると、いろいろな変化が楽しめます。
寺社建築は、こうした細かいところに独特な装飾を入れることによって、いかにも寺社らしい雰囲気をかたちづくっているようです。
水戸八幡本殿(八幡町8-54)
佐竹義宣(よしのぶ)の時代に、15歳だったという吉原作太郎というお抱え大工によって作られた建物だそうです。
鹿島香取神社本殿(大野町258)
結い綿と笈形の両方がそろっています。
鉾神社本殿(大場町2373)
結い綿の彫刻が、狐の顔のように見えます。
吉田神社本殿(開江(ひらくえ)町499)
結い綿のないシンプルなデザインですが、その分笈形がこっているようです。
浄安寺(緑町1-13-22)
これはかなり変わったデザインになっています。