2023年 7月のソロキャンプ
久し振りのキャンピング、最後はいつだったのだろう?
「私は、行かないわよ!」と言われて、ソロキャンピングが現実味を帯びてきました。
防水コーティングのタープ、コンパクトドームテント、ポール長・本数、ガイロープ・ペグ本数など設営機材をチェック、劣化したタープに変わるヘキサタープも用意しました。不調なドュアル燃料ストーブも近くの専門店でチェックして貰いました。メタ着火剤も残っていましたが、数分燃焼のマッチ式着火剤も用意し、使い慣れたチャコールブリケットも買い増ししました。細かいものは数々ありますが、今回は調味料入れの充実にこだわると共に、特にやってみたい「焚き火台」回りの用品にこだわりました。かつてはそれほどでもなかった、草地・露地保護より「焚き火台シート・焚き火台」の必要性が必須条件になりました。つまり、裸火厳禁の場所でも、それなりの必要機材があれば「焚き火も可能」と言う事でしょうか?
今まで、個人でのキャンプファイヤーを経験しなかったAとしては、今回、楽しみなキャンピングになりそうです。また、特に「調味料」にこだわってみましたが、結果、ほぼ出る幕はありませんでした。
(7月5日 ソロキャンピングへ出発 A )
7月5日13時、東北の某キャンプ場に到着。Aのキャンピングの原点でもあり、余りあからさまにしたくない場所でもあります。
谷川を挟んだキャンプサイトに車は寄せきれず、駐車場備え付けのリヤカーで設営機材等は運搬、撤去します。「家ごと一軒持っていけば?」とKが言うほど、結構機材は小径自転車も含め多くあり、同泊の方がリヤカー1回で済ませるところ、Aは3回かかりました。
ドームテント・ヘキサタープ・生活機材・焚き火台の各設営に3時間かかりました。オートサイドテント場でない不便のなせる術というのでしょうが、Aは非常に気に入っています。サイト利用料は繁忙期の割り増しもあり、三泊四日ソロ利用でも案外かかります。
「環境に配慮し、快適な施設維持管理のための特別使用料金は必須」と思っており、毎年何回来られるか分からない場所への「投資」は必要と考えています。
(7月5日 初日のテント設営 A )
部活の頃よりキャンピング活動には、親しみました。企業戦士?…としての社会人時代は、数年に1、2回と機会は激減しましたが、慣れ親しんだ機材は自転車部品同様に手放せませんでした。
思い出深いものは、やはり、在学時代よりフロントバッグに忍ばせて苦楽を共にした「SVEA 123」です。ホワイトガソリンを燃料とするスウェーデン製加圧式ポータブル・ストーブで、全真鍮製の重量約500g、満載燃料時は1時間以上の燃焼時間を保ちます。
「1955年に発売された ゛SVEA 123 ゛は、最も人気のある携帯型トレッキング用ホワイトガソリン・ストーブの一つとされ、その特徴ある燃焼音は「離陸時のジェットエンジン音」に例えられます。1969年 SVEAブランドは、同国のポータブル・ストーブ会社・オプティマス社に買収されますが、以後40年間にわたり「SVEA 123」の生産は続けられました」
(「ウィキペディア」)
Aが使用してきた写真のものは、下向きスピンドルに火力調整用のキーが付いた制御バルブがあり、バーナー・ジェットを清掃するためのワイヤーピック(化粧箱の前)が付属しています。「SVEA 123」は、オプティマス社による買収以後や、それ以前のものも含め数種類のモデルがあるようですが、Aが求めた1970年代頃の製品は、初期の古いものの部類と思われます。最近使用するストーブ(今回のソロキャンプにも持参)は、火力の強いコールマン社製「Dual Fuel 533」シングル・ストーブが多く、SVEAの出番はなかなかありません。
(「SVEA 123」 ゛温かい友人を連れて ゛)
今回のソロキャンピングの目的の一つは、「焚き火台」と「焚き火台シート」を試すことです。露営地を保護する保護(焚き火台)シートは、かつて、余り使用されなかったように記憶しています。Aも持っていませんでしたので、今回、このキャンピングのために購入しました。炭火コンロは、2種類保有していますが、本格的な「焚き火」を楽しむ事はありませんでした。1990年代、20kgLPGボンベをBBQコンロ用に作り替えた長さ70cmほどの鋼製コンロを手に入れました。その時、コンロ回りの防風用に4枚の鉄板を組み合わせて15、6kgのチョット重量級のものを手作りしました。鉄筋や金網・鉄板を上に渡せば、色々使えそうな汎用性のあるものでした。「焚き火台」には、以前より保有していた40cm×70cmサイズの「中型足付きBBQ鉄板」を流用するつもりでした。
(今回初使用の「焚き火台」)
汗にまみれてのテント・タープ設営、山間部もそろそろ暮れ始め、近くの温浴施設に飛び込みました。事前リサーチ済みのコンビニで諸々調達、薪を買う余裕もなく持参のウィスキーを片手に20時頃寝袋に潜り込みました。
何かとこだわるAですが、「調味料」にも凝ってみました。高さ11cmまでの(収納容器の関係上)液漏れしないスクリューネジ式広口ガラス瓶と顆粒・粉末瓶を100均ストアーで調達、「家ごと持っていけば!」の言葉を度々背に受け、写真のものを用意しました。和歌山「ほりにし」の万能調味料は、数年前のものです。林間での焼肉やステーキを思い描いて「焼肉のタレ」も「ほりにし」と共に準備しましたが……、この中で使用した調味料は、7月6日の朝食「スパゲッティー・ボロネーゼ」にかけた「イタリアン 粉チーズ」のみでした。
久し振りのキャンピング、なまった体には機材降ろし、運搬、テント・タープの設営は、結構な重労働でした。疲労が思いのほか尾を引き、夢見た「焼肉パーティー」は実現せず、レトルト食品と乾き物・ビール・ミネラルウォーター・ウィスキーを体に注ぎ込むことだけでした。
(調味料準備には結構凝りました)
(7月6日 朝食前 A )
(7月6日 レトルトの「ボロネーゼ」の朝食 A )
今回2種類のタープを持参、使えるものか否か試して見ました。2年前に使用したコールマン・ヘキサタープ(対角線長600cm×480cm)はリップストップナイロン製の軽量ですが、STRATTONのレクタタープ(4m×4m)は、いつ使用したか不明の重量級のものです。事前にSTRATTONを広げてみると、内側の防水加工が劣化、ベトベトして縫い目のシールテープも剥がれていました。応急処置として、内側全面に ゛片栗粉 ゛をまぶし?…収納しました。
初日のタープは、ヘキサタープを設営しました。雨中でのヘキサタープを使用した経験は無く、それが裏目に出ました。居住性を高めるため補助のハトメ(2ヶ所)とメイン(2本)・サブポール(5本+ストレートガイロープ1本)を使い内側を高めに展張し、ほぼ真っ平らの屋根になりました。それでも傾斜を考え、タープ中央に他より幾分長いセンターポール1本を追加しましたが…! 予報通り、夕方より夜半にかけシトシトの雨模様。傾斜を流れきらないタープ上の雨が内側に染み出し、3ヶ所ほど雨漏りし始めました。ダテに高低差のあるメイン・サブポールでない事を、改めて再認識しました。
3日目(7月7日)にレクタタープにタープ替えしました。ポリコットン製の生地厚手でしっかりした重量級ですが、ソロキャンプには大き過ぎて不向きかもしれません。何より劣化して ゛片栗粉 ゛まみれの防水裏地を見上げると、破棄しか考えが及びません。一昨日の雨の教訓を生かし、しっかり傾斜を付けて設営しました。STRATTONタープ写真の横は、キャンプ場備え付けの「リヤカー」になります。積載容量に応じて大中小のものが用意されていました。
(昨晩(7/5)はテントの雨漏りに大弱り 疲れてリラックス中 A )
(7月7日 STRATTONのレクタタープと「リヤカー」)
コールマンのヘキサタープは、STRATTONのレクタタープの1/3ほどの重量に感じます。コールマンのポールは4段連結メインポール(203cm~253cmの間で7段可変)が2本のみ、STRATTONは4段連結メインポール(210cm~250cmの間で3段可変)2本+サブポール(3段連結)4本です。ポールの本数もそうですが、本体生地の重量の違いが大きいようです。
「リップストップ生地は、コットン・ナイロン・ポリエステルなどの素材があり、強度が高く太い糸、もしくは複数に撚った糸を格子状に織り込んだ高強度の生地。織りの構造上、強度が上がり、ほつれにくく破れにくいのが特徴。第二次世界大戦中、アメリカで軍服やパラシュート強化のため開発され、゛裂けても格子部分で止める……rip(裂ける)・stop(止める) ゛との事より名付けられた」、「rip~ナイロン……ポリエステルよりも多少軽量で強度があり、摩擦摩耗に強く、耐久性がある。吸湿性が低く、雨に濡れても短時間で乾く、油・虫、カビに強い。
rip~ポリエステル……吸湿性が低く、日焼けが起こりにくく、生産量多く、比較的安価」
テント泊2日目(7月6日)、本日のイベントのため薪を求めに行くと、「広葉樹・針葉樹、どちらにします? 広葉樹は着火しにくく、長持ちします。針葉樹は着火しやすく、燃え尽きやすい」と説明を受けました。どちらも片腕で一抱えあり、広葉樹が200円高い。チャコールブリケットや着火剤もあり、「初焚き火台」の祝い事のため ゛広葉樹 ゛を奮発しました。また、゛使い始め ゛となる鉈(なた)で「焚き付け用薪」を割ろうとするが、なかなか割り切れません。割り入れの途中で止まったきり、それ以上進みません。節の所では、ウンともスンとも全く動きませんでした。ググると「針葉樹(マツ・スギ・ヒノキ)は、密度が低く・軽く・柔らかい。油分が多く煙り量多し。広葉樹(クヌギ・ナラ・カシ・ケヤキ)は密度が高く重く硬い。特に節の部分」。
まだ明るいうちの17時半より焚き火開始。着火剤の手助けで順調に焚き付けも完了、宵闇迫る19時半頃には、アルコールの酔いが回るほどに焚き火の火勢も下火に、無事当初の目的を遂げることが出来ました。防風用手作り鉄板も、充分な成果が発揮できました。
(7月6日 夕方17時半から焚き火開始 A )
(「初焚き火台」イベントは無事終了)
以前のキャンプ場の運営体制がどうなっていたのか分かりませんが、今は、自治体より民間に委託されて、厳しく管理・運営されているようでした。係員が1日1回、見回っていました。炊事場・トイレ・きっちり分別されたゴミ置き場、全て清掃が行き届いていました。「現状回復」を掲げて、焚き火跡・サイトの清掃用具も充分に用意されていました。キャンプ場側の体制がしっかりしているので、使用する側もしっかりルールを守って使用しなければならないような気持ちにさせられます。
(焚き火跡の後始末 バケツ・ホウキ・ちり取り 全てキャンプ場の備え付け A )
三泊四日の撤収日(7月8日)、九州・日本海側の集中豪雨・線状降水帯の影響が、こちらまで及んできました。真夜中過ぎより「NHKニュース防災」APPをチェック、悶々として睡眠もままなりません。ポツポツ降り出した雨がフライシートを叩き始めました。まだ暗い4時前撤収開始、7時前にキャンプ場を後にしました。